シクロクロスのサポートについて
2020年2月頃から新型コロナウイルス感染拡大に伴うレース中止が相次いだため、2019-20CXシーズンは例年よりやや早いシーズンオフとなってしまいました。
シクロクロス参戦11年目、C1としては10年目となる今季は、ネクストステージの島本氏からサポートしていただき、レースに取り組む環境が大きく変わったシーズンでした。
今季シクロクロスシーズンのレース活動体制について紹介しつつ、シクロクロスのサポートについてお話しようと思います。
レース中のピットサポート
シクロクロスというレースは入り口の敷居は低いけれど、本質的にはチーム競技で、競技レベルが上がるほどに、選手のフィジカルやテクニックと同じくらい、サポート体制が重要になってきます。
C1, M1, L1といった最上位カテゴリで優勝を争うなら、ピットサポートは不可欠です。
数年前から、36隊の松井夫妻(保さん&まゆゆ)にはレース中のピットに入っていただいており、次のようなサポートをしていただいていました。
- バイク交換時の受け渡し
- バイクの洗車や応急修理
- ラップタイムや前後の選手とのタイムギャップ読み上げ
ピットサポートが得られる環境であれば安心してレースを走れますし、成績の安定にも繋がります。
特にシリーズ戦ではレースを落とさないことが重要になるので、関西シクロクロスの総合ランキングを目標にする上で大きな支えになりました。
レースで勝つためのサポート体制
2019-20シーズンの関西CX第2戦 富田林からは、これにネクストステージのサポートが加わりました。
主要なサポートは以下の内容です。
- レース用のホイール貸与(3セット)
- メカニックサポート:バイク洗車と、ベアリング・チェーン洗浄・オイルアップ
- レース用チェーン(1台あたり2セット)およびBBの提供
- チームテント設営
- ウエア一式提供
ピットサポートが「レース中のバックアップ」であるのに対して、上記のサポート内容は「速く走れるバイク」と「心身のリソースをレースに集中投入できる環境」です。
タイヤとホイールセット
シクロクロスの機材で最も「効く」のはタイヤです。路面の状況に合わせたタイヤを選択することで、よりスピードを出せたり、滑りやすいコースを安定して走れたりします。
今季はほぼ全てのレースで、ファンデルポールはじめプロ選手も使用し、評価の高いFMBのタイヤを使用しました。グリップや転がり、ケーシングのしなやかさは一級品。コーナーで相当に追い込んでも破綻しませんし、自分のテクニック以上の走りができます。
タイヤはコースの路面コンディションに合わせて、トレッドパターンが異なる以下の3種類から最適なものを使用しました。
- オールラウンド:FMB SSC SLALOM PRO
- スリック:FMB SSC SPRINT2 GREEN
- マッド:FMB Grippo Speed GREEN
ホイールは、フォルモサのカーボンリムとインダストリーナインのハブで組んだチューブラーホイールを、同仕様で3セット用意していただきました。
こういった高級タイヤはデリケートですし、ホイールもメンテナンスが必要ですが、ホイールセットはレース日のみ借りる形なので、レースでは常に整備された状態で使えました。
メカニックサポートとホスピタリティ
レース会場でのバイクの整備についてはすべて島本氏にお任せしていました。
ホイールの交換から、コース走行後にはバイク洗車、BBのベアリング洗浄をしていただいていました。さらに、レース出走直前には洗浄・注油済みのフレッシュなチェーンに交換してもらっていたので、完璧に整備された綺麗なバイクでスタートグリッドに並んでいました。
会場には雨風をしのげるチームテントが設営され、寒さで体力を消耗させず快適に過ごせます。また、重要なレースを控えてナーバスになっている時、引き込もれる環境があるというのはありがたかったです。
出走までに自分でしなければいけないことは、着替えと食事と試走とウォーミングアップのみ。JCXを転戦するワークスチームと同等の体制が整っていました。
こういった作業は自分ひとりでやることも可能ですが、誰かにやってもらうことで、レースの結果を出すことだけに集中できる環境が手に入ります。
サポート体制下での2019-20シーズン戦績
この体制で走った2019-20シーズンの戦績は以下の通りです。
- 11/10 第 2 戦 富田林石川河川敷 2位
- 11/17 UCI CⅡ・JCX 第 4 戦 マキノ高原 10位
- 11/24 第 3 戦 南丹市美山町向山 8位
- 12/1 第 4 戦 信太山青少年野外活動センター 2位
- 12/7-8 全日本 愛媛県喜多郡内子町 14位
- 12/15 第 5 戦 ビワコマイアミランド 3位
- 1/5 第 6 戦 希望が丘文化公園 5位
- 1/11 東海シクロクロス 第4戦 愛知牧場 4位
- 1/12 東海シクロクロス JCX 第5戦 愛知牧場 25位
- 1/19 第 7 戦 みなと堺グリーン広場 7位
- 2/2 第 8 戦 桂川緑地公園 6位
- 2/9 JCX スチールの森京都 6位
サポートしてもらう上で目標として設定した
- 全日本選手権で10位以内
- 関西CXシリーズ戦で3勝
という目標はどちらも達成できませんでしたが、
愛媛県内子町で開催された全日本選手権では自己ベストの14位を獲得しました。
他の出場レースについても、マキノのJCX UCIレースでは10位でUCIポイントを獲得、関西CX第5戦ではプロの横山選手とパックになったり、JCX最終戦の日吉では完走者8名のサバイバルレースを6位で完走したり、今までの限界を押し上げる事ができました。
関西CXで総合優勝した2年前の17-18シーズンと比べると、今季シーズンイン時のパフォーマンスは決して良くはありませんでした。フィジカルに劣るコンディションでも結果を残せたのは、サポートの効果あってのことだと思います。
まだまだ上を目指せる可能性を示してくれたネクストステージ島本氏、そして今年もピットからレースを支えて頂いた松井夫妻にはこの場を借りてお礼申し上げます。来シーズン開幕まで半年少々。今季の課題を踏まえて準備を進めていきます。やるからにはより上の順位を目標にしますが、同時に、サポートした甲斐があったな、と思ってもらえるような積極的な走りを目指します。来季も応援よろしくお願いいたします。