今シーズン2回目の関西CXりんくう。1回目、2回目とも、前日の設営から参加し、コースに習熟しているという事に加えて、
同日にCJ下関とツール・ド・おきなわが開催されたため、自分よりゼッケン番号が若い選手は3名のみ。
今日は表彰台を狙う絶好の機会。周囲からも期待され気を引き締める。僕の中では全日本選手権をしのぐ最重要レースとなった。
11/13 関西CX第3戦 りんくう
2位/47名(8周回 +0:19 順位4% フルラップ完走43名)
リザルト
PAX PROJECT CX-DISC SUKUMIZU MACHINE WORKS 「プラ号」
前輪: PAX CT38W / TUFO CUBUS 33 / 1.9bar
後輪: PAX CT38W / CHICANE / 1.9bar
STRAVA
リザルトで自分より上位に名前が載っている選手は2通りに分類できる。
ひとつは逆立ちしても敵わない選手。もうひとつは実力が拮抗している選手。
シーズン中にメキメキ実力を上げるというのは難しいし、がむしゃらに頑張った分だけパワーが出るわけでもないので、
現実的には前者はクラス違いくらいに考えておいて、実力の拮抗した選手になんとか勝とうとあがくことになる。
関西シクロクロスのシリーズ戦では、今の自分が狙える最高位は大体5~6位といったところ。
それが、今回は少し事情が異なる。
この日は、MTB CJ下関とツール・ド・おきなわが重なり、今期絶好調のトッキーこと沢田時選手をはじめ、表彰台常連のMTB/ロード選手は欠席。
りんくうには、シクロクロスをメインに据える選手ばかりが集まった。
今季、私より成績が良いのは伊澤優大選手、広大選手と、村田選手。彼らのうち誰かに勝てば表彰台。否が応でも意識する。
今日は表彰台を狙うと周囲に言って回って、引けない状況を作りつつ自己暗示を掛ける。
「勢いのある今のうちに表彰台を経験しておかないと、今後乗れる機会を逸する」と普段から言うFD師も「今日獲らずしていつ獲る」と4回くらい激励に来てくれた。
昼試走ではコースコンディションの最終チェック。
木曜日の夜に降った雨で水分を含んだ路面は泥が飛び散らない程度だが湿っている。
コーナーで前輪が流れるのでフロントタイヤをキュブス、リヤをシケインに。
路面から顔を出した石でパンクの多いコースだが空気圧はいつも通り。徐行とライン取りで対処する。
昼試走後一息ついたらCCDジェルをズルズル吸って、おまじない程度にイナーメのCXアップオイルを擦り込んで召集へ。
今日も1列目のグリッドに並ぶ。しかしコールアップは4番目。心持ち視界が広い。
Photo ふじみと
スタートは村田さんが先行。5番手でストレートを抜けるものの、絡んで落車したくない思いで立ち回りが慎重になりすぎ、8番手くらいまでポジションを落とす。
前が詰まっていると思うようなラインを走れず、1周目を終える直前、砂利から草地に入るところの凹凸でチェーンを落としてしまう。
いきなり出鼻をくじかれた形になったが、幸いにもペースが上がっていなかったため1周で先頭パックに復帰できた。
先頭パックは3周目になると崩壊し始めた。優大選手が単独で抜け出して、2位パックが広大選手と私、4位以降に村田選手らが続く形に。
今日は調子が上がらないのか村田選手がじわじわ離れていったため、ここからは広大選手とのパックでレースが進行。
今年の広大選手は速い。昨年はリードしていたが、今季の関西クロス第1戦、第2戦ともに後塵を拝している。
後ろについてプレッシャーをかけつつ体力を温存する選択肢もあったが、全体的に道幅が狭く仕掛けるポイントが少ないため、ラインもペースも好きに選べる先頭が有利と判断した。
Photo 辻啓
オーバーペースでタレないように常にパワーマネージメントを意識しつつ、コーナーの立ち上がりではインターバルを掛ける。
キャンバーセクションでの降車ポイントも毎周回変えて揺さぶる。
2~3度順位が入れ替わったが、すぐに抜き返す。今日はとにかく主導権を握りたい。
広大選手と決定的な差がつかないまま最終ラップへ。
往路ピットエリアを通る時点で、絶対に前をおさえていなければならない。
ワンミスが命取りなのでコーナーは丁寧に処理し、立ち上がり加速で踏む。
砂利の高速Uターンをこなして、コース幅が狭くテクニカルな連続コーナーセクションに先行した時に勝利を確信。
Photo 田辺さん
(拳を高く掲げたいけど2位だしピースにしとこう、という葛藤があった)
最終コーナーをスムーズに立ち上がってスプリントを掛け、差を保ったまま2位でフィニッシュ。
ゴール後、緊張の糸が切れた瞬間に両腕と両手を攣って動かせなくなり、停まるのに苦労した。
持てる技術と戦術と、もちろんパワーも出し尽くし、内容も結果も満足できるいいレースができた。
C1カテゴリ参戦7シーズン目で、関西CXシリーズ戦の初表彰台。
プロローグや東海CXではC1優勝経験があるものの、関西シクロクロスの本戦での表彰台にはそれ以上の特別な意味がある。
関西CX参戦をきっかけに、自転車競技にのめりこんで7年。ようやくここまでたどり着いたかと思うと感慨深い。
今回はいつもの2割増し、3割増しの声援と写真を頂き、レース中もレース後も楽しめました。ありがとうございました。
次戦はマキノ高原でUCIレース。トップレーサーが揃う中、どこまで通用するか楽しみです。