レビュー

【レビュー】OSCAL PowerMax 300 ~容量266Whの小型ポータブル電源~

OSCAL PowerMax 300

容量266Wh 定格出力300Wの小型ポータブル電源。
USB(Type-A、Type-C)はもちろん、AC出力、シガーソケットを備え、スマートフォンやノートPCの充電はもちろん、電源がない環境でも(比較的小電力の)家電製品を利用することができる。
内蔵の5W LEDライトは照射範囲が広く、作業灯として実用的に使える。

本稿でレビューする製品は、OSCAL様からの提供品です。

長所 -Pros-

  • コンパクトな箱型で持ち運びしやすい
  • 内蔵LEDライトは明るく実用的

短所 -Cons-

  • 本体バッテリーの充電が遅い
  • AC機器をたくさん使うなら出力と容量が物足りない

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Blackviewのサブブランド OSCAL

失礼ながらOSCALという名前を耳にしたことはなかったのだが、Blackviewのサブブランドと知ってピンときた。

Blackviewはタフネス系スマートフォンをメインに展開する中国 深センのブランド。
中華スマホ好きのガジェットオタクの間ではそれなりに知名度があり、赤外線カメラやサーモグラフィー、果てはレーザー距離計などを内蔵した変態系端末に定評があったりする。

そういう端末にはとても興味をそそられるのだが(笑)、今回レビューを行うのはスマホではなく、OSCALブランドの小型ポータブル電源「PowerMax 300」だ。

小型ポータブル電源 OSCAL PowerMax 300

スマホが手放せない現代人にとって、電気は重要なインフラだ。

ポータブル電源は、高出力・大容量の「持ち運べる電源」だ。
スマートフォンの充電に使うモバイルバッテリーと比べて、大電力を長時間供給できる
また、変圧器やインバーターを内蔵し、シガーソケットのDC12Vや、家庭用コンセントのAC100Vを出力できることが特徴となっている。

主な用途はキャンプや車中泊といったレジャー時。また、災害時の備えとしても有効だ。

大容量の電源と電化製品を持ち込んで、自宅とほぼ変わらない環境でするキャンプに何の意味があるのか疑問に思わなくもないが…

ポータブル電源は、家庭用に限っても容量200Wh程度の小型モデルから1000Whを超えるものまであり、価格も1万円台から10万円以上と大きく開きがある。

基本的に、ポータブル電源は大容量になるほど定格出力も大きくなる。ノートPCの充電や、ポータブル冷蔵庫くらいなら小容量の製品でも良いが、電気ポットやヒーター、IHコンロといった600~1000Wクラスの機器を使いたいなら、大容量の製品を選ぶ必要がある。

今回取り上げるPowerMax 300は、容量266Wh、定格出力300W(瞬間600W)と、比較的小型で持ち運びやすいポータブル電源だ。
価格の安さも魅力で、定価が3万円、タイミングによっては2万円以下で購入できることもある。

PowerMax 300の仕様一覧

バッテリー仕様容量266Wh
 形式18650 Li-Ionセル
出力AC300W ×1 正弦波 110V 60Hz
 USB-C60W ×1
 USB-A18W ×3
 12V DC12V/10A ×1 DC 5525 ×2
入力AC100-240V 55W 4.5時間で80%充電 6-7時間で100%充電
 シガーソケット12V 55W 7-9時間で100%充電
 ソーラーオプション 最大55W
一般重量3.81kg
 寸法幅244×奥行き171.4×高さ177mm
 充電温度0-40℃
 使用温度-10-40℃
 騒音35dB未満(冷却ファン オフ時)
70dB未満(冷却ファン オン時)
※冷却ファンは内部温度45℃以上 or 出力60%以上で作動
その他LEDライト5W 電球色LED 点灯・SOS点滅

本体外観

筐体はプラスチック製だが、製造品質は良く、安物にありがちなヒケや歪みは見受けられない。

300Whクラスの小型ポータブル電源らしく、寸法は幅244mm×奥行き171mm×高さ177mmとコンパクトだ。

上面には折りたたみ式のハンドルが備わる。こちらも樹脂製だが剛性が高く、グリップ部分はゴムになっていて握りやすい。
また、ハンドル収納時には突起物のない箱状になるため、自宅内での保管やクルマへの積載時に場所を取らない

操作ボタンや液晶ディスプレイ、入出力ポートは本体前面に集中している。ただし、AC出力だけは向かって右側面にある。
また、左右側面には冷却ファンの給排気口が備わる。
本体背面には5Wの面発光LEDライトが内蔵されている。

