TTバイクにトライアスロン用ショートノーズサドルを装着

TTバイク Litespeed Bladeのサドルがいい加減ボロボロなので交換した。
せっかくなので、オーソドックスな形状のサドルから、ショートサドルやショートノーズサドルと呼ばれる、先端が短いデザインのサドルに変えてみた。

トライアスロン用サドル

今まで使っていたのはセライタリアの「SL T1」。先端部分に極厚のパッドが入っているトライアスロン用のサドル。
トライアスロン用のウエアはスイムやランにも対応するためレーサーパンツ部のパッドが薄いため、サドル側で快適性を確保するようになっている。

セライタリアの定番軽量サドル「SLR」と比べると先端部の硬さは雲泥の差で、DHバーに手をおき、サドル先端に座る前乗りポジションでも快適だった。

表皮が破れてきてからは自分で革を張り替えて使っていたが、長年の使用でサドルのフォームがシェルから剥がれてしまったため交換することにした。

Selle Italia SL T1

ショートノーズサドル

さて、今回はショートノーズサドルに交換した。一言でいうと「前乗りしやすいサドル」なんだけど、
ぶっちゃけてしまえばUCI規定のサドル後退量規定(BB軸からサドル先端50mm以上後退。ただし申告すれば0mm以上)を満たすための製品。

フィジークのMisticaなどは、アリオネの先端を切り落としたような形をしている。

Fizik Mistica

ただし、サドルには全長の規定(240~300mm)もあるため、サドルのノーズを切り落とした代わりに後部を伸ばし、最低240mm以上の長さを確保している。

UCI規定を満たすための形状だが、副産物としてダンシングの際に引っかかりにくいだとか、単純に短いぶん軽量化しやすいというメリットも存在する。

逆にデメリットは、ノーズが短い分、前後のポジションの自由度が制限されてしまうこと。
サドルの後ろにどっかり座れないし、サドル先端が尻に刺さるくらい前乗りもできない。

Selle Italia Iron Evo

今回購入したのはセライタリアのIron Evo。名前の通り、アイアンマンを始めとするロングディスタンスのトライアスロンをバリバリに意識した製品。

TT/トライアスロンにターゲットを絞り、(ロード用の)ショートノーズサドルをより過激に、前乗り専用にしたようなデザイン。
深い前傾姿勢でも股間の血流を圧迫しないよう、中央部がえぐられた穴あき形状になっている。ぶっちゃけISMサドルのパクr…

通常形状のロードサドルと比べると、座面位置の違いは一目瞭然。
比較対象のFabric Scoop Radiusはサドル後部3分の1くらいに尻を乗せるが、Iron Evoはサドルの前半分に座る感じ。

Fabric Scoop Radiusとの比較

これだけ形が違うと、取り付けに際して今までのサドル後退量がアテにならない。実際に乗りながら、違和感のない高さ、角度、後退量を探さなければいけない。
あいにくの雨続きで、ローラーで小1時間乗っただけなので、実走しながらポジションを詰めていきたい。

なお、トライアスロン用サドルの例に漏れず、もっちりと分厚いクッションが入っている。前乗り時の快適性はまずまずといったところ。

コーダトロンカ

トライアスロン用サドルがどうとかショートノーズがどうとか言ってみたが、その中からIron Evoを選んだのは、
サドル後部の意匠が往年のスポーツカーの「コーダトロンカ(英語ではKamm-tail:カムテール)」的でかっこよかったから。

それにしても、ショートノーズサドルなのに「尾を切り落とした」とは、イタリア流の洒落なんだろうか。