WORKMAN Find-Out MOVE ACTIVE CYCLE JERJEY
ワークマンが販売する破格のサイクルジャージ。ルーズフィットだが、バックポケットが6つ、脇の下はメッシュ生地のベンチレーションが設けられるなど、1500円という価格からは想像できないほどのクオリティ。
評価 ★★★★☆ もう少しタイトなら良かった
購入価格 1500円
長所 -Pros-
- 税込1500円という圧倒的低価格
- バックポケットが6つ
- 脇の下にはメッシュ生地のベンチレーション
短所 -Cons-
- 最小サイズがMで、Tシャツのようなルーズフィット
- 映画マトリックスのような奇怪なデザイン
アウトドア用ウェアブランドとしての地位を築くワークマン
現場作業員向けウェアブランドだったワークマンの快進撃が止まらない。
安価で高機能なウェアを次々と発売して、オートバイ、登山、キャンプ、そしてサイクリングと、アウトドア総合ウェアブランドとしての地位を築いている。
登山・アウトドア用ウエアの定番といえばモンベルだが、「安くて良い」がウリのモンベルと比べても圧倒的に安い。
もちろん、品質や性能は値段なりな部分もあるけど、アルプス登山だとか、シベリア縦断ツーリングをするならまだしも、週末のハイキングやキャンプには十分な性能を備えている。
ムーブアクティブサイクルジャージは、そんなワークマンが発売した半袖サイクルジャージ。
格安だがサイクルジャージとしての基本を抑えた造り
1500円という価格から「どうせジップTシャツにバックポケットつけただけでしょ?」と思っていたのだが、商品を手にとってみると、市販ジャージをしっかり研究して製品化していると感じられた。
フルジップの半袖ジャージで、生地はポリエステル100%。ファスナーは流石にYKK製ではないが、スムーズに動く。
サイクルジャージ最大の特徴であるバックポケットは6つもついている(うち2つはジッパー付き)。こちらは後述する。
前傾姿勢に合わせて後ろ身頃が長く裁断されていて、裾には滑り止めのグリッパーまでついている。
サイクルウェア専門ブランドでも、コスト削減のためオミットされる部分なのに。
安全性を高めるための反射プリントも装備。限られたコストのなかでよくぞここまで…と驚いた。
同社のサイクルキャップ同様、高いクオリティで製品化されている。
充実のバックポケット
バックポケットは6つもついている。
- 背中に横並びに3つ
- 背中中央にジッパー付きを1つ
- 左右サイドに小さめのサイドポケット(左側はジッパー付き)
メインのバックポケットはサイズも開口部も大きめなので、物を入れやすい一方、激しいライディングをすると落としそう。
家の鍵や財布といった貴重品はジッパー付きポケットに入れておくと良い。
サイドポケットのついたジャージは初めて見たが、CO2ボンベやプロテインバーを入れるにはちょうどよいサイズ感。補給食のゴミ箱として使っても良い。
これだけポケットを縫い付けてジッパーまで備えるとなると、かなりのコスト増になると思うのだけど、いったいどうなっているんだろうか。
脇の下にはベンチレーション
一番驚いたのは、脇の下がメッシュ生地になっていること。運動中にこもった熱気を換気するためのベンチレーションとなっている。
実走テストした日は最高気温が20度ほど。走行ペースを上げると汗ばむ気温だが、脇の下に走行風が流れるのを感じられた。
生地の速乾性能は、もうちょっと暑くなってみないとわからないが、20度程度ならまったく問題ない。
かなりルーズなフィット感
カジュアルサイクリストでターゲットであろう本製品を責めるのは酷だけど、難点を挙げるなら裁断とシルエット。
身長177cm 68kgでMサイズを購入したが、Tシャツのようなルーズフィットで、サイクルジャージにイメージするような、体にピッタリフィットして空気抵抗を抑えるデザインではない。
実走しても、肩周りや腰回りの生地が走行風でバタつくし、下にレーパンを履くと、ズボンを履き忘れて外出してしまった人みたいな、奇妙な出で立ちになる。
クロップドパンツを履いた街乗りスタイルだとちょうど良い感じになるし、そういう使い方を想定したであろうパンツもワークマンに存在する。
大学のサイクリング部とか、キャンプツーリングではこれを3枚くらい買ってローテーションすれば良いんじゃないかと思った。
ただ、私の身長でMサイズがブカブカ(Tシャツとしてはちょうど良いくらい)となると、小柄な人向けには、もう1サイズ小さい選択肢が必要だと思う。
柄はどうにかならなかったのか
もう一つ苦言を呈するなら、映画マトリックスみたいな前面デザインはどうにかならなかったのだろうか…
自転車通勤用にしてやろうと思ったが、あまり見た目を気にしない私でさえ、若干抵抗を感じる。
なおカラーバリエーションは充実の6色展開だが、柄は全部同じ。おい!
まとめ: カジュアルライドにうってつけ
1500円という厳しいコスト要求のなかで、申し分ない機能性を持ったジャージ。
サイクルウェアを研究した上でしっかりと作り込まれている。
ルーズフィットなのはカジュアルライド向けというコンセプトゆえ。
街乗りだとか、週末のちょっとしたサイクリング、あるいはキャンプツーリングにもうってつけだと感じた。
ただ、映画マトリックスのような奇抜なグラフィックでは、カフェに入るのが憚られる。どうしてこうなった。
製造コストに直接関係ない部分なのに惜しい。これではキアヌ・リーブスみたいに公園のベンチでぼっちメシを食うことになる。
他のワークマン製品もWindowsのデフォルト背景みたいなデザインなので、見た目をブラッシュアップすればさらに売れるんじゃないかと思った。