普及コンポからレースグレードへ 電動+ディスクブレーキ専用になった新型105 R7100 Di2 発表

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2021年9月にR9200デュラエース・R8100アルテグラが発表されてから10ヶ月。2022年6月30日、シマノロードコンポのサードグレードにあたる「105 R7100シリーズ」が発表された。

その内容は、105に対して抱いていた「普及コンポーネント」というイメージを覆すものだった

目次

「最初の1台」の普及コンポ(だった)

シマノのロードコンポーネントは従来、上位グレードから順番に

デュラエース→アルテグラ→105→ティアグラ、ソラetc…

と1年毎にモデルチェンジが行われて、デュラエースから105までの間は基本的に同じ仕様が踏襲されていた。

たとえば過去、9000デュラが11sになった時はR5800 105も11sに、R9100デュラに油圧ディスクブレーキが用意された時はR7000 105も油圧ディスクに対応している。

ただし差別化も行われており、デュラエースおよびアルテグラは変速を機械式(ワイヤー引き)とDi2(電動変速)から選択できたのに対して、「普及コンポーネント」の105は機械式変速のみ展開されていた。
本格ロードコンポの中でも、「住み分け」がされていたと言える。

105は、ロードバイク入門者のための普及コンポだった。
ロードバイクが流行り始めた2010年頃、「最初の1台」の定番は、15万円ほどで販売されていた105のアルミロードバイク。
現在ハイエンドバイクを乗り回すサイクリストも、初心者の頃はそういうバイクに乗っていたのではないだろうか。

立ち位置の変化

前述のように、これまでの105は、先行して発売された機械式のデュラやアルテの流れをくんでいた。

ところが、昨年(2021)秋に発表されたR9200デュラエースとR8100アルテグラは、12速Di2のみの展開。
当時は、続いて発表されるであろう普及グレードの105がどう動くのか、緊張感を持って注視していた。

気になるのは、いつものペースなら1~2年先にモデルチェンジを控えているであろう新型105(R7100シリーズ?)
シマノのロードコンポの世代交代は105のモデルチェンジで完了する。11速なのか12速なのか、Di2は用意されるのかなど、今後の方向は105で決まると言える。

2022年 デュラエース・アルテグラ Di2は12速 機械式は11速の旧製品を継続

そして、2022年6月30日、シマノロードコンポのサードグレードにあたる「105 R7100シリーズ」が発表された。

105は機械式変速だろう…という予想に反し、リヤ12速のセミワイヤレスDi2。しかもディスクブレーキのみの展開

デュラエースやアルテグラが高価格化し、空いたスペースを穴埋めする存在として電動変速となった105が納まることになった。

これまでの「普及ロードコンポーネント」という立ち位置から、「レースエントリーグレード」へと変化したと言える。

なお、機械式コンポーネントについては、各グレード旧世代の製品が継続販売されており、電動105以下の価格帯はこれらの製品が受け持つことになる。

コンポ機械式 リム機械式 ディスクDi2 リムDi2 ディスク
デュラエースR9100 (11s) 28万円R9100 (11s) 30万円R9200 (12s) 41万円 R9200 (12s) 44万円
アルテグラR8000 (11s) 14万円R8000 (11s) 16万円 R8100 (12s) 22万円R8100 (12s) 28万円
105R7000 (11s) 8.6万円R7000 (11s) 10万円 –R7100 (12s) 20万円
ロードコンポのラインナップ(価格は参考)

シマノのロードレーシングコンポーネント戦略

従来、デュラエースを頂点としたシマノのロードコンポは緩やかにピラミッドを形成していたが、12sのDi2専用となったR9200,R8100シリーズ発表のときに「下位グレードとの断絶」を感じた。
(同様にDi2専用となった)R7100系105を見る限り、どうやらそれは決定的になったようだ。

ロードコンポで機械式12sが存在しないのは、技術的理由ではなく戦略的な意図があってのことだと予想している(MTBはすでに中級グレードまで機械式12sとなっている)。

今後、シマノの本格的なレーシングコンポーネントは、12sのセミワイヤレスDi2、ディスクブレーキで展開し、その「松竹梅」としてデュラエース Di2、アルテグラ Di2、105 Di2を据えるのだろう。

一方、コスト要求が高まるサイクリング、ツーリング用途には機械式コンポを用意する。…こちらは今のところ旧モデル続投なので、今後充実すれば良いのだけれど。

「レースバイクとそれ以外で二極化する」という論については、デュラ・アルテ発表直後に書いた以下の記事にて触れている。予想した通りになってしまった。

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さて、シマノ製ロードレーシングコンポのエントリーグレードを担当するR7100は、フルセット価格206,259円(税込)
決して安くはないが、レースで勝つための最新テクノロジーが投入されている。

