アストロプロダクツ スタビーコインドライバー

心拍計やパワーメーターの電池交換はもちろん、ディスクブレーキのブレーキパッド位置を戻す作業にも使える便利工具。

評価 ★★★★☆

価格 495円(Amazon

長所 -Pros-

  • バッテリー蓋を傷めず電池交換できる
  • 軸が長くディスクブレーキのパッド戻しに使いやすい

短所 -Cons-

  • キャリパー位置によってはアプローチしにくく、使い勝手は専用工具にやや劣る

コインの代わりのドライバー

コインドライバーとはそもそも、心拍計やパワーメーターのバッテリーボックスなど、コインで開けるようになっている蓋を開閉するための工具。通常のマイナスドライバーに比べると先端が太く大きく、丸みをもった形状になっている。

こういった電池蓋をコインで開閉する時、うまく噛み合わず溝を潰してしまう事があるが、コインドライバーを使うと作業がしやすく、対象を傷めにくい。

実は、短いものをすでに持っていたのだけれど、今回、本製品を改めて購入したのは、ディスクブレーキ整備にも流用するため。

MTB・シクロクロス・ディスクロードのブレーキパッド戻し

スポーツサイクルのブレーキはリムブレーキからディスクブレーキに切り替わろうとしている。

ディスクブレーキは軽い力でリニアに効き、雨天でも安定して高い制動力を発揮する。リムブレーキに比べると重量増になるが、すでにディスクブレーキが当たり前となったMTB、ここ数年でディスク化されたシクロクロス、そして今まさに移行期にあるロードバイクも全てディスクブレーキになるのは、おそらく間違いない。

ディスクブレーキはパッドとディスクローターの隙間がごくわずかで、繰り返しブレーキ操作を行うことで自動的にパッドがせり出し、ローターに対してギリギリの位置関係に調節されるようになっている。

ところが、ホイールを交換するとディスクローターの微妙な位置や厚みの違いでパッドに擦ってしまうことがある。そんなときに必要な作業がブレーキパッド戻し。いい具合の棒を差し込んで、せり出したピストンの位置をリセットしてやる。

レース会場では適当なマイナスドライバーで作業することが多いが、気をつけないと工具の角でパッドやピストンを傷つけてしまう。世の中には、ブレーキパッドを戻すための専用の工具が存在するが、これが無いとどうにもならないという物でもないし、地味に高いのも理由だろうか、使ってる人はあまり見かけない。(専用工具の名誉のために言うが、さすが専用だけあって、先端の厚みや柄の角度はよく考えられている。)

かく言う僕も専用工具はちょっと買う気になれないが、マイナスドライバーはパッドに悪い。そんなことを考えながらアストロプロダクツを徘徊していた折、偶然見つけたのがこのスタビーコインドライバー。

まず、コインドライバーの特徴である大きくて丸く、しかもテーパーがついた刃先。まさにパッドを戻すために生まれてきたような形状。

さらにこの製品は軸が長く、ピストン戻し作業でフレームやフォークが邪魔になりにくい。軸の太さもあって剛性も十分。

フォークを避けてパッド戻し
ドライバー先端を差し込んで、やさしくこじってピストンを戻してやる

注意点だが、ピストンを戻した後は、ホイールを取り付けてもすぐに走り出さないこと。何度もブレーキを握ってタッチが出るまではブレーキは全く効かない。

柄が「へ」の字にベンドした専用工具に比べると若干作業性が悪いものの、レース会場での作業ならこれで十分。心拍計やパワーメーターのボタン電池交換にも使うので、遠征用工具箱のレギュラーメンバー入りが決定した。