キャニオン グレイル 「2階建てハンドル」のバーテープ交換

グラベルロード キャニオン・グレイルを購入して1年が経った。

シマノ・バイカーズフェスティバルの90分耐久グラベルレースを走ったらバーテープがボロボロになったので、ニセコグラベルの前に巻き直すことにした。

特徴的な2階建てハンドル

グレイルは、2018年にキャニオンが発売したグラベルロード。

Canyonのウェブサイトには「全天候型、全環境型、全路面型のロード&グラベルバイク」と書かれており、ジオメトリもロードに近い。
グレイルの最大タイヤ幅は42mmで、50mmタイヤを飲み込み、よりハードコアなグラベルに対応した同社「グリズル」とはしっかり住み分けられている。

さて、そんなグレイルで最も特徴的な点が「2階建て」のハンドル。
奇抜なルックスに目が行くが、このハンドルは「最もリラックスしたいときに握る上ハンが最も高剛性なのはおかしい」という発想で設計されたもの。
「ホバーバー」という名の通り、上ハンドルを「浮かせる」ことで大きくしならせ、振動吸収性を飛躍的に高めている。

なお、1階のフラット部は握れない(手首が2階に干渉する)ため、取れるポジションは通常のドロップハンドルと変わらない

しかし全く無駄というわけではなく、下ハンドルを握るときにこのベースバー部分に親指を引っ掛けることでグリップの安定感が高まる。荒れたグラベルを下るシチュエーションでは実に頼もしい。

難易度が高い「2階建てハンドル」のバーテープ交換

さて、見た目よし(主観)、機能よしの2階建てハンドルだが、その欠点は重量が重いこと、空気抵抗が大きいこと、そしてバーテープ交換が難しいことだ。

ベースバーとブラケット、2箇所の「枝分かれ」があるため、バーテープを綺麗に巻くためには相応のテクニックが必要となる。

複雑な形状をしたハンドルバー

こういう特殊なハンドルを持つゆえ、使用するバーテープは

  • 伸縮性に優れること
  • 全長が長いこと(2100mm以上)

という条件を満たす必要がある。

特に全長の制約が厳しい。市販のバーテープはどれも2000mm程度で、長さが少し足りない。

よく伸び、全長も2150mmと長めなCanyon純正バーテープが鉄板だ。

Canyon Bar Tape

だが、今回は手持ちのカーボン柄バーテープ(ブラケット裏の隠しテープを切ると実測1900mm)を使ったため、長さが足りず泣くことになる…

バーテープの巻き方

古いバーテープを剥がしたら、さっそく巻いていく。
ところで、巻き方がわからなくなった時のため、バーテープは片側ずつ剥がすほうが良い。

巻き始めは通常のハンドルと変わらない。
バーテープ長に余裕が無いことはわかっていたので、下ハン部分はなるべく疎になるように巻いていく。

そして、最難関のベースバー部分。ここで隙間ができたりテープが浮いたりすると指が触れて気になるし、見た目も悪い。

下ハンドルをできるだけ上の方まで巻いたら、バーテープをベースバーの下にくぐらせる。そして、ベースバーを半周して戻す。
ここは強めにテンションをかけて、テープにシワやたるみができないように。

ベースバーから戻ってきたバーテープは下ハンドルを半周し、次はベースバーの下側から上に巻きつける。

下ハンを持つ時に親指を引っ掛ける部分。もともと3周していたが、今回は2周だけにした。
ベースバーに巻いたテープを引っ張ったまま、横に引っ張って下ハンへ。バーテープが浮きやすいので、しっかりとテンションをかける。

戻ってきたらすぐにブラケット部分。
ここは隠しテープを使って巻く方法と、使わず8の字に巻く方法があるが、今回は長さに余裕がないため隠しテープを使用した。

普段は多めに重ねてクッション性を稼ぐ上ハンドルもだいぶケチったが、それでも長さが足りなかった。せめてあと100mmあれば…

片側が巻けたら、反対側も同じように巻いていく

…文章にすると一言。しかし「反対側のバーテープ巻き」は実は結構難しい。左右均等に、同じように巻くにはそれなりの経験が必要だ。

重ね具合、伸ばし具合を均等にしないと同じような仕上がりにはならない。10年以上自転車に乗っていて、バーテープはずっと自分で交換しているが、最後に切ったバーテープの余分が同じ長さになることは滅多にない。

今回は殆ど誤差なく、見た目も長さも左右対称に巻けた。でも長さが足りていないので喜びは半減だ…

「ここまで巻け」という上ハンの段差に20mmほど届かなかった…

最後にエンドキャップの取り付け。見た目だけではなく、転倒時、バーエンドが体に突き刺さらないようにするための安全部品だ。

グレイルは通勤でも乗るので、クルマからの被視認性を上げるため、自作の再帰反射バーエンドキャップを取り付けた。

ライトの光を反射して目立つ

コツさえ掴めば…

常に手が触れるバーテープは消耗品。距離と時間を乗り込めば、汚れたり擦り切れたりする。
傷んできたバーテープは目につく。2~3ヶ月前から「そろそろ…」と思っていたが、ようやく重い腰を上げてバーテープを交換した。グレイルの場合、交換が面倒そうだったのでだいぶ渋っていたのだ…

新しいバーテープを巻いた自転車に乗ると、散髪に行った直後くらいの気持ちよさがある。

こうして記事にしたので次は作業で詰まることもない。今後はもっと早めに交換しよう。