MTBでトレイルを走っていたところ、張り出した切り株にシューズのBOAダイヤルを引っ掛けてしまった。
ダイヤル本体は吹っ飛んでいったが、シューズに縫い付けられた基部は無事だったので、BOAの保証を使ってダイヤルを交換した。
BOAの保証規定は「BOAダイヤルが取り付けられた製品の寿命まで、原因によらず保証する」というもの。男前だ…
BOAダイヤル
自転車のシューズは身体とペダルを繋ぐ重要な接点で、力を逃さないよう足にピッタリとフィットしていることが重要。
ベルクロかラチェットバックルで締め付けるシューズが多かったが、ここ数年で大きくシェアを伸ばしたのがBOAダイヤル。細いワイヤーをダイヤルで巻き取ることで、均等に締め付けることができ、緩めるのも一瞬。
出始めた頃は一部のハイエンドモデルに限られていたが、最近は比較的安価なモデルにもBOAが採用されている。
このBOAダイヤル、最初は(特にMTBシューズでは)あまり歓迎されていなかったし、僕もしばらくは様子見していた。というのも、
- BOAダイヤル自体に泥が詰まって作動不良を起こす
- 落車時など、ダイヤルをぶつけて破損する
という点が懸念されていたため。
実際のところ、泥レースで使うと若干作動が悪くなることもあるし、1シーズンも使うとワイヤーが傷んで動きが渋くなる。また、コースの杭などにダイヤルをぶつけた時に不意にワイヤーがリリースされたり、ダイヤルが壊れることもある。こういったトラブルに対する信頼性では、ベルクロや紐靴には及ばない。
しかし、フィット感や調整しやすさといったBOAのメリットがデメリットを上回っていると感じたので、今ではMTBシューズでもBOA搭載のものを使っている(破損対策としてレースにはスペアのBOAダイヤルや予備のシューズも持参している)。
BOAの保証制度
さて、シューズのBOAダイヤルはBOA社が製造し、各メーカーに供給している(例えるならYKKのジッパーみたいな感じ)が、ダイヤル本体に関してはBOA社が手厚い製品保証を行っている。
BOAフィットシステムのダイヤルとレースは、搭載される製品の製品寿命の期間において保証されます。
https://www.boafit.com/ja-jp/support/warranty
当社の製品は精査されています。私たちの研究室での何百時間もの厳しいテストから始まり、それから世界のトップアスリートとの最も過酷な条件でのフィールドテストを通して現場に出ます。それでも、私たちは万が一があることも理解しています。それがBOA保証制度を提供する理由です。
保証されるのは、BOAダイヤル本体とワイヤー(レース)部分(シューズ本体に縫い付けられた基部については保証外)。
すごいのは破損理由を問わないという点。製造不良は当然として
- 使用に伴う摩耗
- 経年劣化
- 転倒時など外的要因による破損
など、ある程度ユーザー側に原因がある場合でも、製品寿命まではBOAダイヤルの機能を保証するという規定になっている。
BOAダイヤル保証の申請方法
保障の申請はWeb上で行える。画面の指示に従って、写真のアップロードと送付先住所を入力するだけ。送料も無料となっている。
この保証制度は2度ほど利用したが、送られてくるダイヤルは黒色で色指定はできない。もともとの色に合わせたい場合はシューズメーカーから補修部品として購入する必要がある。
ダイヤルの交換作業
スペアのBOAダイヤルは、Web上での申し込みから5日程度で届いた。破損したのは左側だけだが、反対側も揃えて送ってくれるのが嬉しい。なお、IP1タイプのダイヤルは左右で締め付け方向が逆になっているので左右の互換性は無い。
内容物は
- BOAダイヤル
- ラチェットプレート
- ワイヤー
- 取り付けドライバー(T6トルクス)
- 説明書
交換作業は、古いワイヤーを取り除いた後、説明書を見ながら進めるだけ。ワイヤーを切るニッパーのほかに、ラジオペンチがあると作業しやすい。
せっかくなので、右側のダイヤルも交換。1年半ほどの使用だが、CXにMTBに通勤にと酷使したので、新旧見比べるとダイヤル自体がかなり傷んでいた。
プラスチックもだいぶ劣化している。
交換後は見違えるようにスムーズな動きになった。シューズ自体の寿命も近いが限界まで履き潰そうと思う。
BOAだいすき
細かいフィット感調整をワンタッチで行えるという特長に加えて、「BOAダイヤルが取り付けられた製品の寿命まで、原因によらず保証する」という考え方も気に入ったので、今では積極的にBOAダイヤルのシューズを選んでいる。
ロードシューズも、MTBシューズも、仕事で履く安全靴までぜんぶBOAダイヤル。BOAだいすき。