【レビュー】おたふく手袋 冷感3Dファーストレイヤー UVカットスリーブ クルーネックシャツ JW-715 ~メッシュインナーとUVアームカバーが一体化したインナーウェア~
OTAFUKU GLOVE Body Toughness JW-715
胴部分は冷感メッシュ素材、腕周りはUVカット素材を使用した、おたふく手袋の夏用長袖インナー。
メッシュインナーとアームカバーが一体化したような造りで洗濯物を減らせるが、腕のフィット感に難があるうえ、腋周りに熱気が籠もりやすい。
評価 ★★★☆☆
購入価格 1950円
長所 -Pros-
- アームカバー一体なのでずり落ちない
- 洗濯物を減らせる
短所 -Cons-
- 腕部分のフィット感不足
- メッシュ部分の生地がほつれやすい
- 腋周りに熱が籠もる
メッシュインナーとUVアームカバーが一体化
日焼け防止というわけではないのだが、夏場のライド時には速乾素材のUVアームカバーを着けるようにしている。
直射日光を避けることで体力消耗を防げるし、汗を一時的に留めてむしろ涼しいためだ。
ただアームカバーは腕の太さによっては固定力が足りず、乗車中にずり落ちてくることがあるし、逆に締めつけ感が気になる人もいる。また、洗濯物が増える点もネックだ。
安価で高機能なインナーウェアを販売しているおたふく手袋の「JW-715」は、そんなサイクリストを狙い撃ちしたような製品。
ジャンルとしては長袖インナーになるのだが、メッシュインナーとUVアームカバーが一体化したような構造となっている。
価格も2000円以下と、おたふく手袋らしい低価格。
アームカバーがずり落ちてこないこと、また、洗濯物を減らせる(インナー+アームカバー左右→長袖インナー1着)ことに期待して、試しに1着購入してみた。
胴体部分は3Dメッシュ素材で、なんとなくCRAFTのインナーを意識した感じだ。
肌面の汗を外に吸い出し、不快なベタつきを軽減する。
腕部分はUVカットの吸汗速乾素材で、アームカバーとして機能する。
なお、胴体部分、腕部分どちらも接触冷感素材が使われている。
サイズとフィット感
身長177cm 体重68kgでMサイズを購入。平置きの寸法は以下の通りだ。
フィット感は値段なりだ。サイクリング向けを謳っているが、裁断自体は特別なものではない。
腕に使われているUVカット素材が微妙で、伸縮性があまり高くない。生地が余った部分がシワになるうえ、突っ張り感もある。
商品説明には「コンプレッション素材」とあるが、サイクリングはともかく腕を大きく動かすスポーツには使いにくいだろう。
そういえば以前、同素材のタイツを履いて膝を痛めそうになったことを思い出した…
使用感
5~6月、気温23~28度ほどの環境で何度か使用した。
腕周りの着用感は微妙
素肌の上にJW-715を着て、その上に半袖ジャージというレイヤリングだが、二の腕の余った生地が、タイトな袖からはみ出してダサい。密着しないので、吸汗速乾効果もあまり期待できなさそうだ。
前述の通り伸縮性も十分でなく、腕周りの着用感は正直イマイチだ。
メッシュインナー部分は涼しいがデリケート
一方、胴回りのメッシュ生地は悪くない。インナーウェアが挟まることで汗に濡れたジャージが肌に張り付かず、風が抜ける感覚がある。
ただ、このメッシュ生地は結構デリケートで、ベルクロが引っかかるとすぐにほつれてくる。
時計のベルクロバンドか、あるいはグローブか。知らない間に引っ掛けたようで、糸が引っ張り出されてしまっている箇所があった。
また、洗濯時も要注意だ。引っかかりやすいので、ネットに入れるほうが良い。
ただまぁ、安いインナーだし外からは見えないし、私は気にしないことにした。
腋周りに熱がこもる
このインナーは裁断の都合上、メッシュ生地は胴体部分のみで、肩から先は目の詰まった素材になっている。
実際使ってみて気づいたのだが、このインナー最大の欠点は腋周りの放熱性だ。
腋の下には太い動脈が通っており、ここで体温測定することからもわかるように、他の体表面より温度が高い(深部体温に近い)。
激しい運動時は当然、さらに多くの熱が放出されるが、長袖インナーだとこの熱気が籠もってしまうのだ。
ノースリーブのメッシュインナー+アームカバーと比べると、明らかに風通しが悪い。
気温30度以下で暑さを感じるので、猛暑日にはオーバーヒートするんじゃないだろうか…
春秋用としては悪くない
夏用インナーとしては戦力外だったが、季節がめぐり、秋になると評価が変わってきた。
気温15~20度くらいの環境では、風通しが悪いせいで適度に暖かい。
半袖では肌寒いが長袖は暑い、中途半端な気温の時は役立ちそうだ。
まとめ:ニコイチすればいいというものではない
洗濯の手間を減らせるんじゃないか?と買ってみたものの、アームカバー部分の伸縮性と放熱性がネックで、夏用インナーとしては残念ながら満足できなかった。
おたふく手袋は、アームカバーやタイツといった、手足の関節にあわせて伸縮する素材が苦手(あるいはコスト的に厳しい)なのかもしれない。
ただ、胴回りの冷感3Dメッシュ素材については好印象だったので、これからの季節に向けて、本品の姉妹品であるノースリーブタイプのJW-713を使ってみるのはアリかな?などと思っている。
余談だがアームカバーはレーパンのような薄い素材のCW-X製品や、シームレスで着用感に優れたRxL SOCKS製品を好んで使っている。