フィルタークリーナーとは
フィルタークリーナーは、本来はオートバイの湿式エアクリーナーを洗浄するためのケミカル。湿式エアクリーナーとはオイルを染み込ませたフィルターで、ここに空気中の汚れを付着させることで、エンジンが吸気する空気を綺麗にする。エアクリーナーが汚れてきたら、フィルタークリーナーでオイルごと洗浄し、再び新しいオイルを染み込ませるというわけ。
フィルタークリーナーによる洗浄は2ステップ
- 塗布したフィルタークリーナーが汚れた油分と溶け合う
- 水をかけると、白く乳化して油汚れごと流れる
自転車のチェーン洗浄ではワコーズのフィルタークリーナーが長年の定番商品だったが、数年前に生産中止になってしまった。
AZのフィルタークリーナーは、ワコーズ製品より若干洗浄力が劣るものの、代替製品として最有力の選択肢となっている。
フィルタークリーナーでのチェーン洗浄
チェーン洗浄に先立ち、まず、以下の道具を揃える。
作業時は汚れが飛び散るので、
- 水を流せて汚れてもいい場所
- 汚れてもいい服
- ゴム手袋
も推奨。
さて、まずは最初に床に水を撒く。こうすることで、床面に油汚れがこびりつくのを防げる。このとき駆動系は濡らさないように。可能なら後輪リムも濡らしておくと後で楽。
次に、カップ容器にフィルタークリーナーを小出しにする。チェーン、クランク、スプロケ、ディレイラープーリー洗浄なら、50mlもあれば十分。
フィルタークリーナーをブラシにつけて、駆動系を掃除していく。歯磨きするように軽く擦るだけで、こびりついた油分がクリーナーに溶け出してくる。
チェーンは、AZのチェーンブラシを使うと効率よく掃除できる。インナーギヤや、スプロケット、ディレイラープーリーも忘れずに。
一通り終わったら、水をかけるとフィルタークリーナーが白く乳化して汚れとともに流れていく。クリーナーの成分が残留しないよう、大量の水で洗い流す。この時、汚れが飛び散ったリムやチェーンステーもブラシで擦りながら流すときれいになるし、ブラシの汚れも落ちる。
作業の前後を比べるとこんな感じ。チェーンの奥まった場所にある細かい汚れは取り切れていないけど、準備片付け含めて15分くらいでこれだけきれいになれば十分だよね。
ついでに洗車(適当コース)
せっかくなので、ついでに洗車もしよう。バイク全体をざっと水で流したあと、毛足の柔らかい洗車用ブラシに食器用の中性洗剤をつけて、水を含ませて洗っていく。
まず水を掛けて、付着した砂などの汚れを大まかに流す。
そして、濡らしたブラシに洗剤を含ませ、きれいな場所から順に、サドル→ハンドル→フレーム・フォーク→リム→クランクアーム
と洗っていく。リムブレーキだと汚れやすいフォーク内側とシートステー、ディスクブレーキだとキャリパー周りを念入りに。とはいえ、今回は手抜き洗車なので、ホイールも外さず適当に。
フルサスMTBのリンク周りやホイールのハブ等、奥まった場所の汚れが気になったらMuc-offのホイールブラシをガシガシ突っ込む。これはサイズや毛足の硬さがよく出来ていてさすが専用品といった感じ。(割と頑張って安価な代用品を探したけど、同等の使い勝手のブラシが見つけられなかった)
悠長に作業していると洗剤が乾いてしまうので、夏場はスピード勝負。さっさと洗って、すぐに洗い流す。
あとは、バイクを軽く落として水気を払い、雑巾で適当に拭いて、しばらく放置。油分を失ったチェーンが錆びる前に注油を忘れないように。
まとめ
強力な洗浄力を持ち、汚れたチェーン周りを短時間で綺麗にできるクリーナー。チェーンクリーナーやパーツクリーナーでちまちま掃除するのが馬鹿らしくなるくらいの作業効率なので、水を流せる環境の人ならどんどん使うべき。
1L缶を買って50mlずつ使っても20回分。2週間ごとにチェーンを洗っても1年は持つ。僕はリピートで4L缶を買ってから数年経つが、使い切る気配がない。
自転車整備をしているうち、指紋や爪の間に入り込んだ黒い油汚れもきれいに落ちる。でも多分、そういう使い方はしちゃいけないんだと思う。