本体重量は実測で3.7kg。ずっと持っているならともかく、少し移動させるくらいなら負担にならない重さだ。

4種類の出力

PowerMax 300は、18650セルを容量266Whで、以下4種類の出力を備えている。

  • AC 110V
  • USB Type-C
  • USB A
  • DC 12V(シガーソケット+5525ジャック)

本体正面に3つ並んだボタンのうち、左端の電源ボタンを押すとUSBとDC出力がオンになり、液晶画面にバッテリー残量と各ポートの電力が表示される。
AC出力のみスイッチが別系統になっており、一番右のボタン押して電源を入れる必要がある。

バックライトは一定時間でオフになるが、その際は電源ボタンを押すと再び点灯する。
(バックライト点灯中に電源ボタンを押すと本体がオフになるので注意)

使用中、内部温度が45度以上になる、または、出力が定格の60%以上に達すると冷却ファンが作動するようになっている。
ファンの騒音は、静かな室内だと回っていることがわかる程度。屋外では聞こえない。

以下、各出力ポートの仕様を紹介する。
なお出力電圧や電力の計測には市販のワットチェッカーUSBテスターを使用した。簡易的な計測となるが参考にしてほしい。

AC 110V 300W

家庭用の機器に電力を供給できるAC出力は、定格300W(瞬間600W)の出力に対応する。
安価なポータブル電源では、矩形波や修正正弦波といったパルス出力になっていることがあるが、本品は家庭用コンセントと同じ正弦波出力のため、電子機器や交流モーターなど、全ての機器が使用できる。

ただし、本機のAC出力は海外仕様のため電圧110V 周波数60Hzだ。ACアダプタの類はほぼすべて問題なく対応しているはずだが、モーターやヒーターを使う場合は注意したい。

AC出力のメリットは家庭用の電化製品が使えること、大電力の機器が使えることだ。

このために購入した定格300W 350mlの電気ポットでお湯を沸かしてみたところ、300W弱で給電が行われ、6~7分で沸騰した。屋外でも温かいものが飲めるので、冬場のレース会場では重宝する。

ただ、一度お湯を沸かすとバッテリー残量は20%以上減る。一人なら余裕だが、複数人でシェアするならバッテリー容量が少々心もとない。そういう用途ならもうワンサイズ大きいポータブル電源が必要だ。

USB Type-C 60W

USB Type-C端子を搭載し、USB PDで最大60Wの給電が行える。

PD対応のスマートフォンやタブレットでは、Type-Cポート経由なら高速充電が行える。
手持ちのAndroidスマートフォンでは18Wで充電が行われた。

また、ノートPCもUSB Type-C充電の製品が増えてきた。対応機器を持っている場合、ACアダプタを使うより、USB Type-Cケーブルを用いるほうが嵩張らないし、電力のロスも少ない。

M1 Macbook Airを繋いでみたところ、約45Wで充電が行われた。

USB A 18W

USB Aポートは3基備わっており、スマートフォンの充電や小型機器への給電など、汎用的に使うことができる。

QuickCharge 3.0に対応しており、Androidスマートフォンを接続したところ、9V 1.5A 13.5Wで充電が行われた。

DC 12V 120W

DC12V出力は、電力ロスが少なく、バッテリー寿命への悪影響も少ないことが特徴だ。

シガーソケットからは、12V 10Aの出力が可能で、車載用アクセサリを使用できる。

また、5525(外径5.5mm 内径2.5mm)のジャックを2基備えるため、ケーブルを用意すれば汎用的な直流電源として使用可能だ。

各ポートは同時利用可能

これらの出力は同時に利用可能。
例えば、お湯を沸かしながらスマホの充電が行える。

USB A + USB C + AC

本体バッテリーの充電

ACアダプタとシガーソケットが付属し、2通りの方法で充電を行える。

ACアダプタは100-240V入力で出力60W。充電は55Wで行われ、空の状態から4時間半で80%充電、6~7時間でフル充電が可能。
充電速度についてはやや不満だ。300Whクラスのポータブル電源は、速いものは2時間くらいでフル充電できる。

シガーソケットは12Vに対応。こちらは7~9時間で満充電となる。ケーブルを持っていれば、クルマで移動中に継ぎ足し充電が行える。

また、オプションでソーラーパネルからの入力にも対応している。

LEDライトを内蔵

本体背面には、出力5Wの面発光LEDライトを内蔵しており、ボタンひとつで点灯できる。
やや黄味がかった暖色系のLEDで、周囲を明るく照らすワイドな配光となっている。

