【レビュー】WERA 354 ヘキサゴンドライバー ~アーレンキーより作業性に優れる六角ドライバー~

ドライバーの先端が六角レンチになった六角ドライバー。早回しできるため、大トルクを必要としない小径ボルトの脱着がしやすく、ディレイラーの調整でも便利。

評価 ★★★★☆

購入価格 600~1000円(サイズにより変動)

長所 -Pros-

  • HEX-PLUS構造の先端でネジの六角穴に食いつく
  • PB SWISSの同等品より柄が太く、トルクを掛けやすい

短所 -Cons-

  • 鮮やかなグリーンの柄は汚れが目立つ
  • HEX-PLUSは、アルミ・チタンボルトへの攻撃性が高い

WERAとPB

ドイツの工具メーカーWERA(ヴェラ)はドライバーに定評があり、人間工学に基づいた握りやすいグリップ形状は、企業のロゴにもなっている。

クラフトフォームグリップ https://www-de.wera.de/

また、同社の六角レンチはHEX-PLUSという形状で、六角穴に面接触することで接触面積を広げ、ボルトを舐めにくいと謳われている。
ただ、食いつきが良すぎてアルミやチタンのボルトは六角穴を痛めてしまうのだけど。

ドライバーや六角レンチに定評あるメーカーといえばPB SWISSで、よくWeraと比較される。

Weraはドライバーのレーザーチップ加工や六角レンチのHEX-PLUSなど、工具とネジをガッチリ噛み合わせるための工夫がされている一方で、
PBの目立った特徴は、マルチクラフトグリップがウンコ臭いくらい。(現在はバニラの香料が添加され、バニラでごまかしたウンコ臭いグリップになっている)

じゃあWeraのほうが良いかといえばそうとも言い切れず、PBはアルミやチタンといった非鉄金属ボルトを傷めにくく、締め付けトルクも感じ取りやすい
個人的には、締めのPB、緩めのWeraという印象がある。

あと、PBよりWeraのほうが安いので手を出しやすい。
PBは高価な上、工具の摩耗も早い気がする…

使用感

本品は定評あるクラフトフォームグリップと、HEX-PLUS構造の六角レンチを組み合わせた六角ドライバー。
高トルクでの締付けはできないが、奥まった位置のネジを早回しできる。

しっかりと締める必要のあるM5以上のボルトは他の工具に出番を譲り、
アクセサリ取り付けやディレイラー調整に使用する2mm, 2.5mm, 3mmを購入した。

2, 2.5, 3mmの製品を購入

HEX-PLUS構造の先端形状

工具の先端を見ると、正六角形ではなく、辺の部分がややくぼんだ星型に近い形状になっている。
こういった形状にするために、Weraの六角レンチは丸棒を六角形に削って製作されている。

冒頭に書いたとおり、この独特の形状がボルトの六角穴に面接触することで、高トルクを掛けても舐めにくい。
実際、硬く締まっていて普通の六角レンチで舐めかけたネジも、Weraの六角レンチでは緩められることが多い。

ただし、柔らかいアルミボルトやチタンボルトの場合は六角穴に与えるダメージが大きく、食い込んで星型に変形してしまう
今回の工具で脱着するM5未満のネジは鉄製が多いが、ステムやコンポーネント固定に使われるM5(4mm六角穴)~M6(5mm六角穴)ボルトにWeraの六角レンチを使うときは、締め付けトルクやボルトの素材に注意する必要がある。

中央がややくぼんだ形状のHEX-PLUS構造

力が入りやすいグリップ

もともとドライバー専業メーカーであるWeraは、握りやすいグリップの評価が高い。
粘土を握った形状をもとに設計されたクラフトフォームグリップは、黒い部分には硬質のプラスチックが、緑色の部分には滑りにくいラバー素材が使用されている。

握りやすさは申し分ないが、ラバー部分の汚れが目立つのがちょっと気になるポイントではある。

握りやすいクラフトフォームグリップ

六角ドライバーの作業性

自転車整備に使う六角レンチといえば、L字のいわゆるアーレンキーが定番だが、アレは携帯性に優れるものの意外と使いにくい。
ネジの六角穴に対して斜めに力が掛かるし、工具が奥まで差し込めてなくて六角穴を痛めることもある。

なので、自転車屋ではまっすぐ力がかかるT型ハンドルの六角レンチを使う場合も多い。
特に、自転車やオートバイは作業スペースは広いものの奥まった位置にネジがあるため、軸の長いTハンドルレンチとの相性が良い。
(一方で自動車整備ではエンジンルームなど、狭いスペースでボルトを脱着するため、ラチェットレンチとソケット工具をメインに使う)
プロショップの使うTハンドルレンチはBETA製の工具が定番になっている。

六角ドライバーもTハンドルレンチと同様、奥まった場所にアクセスしやすいメリットがある。
柄がドライバーで早回ししやすいため、高トルクで締める必要がないアクセサリー脱着やディレイラー調整に活躍する。

サイコンマウントなどのアクセサリー脱着
ディレイラー調整

なお、PB SWISSにも同種の製品(品番8205)があるが、Weraのほうがハンドルが太く、トルクを掛けやすそうだった。

まとめ: 適材適所で工具を選択 ~小径ネジには六角ドライバー~

スムーズかつ安全に整備する基本は、場所に応じて最適な工具を選択すること。
自宅ではネジのサイズに応じて工具を使い分けており、2~3mmがWeraの六角ドライバー、4, 5mmはWihaのTハンドルレンチ、6mmはTONEのTハンドルレンチをメインに使っている。

こういった工具は作業しやすいかわりに場所をとり、工具箱に転がしておくと必要なサイズが見つけにくいため、ドライバースタンドに立てたりマグネットに貼り付けて整理している。

スタンドやマグネットで整理 スムーズに整備するための基本

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