12/14 全日本CX選手権 菅生

菅生の全日本シクロクロスは経験したことのないような粘着質の泥。コース半周未満でフォーク裏が詰まり、前輪がロックして全く転がらない。表彰台争いするトップレーサーでさえ担ぎながら指でほじくって泥をかき出す。
最早自転車競技なのかランニング大会なのかわからないレース。
結果は過去最高位だったが、全く追い込んだ感が無い…


12/14 全日本CX選手権 男子エリート
23位/53名(-4Lap 順位43% フルラップ完走7名)
公式リザルト(PDF)
Lynskey CooperCX
前輪: WH-6800 / IRC SERAC CX SAND / 1.7bar
後輪: WH-6700 / IRC SERAC CX SAND / 1.8bar

Lynskey ProCross
前輪: 38mm Carbon TU / TUFO Primus / 1.7bar
後輪: EC90SLX / Vittoria Cross XM / 1.8bar


会場には前日の土曜日入り。バイクは予め送り、シエルヴォのトヨカツ氏と一緒に飛行機で関空から仙台へ。1時間半ほどで到着。
株式会社モノクローバーの梶社長にお迎えいただく。遠い所ありがとうございます。
余裕ぶっこいてたので会場入りは2時半、準備してたら3時過ぎ。しかも雪が舞い始める。
なんとか2周試走するが、経験したことのないような粘着質の泥。フォーク裏にギッチリ詰まって、ホイールが回らない。
さらに悪いことに、枯れた松葉が落ちている区間があり、泥と混ざると手のつけようがない。成形して日干しすれば強固なレンガになりそうです。
試走後は監督会議。何故か喧嘩腰の監督陣VSちょっと弱気の役員の質疑応答が荒れに荒れて、30分ほど押す。
そもそもシクロクロスのレギュレーションが曖昧なのが原因なんだけど、お腹減ってきてちょっとげんなり。
ピット位置は山本カズ選手と同じエリア。ピットインのタイミングが絶対に被らないから、という理由。
監督会議が終わったら真っ暗。あー寒い。
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撤収後は近くの宿へ。部屋がひろーい。
備え付けのタオルが何故かけいおん!
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お風呂の後は夕飯。利久の牛タンを食す。宿に戻った後はスーパーで買ってきたお刺身。エンジョイしすぎ感もある。
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欲望のままに食って夜更かし気味に寝て、翌朝は7時起床。外を見るとなんだか白いぞ…
朝試走は路面が硬く。実に楽しかった。グリップも十分だし泥も付かない。ただし、轍が凍っている場所はバイクが流れて怖い。
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しかし、午前中のレースが進むに連れて路面が緩み、U23レースが終わる頃には昨日の試走時のような泥模様…
タイヤのノブにまとわりついたブロックがフレームに詰まるのでスリックタイヤを履きたいところ。
売ってくれないかなぁとIRCブースへ赴いたものの、販売用は用意無し…
…だったが、シラクCXサンドを貸して頂く。リヤは、同じ宿で少しお話した方が履いてた6770ホイールごと。ありがとうございます。
ピットは当初、梶社長ひとりの予定だったが、過去最高にハードなピットワークが予感されたので、急遽、応援に来ていた巨匠にクルーをお願いする。
直前の事だったけど快く引き受けて頂いて感謝。野辺山のときもお世話になったし、心強い。


12時25分に男子エリートの召集。レースはスタート前から始まっている。
事もあろうにスタート地点が泥。クリートはおろか靴底ごと泥だらけになる。2列目スタートなので、クリート拾えなかったら大顰蹙だ。
靴底をほじくろうと枝を探してたら、ツジケイ氏が程よい感じの棒きれをスッと差し出してくれる。あざっす。
なお、準備のいいところは直前までビニール袋を履いていた。
スタート後は予想通り出遅れる。スタートダッシュほんと苦手。シケイン前の道幅が細くなる場所で前に詰まる。
坂を下って登って、モトクロスコースに突入。キャンバーを過ぎ、ピット前を通り過ぎたら、全日本どろんこランニング大会のはじまりはじまり。
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菅生の泥はモフモフしていて、雪だるまのようにどんどん大きくなる。そしてフォークを詰まらせる。

なんとか走れているときも、フォーククラウンの辺りに泥団子がこんもりできて常にブレーキがかかっている状態。
本格的に詰まると前輪がロックし、乗ってもペダルが踏めないくらいになる。
最初はコース脇に立ち止まって泥をほじくっていたが、レース中、担ぎながらでも作業できることに今更ながら気づく。
忍者返しの急斜面をのそのそ登りながらフォークの泥をかき出し、固まった路面になるでは絶対にタイヤを接地させない。

ピットインはもちろんコース半周ごとだが、第1ピット直後、忍者返しを登った後にいきなり泥が詰まる。
しかし、第2ピットでバイク交換した後の区間は第1ピットまでは泥づまりを気にせず走れるので、かなりのアドバンテージがあったように思う。
担ぎで抜きつ抜かれつ、ピットでは半周ごとにバイク交換を繰り返し、巨匠から「23位!」と言われた直後、フィニッシュライン手前で足切り…
-4Lap 23位でした。
ペダルを踏んで力を出しきった感覚はなく、安堵と無念さが入り混じったため息をついてバイクを降りた。
順位は過去最高の23位だが、出場者数からすると、半分より上という程度。普段の練習の成果を出しきれたか、というと出し切れてない。菅生の泥に対してはあまりにも無力だった。


今回のコースでは洗車場を挟むようにシングルピットが2つ。しかも、第1ピットは平坦だが第2ピットは上り斜面にあって、ピット間もアップダウンがある。足場も悪く、クルーは選手以上にドロドロになって自転車を担いでピット間を行ったり来たり…

今年の全日本はピットワークと機材が勝敗を決した感じ。代車なしでは泥詰まりがどうにもならず、早期に80%ルールでレースを降ろされていた。
リザルトを見ると、-4Lap以上走れたのは上位54.7%。大半が-5Lapで切られている。代車とピット体制の有無がこの辺りで分かれたのではなかろうか。
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機材面では、ブレーキ周りに泥詰まりしにくいディスクCX強し。リヤ三角にブリッジのないTCXには圧倒的なアドバンテージがあったと思う。
意外と、パイプが細いせいで隙間が多く表面積の少ないクロモリフレームも良かった。
タイヤは泥を拾って詰まりにくいスリックがベスト。粘りつく泥でグリップも十分だった。


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振り返ると、頼りっぱなしの全日本でした。
事前準備から運転、現地でのサポートまでしていただいた梶社長をはじめとして、スリックタイヤを貸して頂いたIRC様、現地でレース直前にピットを引き受けてくれた巨匠に、レース後に洗車機を使わせてくれたBUCYO COFFEEには当分頭が上がりません。ありがとうございました。
また、こんな楽しいコースなのに自転車に乗れず、レース中何度も心が折れそうになったけど、キツイ場所に限ってこちらを向いているカメラや応援が励みになりました。
蓋を開ければ優勝は竹之内悠。フルラップ完走はわずか7名。スクミズマシンワークスとして走り始めた時の「全日本選手権完走」という目標には遠く及びませんでしたが、
もう一つの目標である関西CXシリーズランキングを狙いながら今シーズンの残り半分を楽しみ、来年、飯山で開催される全日本へ向けて力を付けたいと思います。
おまけ。洗車と洗濯が終わるまでがシクロクロスです…
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