チェーンステープロテクターに幌補修シートを流用する

MTB・シクロクロスには必須のチェーンステープロテクター

チェーン暴れによる傷が避けられない右チェーンステー。たいていは透明のシートが貼られていると思うが、汚れたり劣化したら交換が必要で、交換用のプロテクターが市販されている。

僕はというと、いろいろ試行錯誤があったのだが、チェーンステーを傷と衝撃から守り、ある程度の耐久性を有し、定期的に張り替えても負担にならないコストを兼ね備えたものは無いか探し回った結果、現在はトラックの幌補修シートを使っている。

市販のチェーンステープロテクター

自転車用として売られているチェーンステープロテクターは、アウタワイヤーが擦れる部分にも使えるシート状のものが一番メジャーだろうか。完成車を買うとたいていはこういったシートが貼り付けられている。

カットされていないほうが使いやすいなら、デイトナのオートバイ向け保護フィルム、ハイプロテクションシールのほうが便利。工夫して切り抜けば、こちらのほうが多く使える。

どちらもヘリコプターテープという、ヘリコプターのローターを保護するための透明ポリウレタン粘着テープと同等の素材で、傷や衝撃から対象物を守りつつ目立たない。

また、MTBだと勢いよくチェーンが打ち付けられるので、衝撃を吸収するネオプレン製のプロテクターのほうがフレームに優しい。ほか、グラビティ系MTB乗りの中には廃チューブを巻いている人もいる。

トラック幌補修シートの流用

さて、上記の市販品を大人しく使っていれば良いのに、流用できるものはないかと探し回り、辿り着いたのがトラック用の幌補修シート。

幌補修シートは、トラックの幌やテントの生地の破れを補修するための粘着シートで、雨風を受けながらの高速走行に耐えうる強靭な生地と強い粘着力、そしてしなやかさを兼ね備えている。

僕が使っているのはペタックスの幌補修シート。何色かバリエーションがあるのでフレームに合わせた色を買っている。
幅140mm×1mで1200円だが、チェーンステー10本分は余裕で確保できるので、1本あたりのコストは激安。

透明のポリウレタンフィルムと比べると目立ってしまうのが難点だろうか。

粘着剤

粘着剤はアクリル系で厚みがある。強力な粘着力だが、剥がした後の糊残りは、剥がしたシートの粘着面でペタペタすると綺麗に取れる。定期的に張り替えるものなので、剥がしたときの処理が楽なのはポイントが高い。

型紙の作成

シートは適当な形に切っても良いけど、最近のカーボンフレームは複雑な形をしているので、チェーンステーの形に合わせたほうが仕上がりが綺麗になる。

定期的に張り替えるものでもあるし、今回は型紙を作った。

まずチェーンステーにマスキングテープを貼り、マジックで輪郭を書く。破らないように剥がしたマスキングテープを厚紙やプラ板に貼って、ハサミで切り抜けば完成。

型紙と切り抜いた保護シート

保護シートの裏から型紙をあてて、裏面から鉛筆やボールペンでなぞった輪郭線に沿って切ると、フレームに合わせたチェーンステープロテクターが出来上がる。

切り抜き時は糊のくっつきにくいフッ素コーティングハサミを使うと作業しやすい。この手のハサミは日常生活でも役立つので、1本持っておくと便利。

チェーンステーへの補修シート貼り付け

貼付け面を綺麗に脱脂したあと、剥離紙を剥がして保護シートを貼り付ける。

シートは若干の柔軟性があるので、シワや浮きが無いように、うまく馴染ませながら貼っていく。粘着力が強いので、一度貼ってしまったら剥がして貼り直すのは難しい。作業は慎重に。

最後に、剥がれてこないように全体を強く押し付けて完成。

チェーンステー以外にも、ホイール脱着でブレーキローターが当たる部分だとか、アウターワイヤーが擦れるヘッドチューブ近辺の保護にも使えるが、少々目立つので、あちこちに貼ると野暮ったくなる。こういう場所はポリウレタンフィルムのほうが良い。

まとめ

トラックの幌補修のために開発されたシートながら、丈夫で貼りやすく糊残りが少なく、しかも安上がりという、チェーンステープロテクターとして理想的な製品。

シートと粘着剤の厚みがあるので、透明ポリウレタンフィルムと比較すると衝撃吸収効果もある。

目立つ場所にペタペタ貼ると野暮ったくなってしまうので、ポリウレタンフィルムとうまく使い分けたい。