ZWIFTワークアウト THE GORBY (60min 81TSS) ~有酸素運動能力を効果的に高めるVO2MAXトレーニング~
L5(VO2MAX) 5分+レスト 5分というシンプルなインターバルワークアウト。その目的は、有酸素運動の限界であるL5強度(VO2MAXパワー)に長時間滞留し、より多くの酸素を取り込み、より多くのエネルギーを(有酸素的に)合成できるようになること。
遅筋をフル回転させるハードなメニューなので、フィジカルのベースが出来ていない人は完遂が難しいかもしれない。
ところでゴルビーって誰?パイプライン大作戦?
目次
Less than 60 minutes to burn > The Gorby

https://whatsonzwift.com/workouts/less-than-an-hour-to-burn/the-gorby/
メインセット
- アップ
- 30→80% 10分
- メインセット
- 5セット×(110% 5分+55% 5分)
VO2MAXとインターバルトレーニング
VO2MAX(最大酸素摂取量)とは、1分間に身体に取り込める酸素量を体重で割った数値。有酸素運動能力に大きく影響し、持久力の指標になっている。
VO2MAXを鍛えるには、息が上がり高い心拍数をキープするような高強度の運動が効果的だが、そういう強度で長時間トレーニングを続けることは難しい。
なぜかというと、有酸素運動の領域でも速筋は働いているから。
- 速筋…無酸素運動:グリコーゲンを分解してエネルギーとする。このとき乳酸を生成する。
- 遅筋…有酸素運動:酸素を使って、糖、脂肪、そして乳酸を原料にエネルギーを作る。
※乳酸自身は疲労物質ではない(乳酸濃度から筋肉疲労の具合がわかるので、指標としては有効)
低い強度では、速筋で生成された乳酸は遅筋の有酸素運動ですぐ分解されるため、血中乳酸濃度は上がらない。
ところが、乳酸濃度を一定に保てるギリギリの強度=乳酸閾値(LT)を上回ると、乳酸の生成量が処理量を上回り、血中乳酸濃度が上がり始める(乳酸閾値で出力できるパワーがFTP)。
限界まで酸素を取り込み、遅筋が限界まで働いているL5強度では、速筋も相応の仕事をしているので処理しきれない乳酸がどんどん貯まる。この強度をずっと維持することはできないため、筋肉を休ませながら細切れに滞留時間を稼ぐ(=インターバルトレーニング)というわけ。
有酸素運動能力を限界まで発揮するトレーニングを繰り返すことでVO2MAXは上昇する。
SSTを繰り返してもFTPはいつか頭打ちになるが、有酸素運動の限界を決めるVO2MAXを増加させることで、遅筋へのエネルギー供給量増加や乳酸処理能力の向上など、FTPを引き上げる余地が生まれる。
ワークアウトについて
このワークアウトは身体への負荷も相応に高いので、ある程度トレーニングを積んで、ベースを作った上で取り組みたい。
10分間のアップが終わったらメインセットの5分‐5分のL5インターバルが始まる。
110% 5分はキツいが、1VO2MAXパワー(FTPの118~120%くらい?約5分でオールアウト)より若干低い強度になっているので、1本目2本目くらいは耐えられるはず。序盤でリタイアする人はそもそも負荷に耐えうる体が出来ていないので、SSTである程度のベースを作ってから挑戦するのをおすすめする。

5分耐えきったらレスト。レストは55% 5分。強度は低いし時間もたっぷりある。完全に回復して、次のインターバルに備える。
インターバル周期が長いので途中で嫌になってくるが、きちんとしたフォームと安定した呼吸を意識して完遂しよう。
このワークアウト、Zwift先生は「完遂できないかも」なんて書いている。4本目、5本目でリタイアしそうになったらパーセンテージを下げてもいいと思う。ただし、ワークアウトの趣旨に沿うならL5の範囲(105%~118%)に収まるように、つまり、-5%までにとどめたい。
Zwift先生は週1~2回の実施をお勧めしているが、たぶん「L5トレーニングは週2回くらい」という意味合いなので、The GorbyとLactate Shuttleを交互にやるとかは無しな!
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。
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