11/1 関西シクロクロス第2戦 富田林

関西シクロクロス第2戦は富田林市の石川河川敷。同日に幕張JCXが開催されているので選手層は薄いと思いきや、シマノレーシングから横山航太、中井唯晶2選手がエントリー。

レースは、最後尾スタートから上がってきたシマノ2名にくっつく形で、3名パックに。一時バラけたりもしつつ、お互い数秒以内の差を保ったままレースが展開された。航太は速さも上手さも一枚上手で優勝は逃したものの、唯晶は抑えて2位フィニッシュ。脚力の差が出にくいコースだったとはいえ、納得のリザルト。先週に引き続き好調を実感している。

Photo Ryohei Wada

11/1 関西シクロクロス第2戦 富田林

コースコンディション:晴れ。完全ドライ。草地。

リザルト:2位/44名(7周回 +0:01 順位4% フルラップ完走44名)

機材

Ridley X-Night Disc 2号車

  • 前輪: NEXTSTAGE CARBON TU / FMB SSC SLALOM GREEN / 1.8bar
  • 後輪: NEXTSTAGE CARBON TU / FMB SSC SLALOM GREEN / 1.8bar

2020-21シクロクロスシーズンのサポート体制について

試走と準備

レース当日の試走時間は人が多く、レーススピードでの走り方を試せないので、今回も土曜日の前日試走で走り込む。

コースは河川敷の平坦な草地で、タイトなコーナリングと、乾いた土のキャンバーが数箇所。踏み場所が少なく、長い直線は4本。脚力の差が出にくい一方、コーナーやキャンバーの処理でじわじわと差がつくレイアウト。小さなミスで差が開くと取り戻せない。

一番の難所となっていたキャンバーセクション(M1)

コースは完全なドライコンディションだったので、タイヤはFMB SLALOMか、スリックパターンのSPRINTの二択。転がりの違いよりはコーナーのグリップを優先するほうが安定して速いと判断して、SLALOMで走ることに決めた。

今回SLALOMの新品をおろしたが、これがものすごく良い。前輪と後輪が滑っている状態でコントロールできる。重めのギヤを掛けて踏み込むと、後輪が外に流れ出し、バイクの向きを変えながらも前に進む。

FMBのタイヤ。左がドライ用のSPRINT、真ん中がマッドのGRIPPO、右がオールラウンドのSLALOM

当日試走ではコンディションの最終チェック。キャンバーの路面状況が変わっていて、若干乗車しやすくなっていた。今回は路面状況も安定しているし、基本的に乗車していく作戦。

今年のスケジュールはC1のスタートが14時30分で時間を持て余し気味だが、先週の紀の川よりはリラックスして過ごし、マスク装備で招集へ…

レースレポート

フロントローからスタート。コッシーが飛び出し、村田さん、僕と続く。そういえばコッシー、去年も飛び出してたな…

1周目はそのままの順で。2周めの途中で最後尾スタートのシマノレーシング横山航太・中井唯晶の二人が上がってきた。これについていって、3人で先頭パックを形成。

脚力の差が出にくいレイアウトなのが幸いし、コースで4箇所ある長い直線さえキッチリ踏めれば、十分についていける。

Photo Minami
Photo Minami

しかし航太はキャンバーの処理が上手く、安定している。ミスと言えないほどの小さなタイムロスで距離が開き、レース中盤は一度3位単独に。

シマノレーシングパックから遅れること数秒、いっぽう4位との差は十分あるが、このままズルズル後退するわけにはいかない。

幸い先頭パックのペースが落ち着いていたので、コーナーを攻めて、直線もしっかり踏み込むように意識していたら、徐々にタイム差が縮んで再びドッキング。

Photo Minami

状況は振り出しに戻ったが、フィジカルとテクニックを兼ね備えた航太を抑えきるのはまず無理。前に出てペースを落としてしまうくらいなら後ろにピッタリ張り付くほうがいい。

いっぽう唯晶はパワー勝負になるとまず勝ち目がないが、コーナーやキャンバーの処理ならこちらが上回っているはずと考え、コーナーで前に出る。

レース終盤はシマノレーシングに挟まれる形で、航太から数秒遅れ、唯晶から数秒リード、という状態。1位の姿は常に見えていたが差は縮まらず。ゴール前ではダメ押しでもがいたものの、1秒差で2位フィニッシュ。

たぶんファイナルラップのステップ Photo Minami

レースを振り返って

いやぁまさか、シマノレーシングに食い込めるとは…というのが正直な感想。

去年の実力だと、同じ先頭パックで走ることはおろか、表彰台すら難しかったと思う。巨匠のZwift練習会で毎週ヒィコラ苦しんだ成果はあったようだ。

体感としても、パワーが必要な場面でキッチリ踏めるし、同じパワーなら余裕があるので、レース終盤まで集中力を保て、バイクコントロールも安定する。今日のレースでも体とバイクを常にコントロール下に置けていたので、大きなミスはしなかった。

シクロクロスシーズンが開幕して2戦続けていい感触なので、このまま全日本まで好調を維持していきたい。

今回も応援・撮影・サポートありがとうございました。次戦は関西CX第3戦、烏丸半島に出場します。久々に関西クロスに戻ってきた烏丸半島はキャンバー地獄だけど、週末の天気予報は傘マーク…

GPSログ解析

ちょっと賢そうな雰囲気を醸し出していきたいので、記録したデータを活用してレース結果を見ていこうと思う。

まずはレース中のセクタータイム(区間タイム)を計算したかったので、GPSログ(TCX形式)から任意のセクター位置を設定してタイムを計算するシートをエクセルで作った。

コントロールラインから、ブースエリアに向かう長い直線の終わり(灰色)までをセクター1、キャンバーが連続する台地に向かう直線の終わり(黄色)をセクター2に設定。ここからコントロールラインまでをセクター3とする。

各セクター位置と、セクタータイムは下図の通り。

GPSログとセクター位置(コントロールライン、セクター1、セクター2)
各ラップのセクタータイム

ラップタイムに大きな変動はなく、区間タイムも揃っている。うまく走れたレースはこういう結果になることが多い。

今のところは、区間タイムの推移がわかって面白いという程度だけど、キャンバーが連続するセクター3のタイムが安定しないなら無理に乗らずに降りるとか、あるいはパワーが必要なセクションが後半落ち込んでいるなら踏みすぎだとか、うまく活用すればレース戦術の改善に使えそうだと思っている。