【レビュー】ヒラメ ポンプヘッド 横カム

作業性と保持力に優れた世界最高のポンプヘッド。何台ものポンプを乗り継いで、自転車を降りる日まで使える。

評価 ★★★★★

購入価格 4000円

長所 -Pros-

  • ワンタッチで脱着できる
  • 保持力が高く超高圧でも外れない
  • ヘッドがコンパクトで、ディスクホイールにも対応

短所 -Cons-

  • ヘッドだけで並のフロアポンプより高い
  • バルブ径にあわせて締め付けネジの調整が必要
  • 米式や英式バルブで使うにはパーツ交換が必要

純国産 金属製のポンプヘッド

自転車、特に高圧タイヤを履くロードバイクに乗るなら、タイヤの空気入れは避けられない。
ブチルチューブでも数日、ラテックスチューブなら一晩で空気圧が下がってしまうので、週末ロードバイクに乗る人はその都度、毎日乗る人でも週に2~3回はタイヤに空気を入れる必要がある。

しかし、市販フロアポンプに付属するポンプヘッド:バルブを保持するパーツは、あまり使い勝手が良くない。
固定レバーの操作が硬かったり、外す時に勢い余ってスポークやローターで怪我をしたり。そのくせ、高圧を入れるとスポーンと抜けたり。

というか、ヒラメを使うまではポンプヘッドなんてこんなものだろうと思っていた。

ヒラメのポンプヘッドは、ヘッドだけでポンプが買える価格ながら、サイクリストやプロショップの間で使われている製品。
レバー形状が違う「縦カム」と「横カム」の2種類ラインナップされている。

横型 4818円

縦型 3608円

横型のほうが人気で、僕も2個持っているがどちらも横。片手での操作性が良いうえ、より少ない力で脱着できるのが支持される理由だろうか。
縦型は借りて使った程度だが、別段使いにくくはなく、レバーがコクッと締まる感覚は気持ち良かった。

ワンタッチで着脱

ヒラメポンプヘッド最大のメリットは作業性の良さ。締め付け力を調整するネジの加減さえ合っていれば、片手で脱着できる。

ポンプヘッドをバルブに押し込む・引き抜く時に全く抵抗がないので、ホイールをおさえておく必要もない。

調整ネジ(赤いシールが貼ってある部分)の締め加減さえ合っていれば、片手で脱着可能。

高圧でも外れない保持力

調整ネジを回し、バルブに合わせて適切な保持力に調整してやれば、ポンピング中に空気圧に負けてヘッドが抜けることはない。
7気圧前後のロードタイヤはもとより、10気圧を超えるようなトラックレーサーのチューブラータイヤに空気を入れる時でもしっかりバルブを掴んでいる

ズボラして、ネジの調整が適当なまま空気を入れると6気圧くらいですっぽ抜けたりするけど。

バルブが短くても固定可能

ディープリムなど、バルブステムの突き出しが短い場合でもしっかり保持することができる。
ただし、自宅のヒラメに合わせてギリギリの突き出し量のバルブにしてしまうと、出先で空気入れを借りた時、仏式・米式両対応のヘッドが届かないリスクはあるが…

バルブの突き出しが短くてもしっかり保持できる

ヘッドがコンパクト

コンパクトなので、タイムトライアル競技で使うディスクホイールや、小径車のホイールなど、バルブ周りに十分なスペースが無い場合でも使える
特にTTバイクのディスクホイールは高圧を入れるチューブラータイヤを使うケースが多いので、ヒラメは必須とも言える。

ヒラメ横カムの使い方と構造

使い方

ヒラメのポンプヘッドは一般的なポンプヘッドより軽い力で確実に固定できるが、「締め付け力を調整する」という一手間が必要

まず、レバーを緩めた状態でポンプヘッドをバルブに差し込む。

この状態でレバーを締めてみて、緩すぎるようなら赤いテープが巻かれた調整ネジを締める。逆に、硬すぎるなら少し緩め、適度な抵抗感でレバーが締まる程度に調整する。
この辺り、ホイールのクイックリリースと同じで「適度」の度合いがわかりにくいが、目安としては指1本の力でグッと締められるくらいだろうか。

ネジで締め具合を調節する

緩すぎるとポンピング中にヘッドが抜けることがあるし、硬すぎるとパッキンを痛めるし、最悪の場合はレバーが折れることもある。

構造

ポンプヘッドは、調整ネジを緩めると簡単に分解できるようになっている。

金属のスペーサー2枚でドーナツ状のパッキンを強く挟み込み、潰れたパッキンでバルブを固定する構造

レバーを閉じると、基部のカムが側面の突起(プラスネジの部分)を押し下げ、パッキンを潰す。
締まった状態ではパッキンがせり出してきているのが写真でわかるはず。

調整ネジの締め加減でパッキンの潰れる具合が代わり、バルブ直径の違いに対応するというわけ。

レバーを閉じると、パッキンがバルブを掴む

レバーを閉じた状態ではパッキンが潰されているので、パッキンの変形を防ぐため保管時はレバーを広げておくこと

パッキンの痛みを防ぐため、レバー開放状態で保管すること

余談だが、上の写真の通り、エアホースとポンプヘッドの固定には付属ホースバンドではなくタイラップを使用している
金属製のホースバンドは手を切りそうという理由だが、ヒラメ側の接続部が段付きになっていることもあってタイラップでも十分固定できている。

耐久性と補修部品

パッキンを除く部品は金属製で、無理な使い方をしなければ、プロショップやレースメカニックが使い倒してもそうそう壊れるものではない。

シーリングゴムとパッキンは消耗品だが、補修部品が安価に手に入るので、数年ごとにメンテナンスしていればずっと使える。というか、先にフロアポンプが壊れる。

僕が今使っているヒラメは10年近く前に知り合いから譲り受けたもので、数年前にパッキン交換して快調。
レビュー写真の個体は2~3年ほど前に入手したものだが、一向に壊れる気配がないので未使用のまま。出番は来るのだろうか…

なお、米式や英式、競輪用の部品が販売されており、組み替えることで仏式以外のバルブにも対応できる。

ただし、パーツ組み換えが必要なので、フレンチバルブとアメリカンバルブが同居する環境の場合は、ちょっと面倒…というか、別にポンプを用意することになると思う。

使い方解説動画

まとめ: 世界最高のポンプヘッド

スポーツサイクルに乗る上で避けて通れないタイヤの空気入れが圧倒的にラクになる、ショップやプロメカニックだけでなく、毎日のように走るサイクリストにとっても「買い」の逸品。
自転車中心の生活を送っているコアなサイクリストはみんな持っているので、意外なほど話題に上らない製品でもある。

ヒラメのコピー品も出回っているが、品質が良さそうなのは価格が変わらないし、安いものは明らかに造りが粗悪だし、ヒラメ以外のポンプヘッドを選ぶ理由は無い。
ほとんど手作りのような製造工程らしく、品薄でプレミア価格になっていた時期もあったので、ほしいと思っているなら買える時に買っておきたい。

僕の場合は、手に入れた時に「今まで何やってたんだ…」と後悔した。レビューの通り、一度買ったらバイクを降りる日まで使えるので、ぜひ。