【レビュー】アイリスオーヤマ 充電式ハンディウォッシャー JHW-201 ~シクロクロス会場での洗車に便利なバッテリー式高圧洗浄機~

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Iris Ohyama JHW-201

シクロクロスのレース会場で使える、バッテリー式の高圧洗浄機。
泥落としには十分なパワーがあり、水の消費量も程々とバランスが良い。

評価 ★★★★☆

購入価格 14000円

長所 -Pros-

  • 泥落としには十分なパワー
  • 水の消費量が少なめ
  • 充電時間が短い(70分)

短所 -Cons-

  • ノズルがやや長い
  • 予備バッテリー(IBL1820)の入手性が悪い
目次

レース会場で使えるバッテリー式高圧洗浄機

今年もシクロクロスシーズンが始まった。

シクロクロスといえば泥で、コンディションにもよるが、多かれ少なかれ、バイクは汚れると思って良い。
汚いだけならまだいいが、泥が詰まって重くなったり、駆動系の調子が悪くなったり、ひどいときはタイヤが回らないこともある。

2020CX全日本選手権

なので、試走が終わったら、レースまでには軽く洗車しておきたい。

もっというと、明るいうちに会場でバイクを洗えれば、帰宅後の後片付けはずいぶん楽になる。
…特に泥レースで疲れ果てた日に、真っ暗な中でバイク2台を洗うのは非常に辛い。

自宅での洗車用にケルヒャーのK3サイレントを持っているが、100V電源が必要なのと、そもそも車(ロードスター)に乗らない。

なので、バッテリー式の高圧洗浄機を購入することにした。

バケツに汲んだ水とブラシで洗うよりも節水できるうえ短時間でキレイになるので、水事情が悪いシクロクロス会場でも重宝するに違いない。

いくつか調べて、パワー、水消費量、価格、サイズ、信頼性もろもろを考慮の上、アイリスオーヤマのJHW-201を購入。

本品は俗にガン型と呼ばれるタイプで、バッテリーとポンプ、ノズルが一体化されており、本体から伸びた給水ホースで水を吸う。
本体重量は1.8kgで、片手で十分持てる重さ。

なお、タンクからの吸い上げ専用で水道直結には対応していない(漏れる)。

使用方法

組立

まず本体にバッテリーを取り付ける。一般的な電動工具と同様に、スライドさせてカチッとロックさせる。

本体底部にバッテリーを取り付け

次に、ノズルの装着。
ノズル部分は2分割されており、保管時の省スペース化に貢献している。
差し込んで90度回せばロックされるが、これが結構渋く力がいる。こういうところでアイリスオーヤマのコストダウンを感じてしまう。

差し込みが硬い

なお、先端ノズルと中間パイプでは接合部の形状が微妙に違うため、本体に先端ノズルを直接繋ぐことができない
ショートノズルで使えれば便利だし荷物も減るのに、どうして…

先端と中継ぎで差込部の形状が違う なんでやねん!

最後に、給水ホースをカチッと取り付け(こいつも渋い)れば準備完了。

ホースは付属する

給水

給水ホースの吸入側(フィルタがついているほう)を、水を張ったタンクなりバケツなりに放り込む。
フィルタが付いているとはいえ、ある程度綺麗な水道水を使うほうが良いと思う。水温は40度まで対応している。

安全ボタンを押しながら引き金を引くとポンプが作動するが、ホースを伝ってポンプが水を吸うまでしばらく回しっぱなしにする必要がある。
水面より低い位置に保持すると水を吸いやすい。水が勢いよく出るようになったら洗車開始。

親指で安全ボタンを押しながら引き金を引く

洗車

洗車はまずタイヤから。フレームは上から洗うと汚れが再付着しなくて無駄がない。

ノズル先端をひねると3種類の噴射パターンを切り替えられる(後述)ので、洗う箇所や泥の詰まり具合に応じて選択する。

洗車時は、ミノウラのDS-520スタンドでバイクを自立させている。
後輪が僅かに浮くのでホイールを回しながら洗える。

水抜きと収納

作業後は逆の手順でバラして片付けるが、このとき本体の水抜きを忘れないようにしたい。
水抜きの手順は、ホースを外した状態で水が出なくなるまで数秒間ポンプを作動させるだけ。

この一手間でケース内に水が溢れるのを防げるし、厳冬期に凍結して本体を壊すこともない。
給水ホースの中に溜まった水も、うまく追い出しながら巻いてやる。

湿気がこもりそうなので、使用後はケースの蓋を半開きにしている。

ぴったりサイズのケースについては後述。

コンパクトに収納

3種類の噴射パターン

ノズル先端をひねることで、3種類の噴射パターンを選べる

ノズル先端

噴射パターン

  • 直噴
  • 拡散
  • シャワー

直噴

水流を収束させるスポット噴射モード。
ペダルに詰まった粘土質の泥や、スプロケの隙間に挟まった草を吹き飛ばす時に。

アイリスプラザ

拡散

バイクの洗車で一番よく使うのがコレ。
帯状に広がるため、フレームやタイヤに付着した泥を面制圧できる。

アイリスプラザ

シャワー

勢いは弱く、泥落としには向かない。手を洗う時とかに良いんじゃないかな。

アイリスプラザ

パワーと水の消費量

JHW-201の吐出圧力は2.2Mpa。水道の圧力は0.2~0.3MPa程度なので、散水ホースの10倍くらいの水圧に相当する。
一方で水量は毎分1.8Lと、水道に比べてだいぶ少ない。(2Lペットボトルを1分ほどかけて満タンにするのをイメージしてほしい…)

