レビュー

【レビュー】パナレーサー デュアルヘッド デジタルゲージ ~2020年にモデルチェンジした新型デジタルエアゲージ~

Panaracer Dual Head Digital Gauge BTG-PDDL2

2020年にモデルチェンジしたデジタルエアゲージ。仏式・米式バルブに対応し、最大12.4気圧までの空気圧測定が可能

長所 -Pros-

  • 0.01bar表示で空気圧の測定と調整が可能(測定精度は±0.1bar)
  • 可動部が無いため、アナログゲージに比べ衝撃に強い

短所 -Cons-

  • ボタン長押しでの電源オンが煩わしい
  • 非防水なので水濡れ注意
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タイヤ空気圧の管理

ロードバイクのタイヤ空気圧は7気圧程度、最近、ワイドタイヤやチューブレスタイヤの普及で空気圧が下がったとはいえ、それでも25cタイヤで5気圧を下回ることは稀である。
しかし、私がメインで取り組んでいるシクロクロスのレースでは、幅33mmのチューブラータイヤを2気圧以下、多くは1.5~1.9気圧あたりで使用する

シクロクロスのチューブラータイヤ

シクロクロスはオフロードの周回コースを走る競技で、舗装路だけでなく土、草、砂、そして泥といった様々な路面を走る。
MTBのようなサスペンションが無く、タイヤ幅もレギュレーションで33mm幅に制限されてたシクロクロスでは、こうした悪路ではタイヤへ要求される負担が大きい。
加減速やコーナリングでグリップを発揮するだけでなく、衝撃の吸収、路面のうねりへの追従といった役目も求められる
これらのタスクをすべて受け持つには、33mm幅のタイヤは明らかにキャパシティ不足で、タイヤの能力の範囲内で限界を引き出す乗り手の技量、そしてシビアな空気圧管理が重要となってくる

シクロクロスタイヤは様々な路面でグリップを発揮しつつ 衝撃吸収も担わなければならない

転がり抵抗が少なくなるようにと空気を入れすぎると、路面の凹凸でバイクは跳ね、まともにペダリングできなくなる。
逆に、空気圧を下げすぎると、荷重に耐えられずコーナーでタイヤがヨレたり、あるいは段差でパンクしてしまう。

そのため、レースの時は必ずコース試走を行い、路面の硬さ、凹凸、段差の有無、レースのスピードレンジを見極めて、最適な空気圧に調整する必要がある。
人にもよるが、最適な空気圧は2気圧以下、私の場合、1.6~1.9気圧の範囲を常用している。このなかで、コースコンディションに合わせて0.1気圧単位で調整する。

そこで必要になってくるのがエアゲージ。私は以前からMTB・シクロクロス向けの低圧専用エアゲージを使用しており、毎レース空気圧管理を行っている。
また、コースコンディションとタイヤの種類、空気圧はレースレポートに記録している。

自分の乗りやすい空気圧が何気圧か把握しておくことは、上達に欠かせないと言って良い。カテゴリー1ともなれば、みんな自分用のエアゲージを持っていて、空気圧を管理している。
たまに、空気圧が適当だけど速いヤツもいるけど…

パナレーサー デュアルヘッド デジタルゲージ

パナレーサーは以前からデジタルエアゲージを販売していたが、本品は2020年にリニューアルされた製品。
仏式・米式バルブ両方に対応し、最大12.4気圧までの空気圧を測定できる。

シンプルな操作

測定モードと調整モードがあった旧モデルに比べて操作がシンプルになり、直感的に操作できるようになった。

電源を入れてバルブに押し付けるだけで空気圧を測定できる。

2020年にリニューアルされた新型デジタルエアゲージ

精度と最大測定圧

測定誤差は±0.1気圧最大12.4気圧まで測定できる。

空気圧が低く、コース状況にあわせて微妙な空気圧管理が必要なMTB・シクロクロスから、高圧で使用するロード、トラックまで1台で対応できる。

CR2032電池を使用

電源はCR2032コイン電池を1個使用する。パワーメーターや心拍計でも使うものなので、予備電池を他のデバイスと共用できる。

CR2032電池を1個使用

バックライト搭載

青色のバックライトがついているので、暗い場所でも数値を読み取りやすい。
バックライトは何らかの操作で点灯し、10秒で消灯する。

明るいバックライト

最低15mm以上のバルブ突き出しが必要

説明書には、最低15mm以上バルブが突き出していないと測定できないと記載されている。
リムナットの位置をずらしながらギリギリ測定できる長さを探したところ、ナット端面からバルブ先端まで約12mmあれば空気圧測定が行えた。
バルブによっても多少異なるはずだが、説明書の通り15mmほどあれば確実だと思う。

