Garmin 心拍計付きGPSスマートウォッチのラインナップと選び方

ガーミン製スマートウォッチの主要ラインナップ

スマートウォッチという言葉を生み出したのはApple Watchだが、そのはるか前から、ガーミンはウォッチ型デバイスをつくり続けている。

初のGPSウォッチは2003年発売のForerunner 101。単4電池2本で駆動し、14時間程度のログ記録ができた。2003年といえば、インターネット回線がADSLの常時接続になった頃。なお初代iPhoneは2007年デビューだから、スマートフォンという言葉も生まれる前の事。

初代モデルは無理矢理腕につけた感が否めなかったが、2007年頃になるとだいぶ腕時計っぽくなってくる。

Garmin Forerunner 305(2007年頃)

現行モデルは、ひと目見ただけでは普通の腕時計と区別がつかないくらいに洗練されている。機能面でも、スマートフォンとペアリングすることで、Garmin Connectアプリ経由で通知の受信やGPSログのアップロードができるようになっている。

一般的なスマートウォッチとの最大の違いは、アウトドア、スポーツでの使用を第一に考えられていること。スマートウォッチとしての機能は

  • プッシュ通知の受信と内容の表示
  • 電話の応答
  • メッセージ(SMS、メール、LINE、Messenger等)への簡単な返信(プリセットから選ぶ。一部機種は編集可)
  • カレンダーの予定確認
  • ライフログ表示(歩数や心拍数等)

といった程度。その代わり、GPSサイクルコンピュータから想像する「ガーミン」としての機能は充実している。

サイクリングについては、手首につけたGarmin Edgeという感じで、機種によっては、Garmin Vectorパワーメータのペダリング情報表示や、地図表示およびナビゲーションも可能。

サイクリングの他にも、ランニング、登山、水泳、トライアスロン、スキー、ゴルフ、クライミング、果てはスカイダイビングまで対応し、各種データを記録できる。

ハードウェアは実用第一で、屋外での使用に耐える強度と見やすく省電力な液晶、数日以上は持つバッテリーライフなど、本格的なスポーツで使うなら他に選択肢は無いとさえ思う。

そんなガーミンのスマートウォッチのラインナップ中、GPSと光学式心拍計を内蔵し、ランニングやサイクリングに使える機種について各シリーズの特徴を紹介する。

fenixシリーズ

ガーミンウォッチのフラッグシップに相当する。発売時点での最新の機能が盛り込まれ、過酷な使用に耐える頑丈な造りをしている。

登山やトレイルラン、ウルトラマラソン、トライアスロンなど、長時間にわたるアウトドアスポーツで使える製品。

やたら電池持ちが良い点が特長のひとつで、標準モデルのfenix 6では、GPSロギング+心拍測定時のバッテリーライフが36時間に達する。GPS取得間隔を長くして電力消費を減らすバッテリー最長モードだと、泊りがけの山行でも余裕でロギングできる。

fenix 6S
(コンパクトサイズ)
fenix 6
fenix 6X
(大型モデル)
スマートウォッチモード9日間14日間21日間
GPS+光学心拍計25時間36時間60時間
バッテリー最長モード50時間72時間120時間
エクスペディションモード20日間28日間46日間
バッテリー節約ウォッチモード34日間48日間80日間
fenixシリーズのバッテリー駆動時間

また、ForeAthleteとはケースの造り自体が違い、ベゼルや裏蓋は金属製(ステンレスまたはチタン)。なおリング状の金属ベゼルはアンテナなので、無理に取り外すと壊れる。

fenix 5の内部 (EP&T

2020年10月時点で現行モデルとなるfenix 6シリーズは、以下の3種類のサイズで展開されている。

fenix 6Sfenix 6fenix 6X
直径42mm47mm51mm
ディスプレイ1.2インチ1.3インチ1.4インチ
重量61g82g93g
fenix 6シリーズ

また、各モデルのグレードは次の3つ。

  • 無印…ベーシックモデル
  • Sapphire…サファイアガラス風防。地図機能やWifi等、機能も充実
  • Pro Dual Power…ソーラー充電対応

ほかに、チタンベゼルの機種や、バンドの種類(シリコン・メタル・皮革)がいくつかあったりするが、割愛。

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ガーミン(GARMIN)