ノズルの形状にもよるが、概ね、吐出圧力は泥をこそげ落とす能力に影響し、水量が多いほど泥を洗い流しやすい

購入時は、同様の製品数種類と比較したが、同じガン型のケルヒャーKHB5(2.4MPa 3.3L/min)はパワーはあるが水消費が多く、
一方で、コンパクトなケルヒャーOC3(0.5MPa 2L/min)はそもそもパワーが弱すぎた。

ハイパワーな製品ほど大型で水消費量も多く、何より高価になる。
その点でJHW-201はパワーの割に水の消費量が少なく、自由に水を汲めるとは限らないレース会場では使いやすいと思った。

本品は2段階のパワー切り替えが可能で、噴射中に本体上面のボタンを押すと水圧の強・弱を切替えられる。しかし、弱は水圧が無いに等しく、洗車用途としては使い物にならなかった。
そのうえ、一度引き金を戻すと再び強モードに切り替わってしまうため、弱モードのことは忘れよう。

水圧切り替えボタン

なお、バッテリー満充電での稼働時間は強モードで15分間なので、単純計算すると最大27Lの水を噴射できる。

バッテリー

電源には18Vのリチウムイオンバッテリーを使用。
バッテリーはIBL1820という型番だが、コレがなかなか売ってない。検索で良く出てくるDBL1820とは別物なので注意。

ランタイムは強モードで15分、弱モードで40分。
バッテリー本体のランプで、3段階の残量チェックが可能。

アイリスプラザ

充電は付属の高速充電器で行う。空の状態から満充電までに要する時間は70分で、よく比較されるケルヒャーKHB5(標準の充電器では310分 高速充電器(別売約6000円)で83分以上)に比べて大きなアドバンテージになっている。

高速充電器も付属

スペアバッテリーの入手性は悪いが充電は速いため、15分以上の連続使用をしないなら、頻繁に継ぎ足し充電するという運用方法もある。

充電器の消費電力は50W、満充電までの電力量も(単純計算で)60Wh程度なので、小さめのポータブル電源でも十分充電できる

シクロクロスの朝試走後の洗車でバッテリー残量が少なくなっても、すぐに充電すればレース後には満充電になっているはず。

別途水タンクを購入

前述の通り、バッテリー満充電時には

稼働時間15分 × 水量1.8L/min =27L

の水を噴射できる。

が、クルマのトランク容量の都合でそんなデカいタンクは積めないので、12Lのポリ製タンクを購入。

もう少し背が低いと収まりが良かったんだが…

使用時は、蓋を開けて給水ホースを突っ込む。今の所、トランクにタンクを載せたまま洗車している。
バイクの汚れ具合にもよるが、12Lの水で、バイクを3台洗って少し水が残った。無駄なく洗えば4台いけそう。

収納ケース

本体、ノズル、ホースをまとめて保管したいし、水が滴ってもトランク内を汚さないようにしておきたい。
寸法を測ってケースを探してみたところ、アステージのコンテナ #13がぴったりだった。

ノズルが2分割できるおかげで、内寸 横24.5×縦36.5×深さ14cmに収まる。このコンパクトさは嬉しい。

本体と分割したノズル、給水ホースに加えて、充電器も入る。

ケースの底に水が溜まってもショートしないよう、巻いたホースの上に本体を乗せて保管している。

まとめ:走行後のあらゆる洗浄に

試走後やレース後の洗車で何度か使ったが、バケツとブラシで洗うよりも短時間かつ少ない水でバイクを洗える。

シクロクロス会場では洗車設備が用意されることは稀だし、自由に使える水道が無い場合も多い。
仮にあったとしても、レース後には行列ができている。
水場の確保を考えることもなく、ドロドロの身体とバイクで順番待ちをする必要もなく、好きな時に好きなだけ洗車できるという心の余裕は大きかった。

100V電源を使うケルヒャーと比較するとパワーと水量に不満が残るが、泥水を撒き散らさないというメリットも有る。
バッテリー寿命と水の消費量も考慮すると、レース会場用としてはむしろバランスが良い。

車に積めるサイズ、水の消費量、手を出しやすい価格と、実際運用することを考えればなかなか良い選択だと思う。

バイクだけでなく、泥が跳ねた脚を洗うのにも有用だ。タオルで拭くと泥や砂で肌が傷つくうえあまりキレイにならないので、水で流すほうが良い。スノコやマットを敷いた上で洗えば足元も汚れない。

ただし、真冬は寒そうだ…

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