2020年の梅雨は雨が多い。外で乗れなくて暇なので、携行品や携帯工具の内容を見直してみた。
工具選定の前提条件
ロード乗りは携帯ポンプと予備チューブくらいは持っていると思うけど、どこまでのトラブルを想定して、どれだけの工具や部品を持っていくべきかは、走る状況に大きく左右される。例えば、パンクしたら即リタイアの短距離レースならチューブすら持たないし、世界一周に出かけるなら予備のスポークやタイヤも携行品リストに加わってくる。
あまり極端な状況を想定しても仕方ないので、今回は、以下のような状況を前提にして選定した。
- 数10km~数100km程度の舗装路サイクリング
- 山間部など、人気のない地域がある
- パンク・ディレイラー破損、チェーン切れ程度のトラブルを想定
- 近くの市街地まで自走できる程度には修理できること
- なるべく軽量コンパクトにすること
携行品リスト
先程の条件で、使いそうなものをリストアップした。主観になるが重要度を★で表していて、
- ★★★…必須
- ★★☆…状況によって必要
- ★☆☆…あると役立つ
といった感じ。
パンク対策
- ★★★ 空気入れ
- ★★★ CO2インフレーター・ボンベ
- ★★★ 予備チューブ
- ★★☆ イージーパッチ
- ★☆☆ タイヤブート
- ★☆☆ タイヤレバー
パンクは最も頻繁にあるトラブルなので必ず備えておきたい。空気入れとCO2インフレーターはどちらかでOKだが、遠出するなら複数回のパンクも想定されるので、バックアップで小型の空気入れも持ちたい。
「じゃあ空気入れだけでいいじゃん」という声もあるが、パンクしてただでさえ気が滅入っているときに、炎天下で、あるいは寒風吹きすさぶ中でスコスコ空気を入れるのはだいぶ辛い。2秒で7気圧まで持っていけるCO2インフレーターを一度使うと、正直もう手放せない。
タイヤブートはサイドカット時にタイヤ裏から貼って裂け目を塞ぐためのもの。ダクトテープで代用可。
クリンチャータイヤを前提として書いたので、チューブラー・チューブレスの人は予備タイヤなりTL修理キットなりを適宜。
工具類
- ★★☆ 六角レンチ
- 1.5mm (稀にある)
- 2mm (小物の固定ボルト)
- 2.5mm (小物の固定ボルト)
- 3mm (ボトルケージ・ステー類)
- 4mm (コンポーネント全般)
- 5mm (コンポーネント全般)
- 6mm (一部ステム・シートポスト・ペダル)
- 8mm (ペダル)
- T25 (6穴ディスク・カンパのレバーとRD)
- T30 (チェーンリング)
- ★★☆ ドライバー
- +2
- -5mm
- ★★☆ チェーン切り
正直無くてもそんなに困らないんだけど、ハンドルやサドルのポジションを調整したり、あるいはボルトが緩むこともたまないあるので六角3,4,5mmくらいは持っておいたほうが良い気がする。他のサイズは自分の自転車に使われているボルトを見て選定。MTBやカンパ使ってる人はT25も必要。
スルーアクスルのディスクロードだと、5mmや6mmの六角レンチがないとホイールを外せないので、忘れるとパンクや輪行時に詰む。
なお六角レンチはいろいろ試してみたけど、十徳ナイフタイプのは奥まった場所に入らないし、ビット交換タイプも作業性が悪い。いわゆるL字のアーレンキーが一番使いやいし、しかも軽かった。おすすめは標準寸法でボールポイントなし、できれば錆びにくいメッキ処理のもの。
僕はエイトの1.5~6mmやPB SWISSの1.5~6mmを使っている。
ディレイラー調整ボルトは2番のプラスネジだが、マイナスでも回せる。めったに使わないし、汎用性の高いマイナス推奨。
チェーン切りは軽くてコンパクトなものを持っておくと、チェーン切れやディレイラー破損で自走不能になったときに大いに役立つ。
数年前、台湾ツーリングにて走り始めた直後にディレイラーを巻き込んでハンガーを折ったとき、迂闊にも予備ハンガーを忘れたので冷や汗をかいたが、ディレイラーを外し、チェーンを切り詰めてシングルスピード化することでその後の行程を走りきれた。
パーツ他
- ★★☆ ディレイラーハンガー
- ★☆☆ ボタン電池
- ★★☆ チェーンオイル
- ★★☆ タイラップ
- ★★☆ ダクトテープ
- ★★☆ 仏→米アダプタ
- ★☆☆ 輪行袋
ハンガー折れはクリティカルに自走不能になるうえ、車種専用で自転車屋での購入が絶望的。ハンガー曲げたり折ったりしたらどうせ必要になるものだし、自転車を買うときに一緒に予備ハンガーも注文して、常に持っておきたい。
クイックリリースのバイク限定だが、汎用的に使える緊急用のハンガーもある。
タイラップとダクトテープは応急処置の最強タッグ。
タイラップはサイコン取り付け等でも結構使うので、一袋買って持っておくといい。おすすめは長さに余裕がある200mmと、細く目立たない100mmの2種類。耐候性がある黒色を選ぶこと。なお、インシュロックはヘラマンタイトン社の、タイラップはトーマスアンドベッツ社の登録商標なので、一般的には結束バンドと呼ぶのが正しい。
ダクトテープは数10cm程度をポンプに巻いておくと良い。
仏→米アダプタは保険。緊急時、ガソリンスタンドで空気を入れるときに使う。
輪行袋は、持って走る人がけっこういるようなのでリストに加えたが、私は輪行が想定される時以外は持たない。
携行品の一例
いろいろ考えて、携行品は以下のような構成になった。
- CO2インフレーター …ヘッドはなるべくコンパクトなものを選定
- 予備チューブ …古い靴下で巻いて保護
- イージーパッチ …チューブ表面を荒らすヤスリも一緒に持つ
- タイヤレバー …無くてもタイヤ外せるけど、薄いのでサドルバッグの隙間へ
- 六角レンチ 1.5~6mm …8mmは重いので割り切って持たない。
- チェーン切り …ペドロスの携帯工具についてきたやつ
- ボタン電池 …パワーメーターの電池が切れたらやる気を失うので必須
- チェーンオイル …普段から注油してたら不要なので、クビにしてもいいかも…
- 携帯ポンプ …概ね100km以上の行程ではポンプも携行する
これで対処できないメカトラブルは重傷だろうから、家族にSOSの電話するなり、自転車保険付帯のロードサービスを使うことになる。
パンクとチェーントラブル以外でバイクが自走できないような状況って、僕も無事じゃない気がするけど。