バルブ突き出し12mmでギリギリ測定できた

ヒラメで空気を入れるにしてもこの程度のバルブ長は欲しいので、バルブエクステンダー前提のバルブ長でもない限り、大抵のホイールで問題なく使えると思う。

非防水なので水気に注意

本体には防水パッキンなどは一切入っておらず、防水機能は備えていない。
濡れた手で操作する程度なら問題ないだろうが、雨に打たれたり、水をかけたり、水没させると誤作動や故障の原因になる。

アナログエアゲージのような可動部がないため衝撃には比較的強いが、水気に対しては十分気をつけるべき。

Oリングなどの水濡れ対策は行われていないので注意

操作方法

電源オン

「ON/OFF/Scales」ボタンを長押しすると電子音が鳴って電源が入る。

バルブ形式の切り替え

バルブ部分は180度回転するようになっていて、仏式・米式を切り替えることができる。
内部で流路が切り替わっているわけではないため、バルブがどこを向いていても空気圧の測定は可能。

計測単位の切り替え

電源が入った状態で「ON/OFF/Scales」ボタンを押すと、測定単位が

PSI → BAR → kg/cm2 → kPa

の順に切り替わる。

測定単位は電源をオフにしても保持される。

空気圧の測定

電源が入った状態で本体をバルブに押し込むと、空気圧が測定される。
ただ、結構力強く押し込まないといけない

測定中「HOLD/CLE」ボタンを押すと、測定値が固定される。長押しでリセット。

空気圧の調整

エアゲージを押し込んだ状態で、ヘッド部分にある銀色のエア調整ボタンを押すと空気が抜け、圧力を調整できる。
このボタンも結構硬いが、シクロクロスタイヤの微妙な空気圧調整も十分行えた。じわっと押すと調整しやすい。

銀色のボタンで空気圧調整を行う

電源オフ

「ON/OFF/Scales」ボタンを長押しすると電源がオフになる。

また、45秒間操作しないとオートパワーオフで電源が切れる。

測定の仕組み

タイヤの空気圧は、大気圧との差として表される。

まさか水銀柱の高さを測るわけにもいかないので、アナログ式の圧力ゲージ(ブルドン管圧力計)では中空の金属管の変形をギヤで増幅して指針の動きにしている。
一方、デジタルエアゲージでは、半導体上にひずみゲージを形成し、気圧によるひずみを電気抵抗の変化として捉える(ピエゾ抵抗式受圧素子)。

【ピエゾ抵抗式気圧センサ】
Rohm 気圧センサ

パナレーサー デュアルヘッドデジタルゲージにも、ピエゾ抵抗式受圧素子と周辺回路を一体化したICが組み込まれているようだ。

挙動を観察していると、どうやらエアゲージの電源投入時の測定値を基準としてゼロ点をリセットしている様子。
なので、(やる人はいないと思うけど)口金をバルブに押し当てながら電源を入れると正確な空気圧を計測できない。

レビュー動画

まとめ:1台で低圧から高圧まで

普段の空気圧測定はパナレーサーのアナログゲージを使用しているが、シクロクロスでは最大3気圧の低圧専用ゲージ、ロードバイクでは10気圧程度まで測れるエアゲージを使い分けている。
高圧用ゲージでMTBやシクロクロスタイヤの空気圧は正確に測れないし、逆に、低圧用ゲージを高圧のロードタイヤに使うと、ゲージを壊してしまう

アナログエアゲージは使い分けが必要

その点、デジタルエアゲージはCXタイヤもロードタイヤも1台で対応できるし、仏式・米式どちらのバルブにも使える。

消耗品である仏式用ヘッドのゴムパッキンは部品購入(BTG-PDDL1-FVR)が可能なので、長く使える。ただし、水濡れには気をつけて。

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