Insta360 GO2 USB Power Mount
Insta360 Go2の給電撮影が可能なGoPro台座対応マウント。
モバイルバッテリー等から給電することでバッテリーライフの短さをカバーでき、車載カメラやヘルメットカメラとしての使い道が広がる。
ただし、非防水なので雨天時や水に濡れるシチュエーションでは使用できない。
評価 ★★★☆☆
購入価格 2640円
長所 -Pros-
- 給電撮影が可能で、電池持ちの悪さをカバー
- 脱落防止対策が施されたカメラ固定部
短所 -Cons-
- 非防水
- Go2カメラ自体の録画時間制限(最大30分)
バッテリーがもたない
世界最小アクションカメラと謳われるInsta360 Go2。
親指サイズなのにそこそこの画質で撮影でき、マウント類も使いやすいので、気軽に撮ってその場でSNSにシェアできるアクションカメラとして便利に使っている。
しかし、大きな欠点がバッテリー持ちの悪さ。
バッテリー容量はわずか210mAhで、GoPro並の手ブレ補正を実現する「FlowState手ブレ補正機能」をオンにすると20分程度しかバッテリーが持たない。
1100mAhのバッテリーを内蔵した充電ケースに入れた状態なら110分間の撮影が可能だが、この状態で自転車にマウントするのは気が進まない。
底部の三脚穴はちょっと頼りないし、折りたたみ部も振動で動いてしまう。基本的に、強い振動や衝撃が加わらない手持ち撮影用という印象を受けた。
そんな折、純正の給電マウント「USBパワーマウント」が発売されていることを知った。価格も2640円と比較的手頃だったので、試しに購入してみた。
GoPro台座対応の給電マウント
Insta360が純正ラインナップしているUSBパワーマウントは、以下のような形状。
台座はGoPro規格互換で、アウトフロントマウント等の各種GoProマウントに固定できるようになっている。
側面にはUSB-C端子があり、モバイルバッテリー等から給電・充電することが可能。
また、この状態でPCと接続し、内部の撮影データを転送することもできる。
背面には、排熱のための通気孔が設けられている。
カメラを取り付けてみた様子は以下の通り。他のInsta360 Go2用マウント同様に磁力で吸い付くが、
振動や衝撃が加わる状況が想定されているのか、プラスチック製のフックでパチンと押さえるようになっている。
カメラ取り付け例
USBパワーマウントを使った取り付け例を紹介する。
なお、Insta360 Go2のカメラ自体は防水だが、USBパワーマウントは非防水なので注意。
雨天時や、カメラが水に濡れるシチュエーションでは使わないほうが無難。
車載カメラ
まずはオーソドックスに、ガーミンのアウトフロントマウントからぶら下げて車載カメラとする使い方。
電源は、モバイルバッテリーとして使えるLEDライト Olight RN1500から供給している。
このライトのバッテリー容量は3.6V 5000mAh。
DC-DCコンバータのロスがあるので正確な駆動時間はわからないが、少なくとも数時間の撮影が可能と思われる。
手ブレ補正もよく効くのだが、いまいち、小型カメラの特徴を活かせているとは言い難い。
車載カメラとして使うのなら、画質も音質も良く、しかも防水性を維持できるGoProのほうが適していると感じた。
ヘルメットカメラ
USBパワーマウントの可能性を感じるのは、ヘルメットカメラとしての用途。
最近のアクションカメラというのは高画質化に伴って大きく重くなってきており、例えばGoPro Hero9の重量は158g。
OGKの軽量ヘルメット FLAIRが実測176gだから、仮にこのヘルメットにGoProを載せると、倍近い重さになってしまう。
これだけ重いと、振動でヘルメットがずれてくるし、長時間のライドでは首への負担も大きい。
頭頂部に取り付けると重量バランスがよいのだが、重たいことには変わりないし、カメラ位置が高いため、視線との差が大きくなってしまう。
そこで、ヘルメットにInsta360 Go2のUSBパワーマウントを取り付け、ジャージのポケットに入れたバッテリーから長いUSBケーブルで給電してやることを思いついた。
台座を取り付けやすい場所はヘルメットの形状によって変わるが、軽量なInsta360 Go2なら前頭部につけても重さを感じにくい。
配線が邪魔にならないよう処理する必要はあるものの、悪路で頭が揺さぶられたり、首が疲れてくる心配はなさそうだ。
また、水平維持が効くので首が傾いても景色は傾かない。
GoProにも水平維持はあるが、画角が狭めの「リニア」モードでしか使えない(あるいは別売のMAXレンズモジュールを購入)。
広角映像で水平をキープできるのはInsta360 Go2の大きなアドバンテージだ。
ただし、Insta360 Go2のレビューで書いたようにマイクは風に弱く音質も悪い。
映像だけではなく音声も撮りたいなら、結局GoProを使わざるを得ないところもある。
連続撮影時間と熱に注意
さて、給電撮影できれば思う存分長回し撮影ができる、と期待してしまうが、注意点が2つある。
- 連続撮影時間
- 熱
連続撮影時間
Insta360 Go2の連続撮影時間は、5/10/15/30分から選択して設定する。
つまり、最大30分で一度録画が止まる仕様になっている。
GoProのように1時間以上撮りっぱなし…というのは、残念ながら出来ない。
熱
もうひとつが熱問題。
連続撮影していると、カメラは発熱してどんどん温度が上がる。そして温度が一定以上になると、本体保護のため動作が停止するようになっている。
気温の低い冬場や、自転車やバイクのように風が当たる環境ならまだマシだが、状況によっては熱が問題になるということは認識しておきたい。
Insta360側も、15分や30分の連続撮影は(風がよく当たって冷却される)ドローン撮影向けとしている。
まとめ:Go2の軽さ・小ささを活かす使い方を見つけよう
GoPro台座を備え、USB-Cで給電しながら撮影可能なUSBパワーマウント。
振動や衝撃にも耐える固定方法や冷却用の通気口など、よく考えて作られている。
しかし、便利そうだと思って買ってみたけど、思ったほど便利じゃなかった…というのが正直な感想。
そもそも、(バッテリー駆動時間を犠牲にしてまで)小型軽量化を推し進めたInsta360 Go2は、手軽に持ち出し、小ささを活かして身体やバイクにマウントし、短時間の動画を撮ることに特化している。
最大30分までの連続録画制限と、発熱問題もあるため、台座にしっかり固定して、給電しながら長時間撮影するなら、(Go2と比較して)大きく重たいが撮影機能が優れたGoProを使ったほうがいい。
GoProと同じような使い方だとGoProに勝てない。Insta360 Go2の特徴をうまく引き出せる使い方ができれば、このマウントも活きてくると思う。
例えば、記事中で挙げたようなヘルメットカメラとしての使い方は、本体の軽さを活かした、Insta360 Go2ならではのものだ。
また、単なる充電ドックにするというのもひとつの用途。普段はUSBパワーマウントで充電しておき、撮影したい時にネックストラップや粘着マウントに取り付けて使う、というスタイル。
ハンドル上など、手の届きやすい場所にマウントを固定しておけば、撮影機会が増えるかもしれない。