【レビュー】ミノウラ デュラケージ AB100-4.5 ~抜き差ししやすいアルミ製ボトルケージ~

MINOURA Dura-Cage AB100-4.5

どのショップにも置いてあるアルミボトルケージ。古臭い形状だが、フレームのクリアランスが少なくてもボトルを抜き差ししやすい。

評価 ★★★★☆

購入価格 600円

長所 -Pros-

  • 入手性がよく安価
  • カラーが豊富
  • 斜めからでも抜き差ししやすい形状

短所 -Cons-

  • 溶接割れが気になる
  • イマドキのバイクにはとても似合わない

ボトルケージの定番 ミノウラ AB100

ミノウラ デュラケージ AB100-4.5は、長年販売され続けている定番のボトルケージ。
安い、軽い、カラーが豊富と三拍子揃っており、たいていのサイクルショップに置いてある。

価格が安い

定価880円(税込 取付用ボルト無しのモデル)という価格は、ちゃんとしたメーカー製のボトルケージとしては最安値の部類。
自転車に乗り始めたばかりの初心者でも手を出しやすい。

本稿でレビューする線径4.5mmモデル(AB100-4.5)と、MTB向けの5.5mm(AB100-5.5)について、ボルト付属の有無それぞれで価格は以下のようになる。

4.5mm ボルトなし:741円(税別)
4.5mm ボルト付:926円(税別)
5.5mm ボルトなし:824円(税別)
5.5mm ボルト付:972円(税別)

http://www.fukaya-nagoya.co.jp/brand/minoura/products/?id=ab100

アルミ製としては軽量

AB100-4.5の本体は直径4.5mmのA2017ジュラルミン線を曲げて作られており、重量は38g。アルミ製ボトルケージとしては軽い部類に入る。
軽さを突き詰めると超軽量のカーボンボトルケージになるが、価格を考えるとなかなか軽量といえる。

なお、手持ちのAB100-4.5(アルマイトレッド)の実測重量は公称通りの38gだった。

豊富なカラーラインナップ

メタリックな質感のアルマイト加工(陽極酸化皮膜)と、ソリッドなパウダーコート(粉体塗装)あわせて全12色のカラーがラインナップされている。
ボトルと擦れる部分はどちらも剥がれてくるが、アルマイトのほうが目立ちにくい。
なお実測重量はパウダーコートのほうが2gほど重い。

アルマイト

シルバー、チタングレー、レッド、ブルー、ブラック

パウダーコート(粉体塗装)

レッド、グリーン、ブルー、ホワイト、イエロー、オレンジ、ピンク

豊富なカラー(minoura.jp)

軽量アルミボルトが付属

若干価格が高くなるが、取り付け用ボルトが付属する製品もある。
(ボルトが付属するものは定価1019円、付属しないものは定価880円(どちらも税込))

付属のジュラルミンのボルトは鉄のボルトの3分の1の重量で、ボトルケージの固定には十分な強度がある。ただし、しょせんアルミなのでオーバートルクには注意。
取り付けには4mmの六角レンチを使用する。アルミボルトの六角穴は変形しやすいので、精度の高い工具を使うとトラブルのリスクを減らせる。

トラディショナルな形状が使いやすい

針金を曲げて作ったボトルケージは、数十年前のロードレーサーでも見られる形状。古臭い印象でイマドキのバイクには似合わない。
しかし、この形が絶妙に使いやすい。トラディショナルな形には理由があるというわけか。

斜めからでも抜き差ししやすい

AB100は、下側を回り込む針金がボトルを保持する構造。こういう形状のケージは大きく広がるので、ボトルの底をケージの開口部に当てれてぐいっと押し込めば、多少斜めでも容易に差し込める。
そのため、スローピングフレームのシートチューブ側やフルサスペンションMTBなど、ボトルをまっすぐ抜くスペースが無い場合でも抜き差ししやすい
また、サイド抜き専用のボトルケージが左右どちらかからしかアクセスできないのに対して、デュラケージは左右どちらからでも抜き差しできる。

また、ボトルの太さの許容範囲も広く、ボトルとの相性でキツかったり抜けやすかったりということもない。
輪行袋を保持するのにも使える。その場合、脱落しないようベルト等で止めておいたほうが良いが。

斜めからでも抜き差ししやすい

保持の硬さを調整可能

アルミ製なので、少し緩いと思ったらぐいっと曲げて、保持力を調整できる。

非常時には開口部を狭めることで、ペットボトルも保持できる。このとき、ペットボトルキャップが下側になるように差し込むほうが抜けにくい。
ただし、何度も曲げてると金属疲労で折れるので、やりすぎ厳禁。

なお、みりんのペット容器はジャストフィットする。

激しい振動でボトルが暴れる

荒れた舗装路のダウンヒルやMTBでのトレイルライドなど、激しい振動が加わる状況でも脱落はしにくいが、ボトルの頭が揺れるような暴れ方をする
ボトルの底から回り込んだ針金で保持する構造上仕方のないことだが、ロングボトルや、重い保冷ボトルでは少し気になる。

ロードでもMTBでも使って、走行中ボトルをすっ飛ばしたことは1~2回あるかないかだが、さすがに落車したらボトルは抜ける。

激しい振動が加わる悪路ではこんな感じにボトルが暴れる

強度と耐久性

手持ちの一番古いデュラケージは最初に買ったバイクにつけていた記憶があるので、10年以上使っている。
ボトルと擦れる部分はアルマイトが剥げて削れてきているが、それでもまだ健在。

10年以上使ったケージ。ボトルが擦れる部分は削れているがまだまだ使えそう

溶接部の割れ

アルミの針金とボトル台座にネジ止めするプレートの溶接部が割れている点が気になる。店舗で売られているときからこんな状態で、直接安全に影響する部品ではないとはいえ不安。
10年使ってもバラバラになっていないから、こんなので大丈夫なのかもしれないけど…

針金を突き合わせ、ベースプレートと溶接している部分が割れている

ボトルの傷

仕方のないことだが、何度も抜き差しするうちにボトル側に擦り傷が入る。
ナイロンやカーボンファイバーのボトルケージと比べると、金属製の製品は傷が入りやすいように感じる。

姉妹品にMTB向けモデル AB100-5.5が存在

より高い保持力が必要な場合には、線径5.5mmのモデルもラインナップされている。

使い勝手はほぼ同じながら、荒れた路面を走ってもボトルが暴れにくく、脱落しにくくなっている。
MTBやグラベルロードではこちらのほうが安心だが、太くなった分、AB100-4.5が重量38gなのに対して、AB100-5.5は54gとなっている。

まとめ: 使いやすさは、見た目や重量よりも優先される

自転車を何台も買ううち、ボトルケージも増えていくものだが、所有している3個のAB100-4.5は常に何かしらのバイクについている。
使いやすいので、とりあえずデュラケージつけとけばいいか、という感じだが、
フルサスMTBでは、これ以外のケージはフレームとボトルが干渉してスムーズに抜き差しできなかった。

スペシャ EPIC。サスユニットが近くボトル周りのスペースが少ない

ボトルが抜き差ししにくくて困っている人は、一度試す価値があると思う。

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