シマノSPD-SLクリートが新パッケージに 偽物クリートと比較する

シマノ SPD-SLクリートの模倣品問題

ロードバイク用ビンディングペダルで一番のシェアがあるのは、やはりシマノのSPD-SLペダルだが、2020年頃よりSPD-SLクリートの偽物が出回っている。

色や形だけでなくシマノの刻印まで再現されており、シマノも自社ウェブサイトで注意喚起を行っている。

シマノ製品の模倣品が、一部店舗、フリーマーケットサイト、その他のオンラインストア等を通じて国内外にて違法に販売されております。
特に最近では、シマノ・クリートセットの模倣品が出回っており、下記の写真のように外観からは正規品との判別がつきにくいものとなっております。
シマノ製品(正規品)は、安全性に細心の注意を払って設計しております。
これに対し模倣品につきましては 、品質や安全性が確保されているものとは言えず、重大事故につながる可能性もあります。
つきましては、お客様がシマノ製品を購入される際には、十分にご確認の上、正規品をお買い上げ頂くようよろしくお願い申し上げます。

[重要なお知らせ] 模倣品にご注意ください。

SPD-SLクリートが新パッケージに変更

さて、2021年に入ってから、模倣品対策の一環としてシマノ製SPD-SLクリートのパッケージがブリスターパックから紙製に変更された
紙パッケージは環境への配慮だと思っていたが、それだけでなく、模倣しにくい特殊な素材を使っているらしい

箱を開けると、クリート固定ボルトが紙袋に入っていたのはびっくりした。そのうちクリート自体も紙製になるかもしれない。

新パッケージは紙箱

型番は旧製品と同じだが、パッケージ変更に伴い品番が変更された新パッケージ版は末尾がAになる。

型番旧パッケージ品番新パッケージ品番
SM-SH10Y42U98020Y42U9802A
SM-SH11Y42U98010Y42U9801A
SM-SH12Y40B98140Y40B9814A
新旧パッケージの品番
シマノのSPD-SLクリート マニュアル&技術資料

また、模倣品対策として、製品パッケージにユニークなQRコードが貼り付けられるようになった。
後述するが、スマホアプリから正規品かどうか調べることができる。

模倣品対策のQRコード

なお、箱の裏側が説明書になっていてエコ。
でも大したことは書いてないし、インクの無駄だから無地でいいと思う

シマノ正規品判定アプリ

正規品を判定するためのiPhoneアプリAndroidアプリが配信されており、これをインストールしてパッケージのQRコードを読み取ることで、正規品かどうかを判定できる。

同一QRコードの読み込みは3回までとなっており、それ以上読み込むと、非正規品の可能性があると警告されるようになっている。

ヤフオクで買った偽物クリートを正規品と比較

さて、ヤフオクで買った偽物クリートが手元にあるので、つい先程シマノのお墨付きが得られた正規品クリートと比較したい。

以前ヤフオクで買ったクリートがパチモンだった

表面

まず表面から。写真左がシマノ正規品、右が模倣品となっている。

見比べてわかる偽物の特徴は

  • 黄色い滑り止めゴムの色味が薄い
  • 金型のイジェクトピン跡の位置やサイズが違う

くらい。樹脂の質感から、偽物のほうがちゃんとしているようにすら見える。

左が正規品 右が偽物

裏面

次に裏面。

こちらは相違点がいくつかあり、偽物は

  • クリート先端のRがいびつ
  • 滑り止め?のピンが低い
  • クリート両端近くの彫り込みが無い
  • 刻印の打ち方が異なる

ただ、ヤフオクなりメルカリで裏面の写真があるとは限らない…

側面

最後に側面を比較。

偽物は

  • クリート中心位置を示すポッチが無い

という決定的な違いがあった。また、クリート本体と滑り止めゴムの境界も汚い。

商品写真での判別は難しい

ただ、メルカリなりヤフオク、あるいはAmazonの業者から購入する場合、製品写真から判別するのは至難の業といえる。

また、製品写真は正規品で、購入したら模倣品が送られてくるケースもあるので、クリートに関しては箱入りの製品をちゃんとしたショップで買うのが良いと思う。

正規品クリートを買う方法

プロショップで買うのが一番安心ではあるけど、クリートは消耗品なので、欲しくなった時通販でポチっと手軽に買いたいし、できるだけ安く買いたいというのが人情。
ただ、価格が安くなるほど偽物を掴まされるリスクも高まってくる。
正規品であることが確実な順に並べるとこんな感じだろうか。

  • 自転車屋の実店舗
  • 大手量販店の通販
  • Amazon(Amazon販売・発送)
  • 小中規模ネットショップ
  • 激安系ネットショップ
  • メルカリ・ヤフオク等

まず、①の実店舗。街の自転車屋でも量販店でも、シマノと取引しているところは、まず正規品を扱っていると考えて良いと思う。

②は、ヨドバシドットコムや、ワイズロードオンライン等、実店舗を持つ大手ショップの通販を指す。ほぼ実店舗と同じ安心感。

③は、Amazon扱いであることを確認した上で買えば、もしものときに返品も効くし、まあ大丈夫かなと…

ここまでは良いが、④以降は若干のリスクがある。まず、④の小中規模ショップは、Yahoo!ショッピングや楽天に出店している自転車屋など。店によってはちょっと怪しいところもある。

⑤は、アリババで買ってきたスマホケースとか液晶保護フィルムとか怪しいガジェットを打ってるようなお店。これは偽物の確率が高い。

⑥のネットオークション・フリマアプリはまず偽物と考えていい。パッケージ無しで新品をいくつも打っているアカウントはまずクロ。パッケージがあっても、正規品パッケージに模倣品クリートを入れて売っている可能性も考えられる

また、価格でも大体の判別はつく。SM-SH10, SM-SH11, SM-SH12の定価は税込2415円。実売価格だとせいぜい2000円前後。
それを大きく下回る価格…なんとなくの感覚だけど1500円くらいで売ってるものは大体偽物じゃないかって思う。

偽物クリートは精度が悪くガタが大きかったり、強度が不足していて簡単に割れるという報告がある。
スプリント中に外れたりしたら大怪我に繋がりかねないので、シマノ純正品を使うようにしたい。

…さて、パチモンクリートはZWIFT用にするか。