価格については、文字通り「競合」となるSRAM Rival eTap AXS(199,067円(税込))にぶつけてきたように思える。

というか、「12速・電動・ディスクブレーキのレースグレードを松竹梅揃える」というラインナップ展開はSRAM ETAP AXSシリーズと同じ。ちょっと意識しすぎな気もする。

なおSRAMの「松竹梅」は以下の通り。

  • Red eTap AXS:521,840円
  • Force eTap AXS:380,468円
  • Rival eTap AXS:199,067円

(2x12s ワイヤレス電動 油圧ディスクブレーキ)

上位グレードとの差別化

コンポーネントの詳細については各メディアで語り尽くされているので、ここでは上位グレードとの差に触れることにする。

新型105 R7100シリーズは、基本的に上位のR9200、R9100の仕様・技術が採用されているが、コストダウンのために素材のグレードが落とされたり、機能が削られている
また、想定される用途にあわせて仕様が異なる部分もある。

STIレバー

上位グレードとの差を最も感じるのはSTIレバー。ST-R7170の形状は上位譲りで握りやすいようだ。

ブレーキレバーとしての機能は妥協されておらず、調整幅16.4mmのリーチアジャストやフリーストローク調整機能を備える。

コストダウンポイントその1は、ツノ部分のリモートスイッチが存在しないこと。

ここのスイッチを利用してシフト操作を行ったり、ガーミンの画面切り替えが行えて便利(E-tubeアプリで設定)なのだが…

また、サテライトシフター用のポートもオミットされている

上ハンドルやドロップ部に追加のシフトスイッチをつけたい場合は、アルテグラ以上のSTIレバーが必要。

なお、ST-R7170は、左右レバーそれぞれにCR1632電池を2個ずつ使用する。
左右各1個のデュラ・アルテよりもバッテリー寿命が伸びており、電池交換無しで3年半~4年にわたって使用することが可能。

DC-DCコンバータ回路のコストダウンだろうか…と勘ぐってしまう。

機能の差は大きいのでここはアルテグラを選びたいところだが、価格差も結構あるので、悩むところ。

  • ST-R7170:6万円 423g
  • ST-R8170:8.3万円 391g

駆動系

シリアスサイクリストというより、入門者やファンライド向けのギヤ比となっている。

クランク

クランクセットは

  • 50-34T
  • 52-36T

の2種類。ミッドコンパクト(52-36)が主流になってきたとはいえ少し寂しい。ノーマルクランクを踏みたい人はデュラを選ぶ必要がある。

クランク長は、160/165/170/172.5/175 mmが用意される。

カセットスプロケット

カセットスプロケットは

  • 11-34T (CS-R7100-12)
  • 11-36T (CS-HG710-12)

の2種類。34Tカセットはデュラやアルテにもあるが、36Tは105グレードでのみラインナップ。

シマノは急な坂道を走破するための「ギヤ比1:1」をアピールしている。グラベルならともかく、ロードサイクリングで軽すぎるギヤがあっても、フラフラして登りにくいだけだと思うんだけど…

個人的に、ワイドすぎるカセットはギヤ比が飛ぶので嫌いだ。

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なお、R9200,R8100シリーズのカセットは変速性能を高める「ハイパーグライド+」という刃先形状が採用されているが、105グレードのカセットは従来の「ハイパーグライド」が採用されており、変速性能は若干劣るとされる。

ディレイラー

前後ディレイラーはすでに発売された12sセミワイヤレスコンポと互換性を有している。

ただし、RD-R9250, RD-R8150は最大スプロケットが34Tだが、105グレードのRD-R7150は最大36Tのカセットに対応する。

つまり、36Tカセットを使いたい場合、105のRDをセットで使用する必要がある。逆に、105のRDはローギヤが34Tを下回るカセットを使えない

まとめ:賛否両論あるだろうが…

リヤ12sのワイヤレスDi2で、油圧ディスクブレーキ。ハイエンドのテクノロジーがここまで降りてきたか…と思う一方で、「セットで20万円もする105は高すぎる」というネガティブな意見も聞こえてくる。

しかし、R7100シリーズは、先代までの105のような、30万円前後のエントリーディスクロードに載るコンポーネントではない

コストパフォーマンスに優れた普及コンポーネントから、パフォーマンスを重視する「レースエントリーグレード」へ軸足を移した「105 R7100シリーズ」

個人的な意見だが、従来のイメージを払拭するため、いっそ別名の新シリーズとしてデビューさせても良かったのではないかと思う。

それにしても、ロードバイクのスーパーカー化はまだまだ進むようだ…

SARISサポートライダー活動について

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2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
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