パナレーサーより満を持してTPUチューブが登場
TPU(熱可塑性ポリウレタン)チューブは、ブチル、ラテックスに次ぐ第3のチューブで、非常に薄く、軽量(ブチルの半分以下)であることが特徴だ。
当初は1本5000円程度と非常に高価だったが、現在では様々なタイヤメーカーがラインナップするようになり、中国系メーカーの台頭もあって低価格化した結果、一般サイクリストへも普及してきている。
パナレーサーが発売するTPUチューブ「パープルライト」は後発ながら、使いやすさと信頼性に重点を置いた製品となっている。
金属バルブステムを採用
パープルライトの特徴は、金属バルブステムを採用していることだ。
多くのTPUチューブは製造上の理由と軽量化のため、バルブステムが樹脂製であることが多いが、
- 径が太い製品はリム穴に入らない・ポンプヘッドが固定できない
- バルブコアとの継ぎ目でエアが漏れる
- 高温になる携帯電動ポンプが使えない
といった欠点をもつ製品もある。
パープルライトは、アルミ製のバルブステムを採用。携帯電動ポンプに対応するのはもちろん、リムナットやアルミ製バルブナットでしっかりとバルブを固定可能。TPUチューブの弱点であるバルブ周りをしっかり保護することができる。
なお、付属バルブキャップもアルミ製で、高級感がある。
実測重量
重量はロード用が36g、グラベル用が45gとされており、実測値もほぼ同じ。
バルブナット類(2g)を引くと公称値通りだ。
アルミ製バルブステムを採用しているため、樹脂バルブの製品よりどうしても重たいが、ここは使い勝手・信頼性とのトレードオフだろう。
取り付けしやすい
TPUチューブの中には薄すぎて噛み込みやすいものもあるが、パープルライトパープルライトは若干コシがあり、タイヤへの組付けを行いやすい。
ロード・グラベル用のサイズ展開
700×23~32cに対応したロード用のほか、700×32~47c対応のグラベル用サイズも用意される。
グラベルバイクはチューブレスタイヤが主流だが、パンク時の備えとしてスペアチューブはどうしても必要になる。
グラベルタイヤ用のチューブは非常に重くかさばるが、ここをTPUチューブに置き換えることで、大幅に軽量化・コンパクト化できる。
フレーム内にストレージを持つグラベルバイクなら、ブチルチューブ1本分のスペースにTPUチューブを2本入れることも可能だ。
また、TPUはシーラントがこびりつきにくく、ウエスで拭き取るだけで簡単に綺麗になる。
チューブレスシステムをメインで運用する人にとっても、TPUチューブの恩恵は大きい。
2種類のバルブ長
バルブ長は65mmと85mmの2種類が用意される。
50mmハイトのリムに85mmバルブのチューブを取り付けたところだいぶ余裕があったので、これくらいなら65mmバルブで十分のはずだ。
製品ラインナップ
パープルライトは、2種類の太さ×2種類のバルブ長で、合計4種のラインナップとなる。
対応タイヤ幅 | バルブ長 | 価格(税込) | |
TW723-32F65-PL | 700×23~32C | 65mm | 1,980円 |
TW723-32F85-PL | 700×23~32C | 85mm | 1,980円 |
TW732-47F65-PL | 700×32~47C | 65mm | 2,300円 |
TW732-47F85-PL | 700×32~47C | 85mm | 2,300円 |
大手メーカー製品の信頼性を備えつつも価格が手頃なパープルライト、特にグラベル用TPUチューブは選択肢が少ないため、これからの定番になる予感がする。