チェーンピンを使わずにチェーンを繋げることができるKMCのミッシングリンク。
今ではシマノも、クイックリンクという名前で同等機能のリンクを製品化している。
昔のミッシングリンク(確か9速時代)は素手で外すことができたが、11速用、12速用のリンクはガッチリと噛み合うため工具が無いと外せない。
そのため、サイクリング中のチェーントラブルに備えるなら小型のチェーン切りのほかに、予備のチェーンピンか、あるいはマスターリンクプライヤーも携帯しなければならない。
※緊急時には、チェーンピンを外側のプレートギリギリまで押し出して、また戻すというテクニックもあったが、8速チェーンならともかく、10速以上の薄いチェーンはピンを入れ直した場所から切れやすくなる。
プライヤーでリンクを外す
さて、自宅の整備ではマスターリンクプライヤーを使うべきだが、工具を持っていないとき、汎用工具のペンチやプライヤーでリンクを外す方法を紹介する。
KMCのミッシングリンク・シマノのクイックリンクどちらも、ピンの生えたプレートが2枚1組で互いに噛み合っている構造なので、噛み合いを解く方向に力を加えてやればいい。
まずはチェーンをチェーンリングから落とす、あるいは後輪を外して、チェーンをたるませる。
次に、ペンチまたはプライヤーでミッシングリンクの対角を挟む。
ペンチでは口の開きが足りなくて掴みづらいので、ウォーターポンププライヤーがおすすめ。
この状態で軽く握ってやると、パキっと外れるはず。
チェーンテンションがかかっていると作業しにくいだけでなく、外れた拍子にリンクが飛んでいくことがあるので注意。
プライヤーがない時は…
工具なしでリンクを外す方法を、Twitterフォロワーのたくさんに教えてもらった。
チェーン切りさえあれば、ディレイラーが壊れたときにシングルスピード化の応急処置ぐらいはできるかもしれない。
プライヤー的なものも無いなぁって時は、ミッシングリンクをこうやってハンマー的なもので矢印のとこをコツコツすれば外れるよ🔨
— たく (@taku_mtber) June 29, 2021
出先で何も持ってないときは小石でコツコツ🪨
まぁ、何も持ってないなら外したところでどうするのって話なんだけど。 https://t.co/V8ksPz4xki pic.twitter.com/5K7GcX3l1g
工具なしでリンクを固定
取り付けるときは、リンク同士を軽く噛み合せた状態でリヤブレーキを握り、クランクを回してやるとチェーンが張ってリンクが嵌る。
ピンとプレートがずれた状態で無理に力をかけると壊れるので注意。
専用工具に勝るものなし
工具箱にあるプライヤーでミッシングリンクを外す方法を紹介したが、多少なりともリンクを傷つけるので、常用するのはおすすめできない。
また、クニペックスの高いプライヤーより、安いマスターリンクプライヤーのほうが作業性は遥かに良いので、あくまでこういうテクニックもあるよ、という程度に思っていてもらえれば…
ずっとプライヤーで外してたけど、ある時専用工具を買ったらあまりの使いやすさに、今まで何をやっていたんだろうと後悔した…
ところで、KMCの11速用ミッシングリンクは再使用不可のもの(CL555)と繰り返し可能なもの(CL555R)がある。
とはいえ際限なく使えるわけではなく、CL555Rでも、使用回数は3~5回とされている。
KMCのミッシングリンクも、12速用のものは再使用不可とされている。
また、シマノのクイックリンクは11速用、12速用ともに、1回限りの使用にとどめるよう注意書きがある。
実用上は、数回の脱着で問題が出ることはないが、だんだん噛み合わせが甘くなってくることは覚えておきたい。
また、チェーンと同様リンクも摩耗するので、チェーン交換時はリンクも新しいものに交換する必要がある。