レースから帰宅後、自宅前でバイクを洗車する際に使ってみたが、明るさも十分で作業が捗った。
ただ、角度調整はできないので、ちょうど良い置き場所を探さねばならない。また、本機は非防水なので、水がかからないように注意が必要だ。

本体のハンドルを持って、懐中電灯的に使うことも出来る。キャンプで夜中トイレに行く時に使えそうだ。キャンプしないけど。

なお、ボタンをダブルクリックするとSOSモードで点滅する。遭難したときには役立つかもしれない。

自転車レース会場で活用

自転車レース(シクロクロス)参戦時、会場に持って行って実際に使ってみた。

前提として、シクロクロスは冬の競技なので寒い。しかも、朝から夕方までずっと屋外にとどまることになる。
当然温かいインナーに保温材入りのジャケットを着込むが、それでも寒い時は寒い。

ポータブル電源の活用法で真っ先に思いついたのが湯沸かしだ。
そこで、消費電力300Wの小型電気ポットで温かい飲み物を入れてみた。

前述したように、350mlの水を6~7分で沸騰させることができる本品。もちろん、湯量が少なければさらに短時間で沸く。
火を使わないので、湯沸かし中に目を離せるのも良い。

寒い時期でも体の中から暖まる。期待通りにQOL爆上がりである。

また、シクロクロスはオフロード競技なので、天候や路面状況によっては泥だらけになる。雨レースのときなど、寒いわドロドロだわで後片付けが悲惨なのだが、
そんなときも、沸かした熱湯を水で割ってぬるま湯にすることで、脚を洗ったり、身体を拭くのに使える。

幸いにも、今シーズンに入ってから走ったレースは全てドライコンディションだったが、シーズン中2~3回は雨が降るだろう。
そんなときも、キンキンに冷えた水で凍える必要がないと思うと、多少前向きな気持ちでレースに臨める。

夏場は夏場で、扇風機を回したり、小型冷蔵庫で飲み物を冷やしたりできそうだ。

クリップ扇風機は25Wと省エネ

他にも、バッテリー式高圧洗浄機の充電、くつ乾燥機の使用、小型コンプレッサーの駆動など、使い道はいろいろ。
100Vの高圧洗浄機や電気ケトル、IHクッキングヒーターを使うなら、大型で高価な1000Wクラスのポータブル電源が必須と思っていたが、定格300Wでも、様々な便利グッズを使用できる
ただし、本機のバッテリー容量は266Whなので、バッテリー切れにはご注意を。

くつ乾燥機(200W)も使用可能 濡れた靴を乾かせる

USBポートが複数あるのも便利で、前述のような機器を使いながら、スマートフォンやカメラの充電も行える。
レース仲間の写真や動画を撮っているとバッテリーがどんどん減っていくし、特に寒い時期はバッテリーが弱るが、そんな時、QuickCharge 3.0対応のUSB Aポートや、Type-Cポートを使うと高速に充電できる。自分のレース招集前に繋いでいけば、レース後にはほぼ満充電になってるだろう。

まとめ:電源を集約できるメリット

今は便利なアウトドアグッズがたくさんあり、バッテリー駆動の扇風機やLEDライト、電気ケトル、コーヒーメーカーまで手に入る。
また、マキタやハイコーキといった作業工具メーカーからも、充電式のコンプレッサーや高圧洗浄機など、自転車レース会場で使えるツールが販売されている。

したがって、実はポータブル電源が無くても、本文で紹介したような環境を実現できる

しかし、これらの機器はどうしても高価になるし、そのうえ個別にバッテリーの管理が必要になる。
1つ、2つならいいが、数が増えると大変だ。たまにしか使わない機器の場合、いざ出番が来たときには電池切れ…ということもある。

ポータブル電源のメリットは、屋外で高出力の家電製品を使えることだと思っていたが、実際に使ってみて感じた最大のメリットは「電源をひとつに集約できること」だった。
ポータブル電源のバッテリー残量にだけ気を配れば良い。もちろん、使用する機器も、バッテリーを内蔵しない安価なものを選べる。

大容量・高出力の製品ではより多くのことができるが、重く大きく、そして高価だ。案外300Wの小型安価な製品でも便利に使えるものだと実感できた。