ForeAthlete(Forerunner)シリーズ

ランやトライアスロンをメインに想定したシリーズ。機能面ではfenixとほぼ同等ながら、fenixよりも軽量。反面、外装はほぼ樹脂で高級感は無い。

海外ではForerunnerという名前だが、商標の都合で日本国内モデルはForeAthleteとなっている。

900番代、700番代はパワーメーターとのペアリングに対応。逆に言うと、ForeAthleteの上位機種とfenixシリーズしかパワーメーターに対応していない。

最近発売された745はパワーメーター対応機種の中で最も価格が安い。しかもForeAthleteシリーズ初のSuica対応機種で、2020年10月現在、自転車乗りには最もおすすめできるガーミンウォッチ。

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ガーミン(GARMIN)

なおForeAthlete 745は重量47g。fenixとの重量差がはっきり体感できる。

ForeAthlete 45/45sForeAthlete 245ForeAthlete 745ForeAthlete 945
直径42mm/39.542.3mm43.8mm47mm
ディスプレイ1.04インチ1.2インチ1.2インチ1.2インチ
重量36g/32g38.5g47g50g
バッテリー(GPSログ)11時間22時間16時間32時間
備考パワーメーター対応
Suica対応
パワーメーター対応
ForeAthleteシリーズ

fenix 6Sを購入する前は旧モデルのForeAthlete 935を使っていたが、Suica対応のために買い替えたようなもので、機能面の不満はほぼなかった。

fenix 6S(左)とForeAthlete 935(右)

Instinctシリーズ

米国防総省MIL規格対応のタフネスさが売りの、Gショックっぽいシリーズ。一発ネタかと思ったが、派生モデルが何種類か出ている。

文字盤を切り抜くような丸い液晶画面が特徴。

派生モデル含めカラーが豊富で、それなりにウケているのかも。

パワーメーターに対応していないので個人的には興味無し。光学式心拍計として使おうにもゴツくて邪魔だし。

Instinct
直径45mm
ディスプレイ0.9インチ
重量52g
バッテリー(GPSログ)14時間
備考米国防総省MIL規格準拠
ForeAthleteシリーズ

vivoシリーズ

日常生活やライト層向けのシリーズ。

Venu

アウトドアアクティビティ第一のGarmin製品の中にあって、Apple watchをはじめとする一般的なスマートウォッチに寄せていった製品。

fenixやForeAthleteに使われいているメモリインピクセル(MIP)液晶は屋外でも見やすいし超低消費電力なんだけど、見た目に高級感がないという不満を漏らす人もいるらしい。

それならば…と有機ELディスプレイを採用したのがVenu。vivoactive 4のディスプレイを有機ELにしたもの、とも言える。

見た目はカッコいいけど、タッチパネル嫌いなんだよなぁ…

ForeAthleteを着けて出勤するとオタクアスリート感が滲み出るので、そういうのが嫌いな方へ。

vivoactive

ForeAthleteの下位モデルをタッチパネルにしたような機種。

vivoactive 4ではSuicaにも対応したので、普段遣いのスマートウォッチ+ランニング用デバイスを求めている人にはハマりそう。

旧モデルのvivoactive 3を使っていた時期もあるが、タッチパネルにどうしても慣れなくてすぐに手放した。

フィードバックがないので運動中の操作は難しいし、汗や水気で誤作動する。画面ロックしていると解除が面倒くさかった。

vivosport

スマートウォッチというより、アクティビティトラッカー。GPSと光学式心拍計搭載モデルとしては最小・最軽量の製品。バンドの長さ違いでS/MとLの2種類がラインナップされている。

僕が初めて買ったガーミンウォッチは、この製品のご先祖様にあたるvivosmart HRだったが、さすがに小さすぎるので、スマホの通知受信と光学式心拍計としてしか使っていなかった。

ライフロガーや心拍計としては小さくて良いが、スポーツに使うならForeathlete 45以上の機種を選ぶほうが使いやすいと思う。

vivoシリーズ機能比較

Venuvivoactive 4/4Svivosport
直径43.2mm45.1mm/40.0mm幅21mm
ディスプレイ1.2インチ1.3インチ/1.1インチ9.6×19.2mm
重量46.3g50g/40g24.1g(S/Mサイズ)
/27g(Lサイズ)
バッテリー(GPSログ)18時間18時間/16時間8時間
備考有機ELディスプレイ
Suica対応
タッチパネル
Suica対応