2011/4/1 大阪→東京キャノンボール 後編

国道1号線で結ばれた東京~大阪間を自転車で24時間以内に走破するチャレンジ、キャノンボール。
2011年に挑戦した時の記録が出てきたので、編集のうえ掲載する。(後編)

前編はこちら

島田~三島 406km地点

富士由比バイパス沿いのサイクリングロードを走っていると、正面に富士山が見えた。

レッドブル飲んだら脚が回るようになったが、疲労がたまっているためすぐにペースが落ち込んでくる。
ここからは休憩ペースがどんどん短くなり、こまめに止まるようになった。

富士川を渡る前にミニストップへ。メロンパフェおいしいです。

ここから沼津までは短調な直線道路。松林で海も見えず、ただただ辛い。

箱根が近づいてきた頃、キャノボ参加を聞きつけて応援にやってきてくれたGIANT乗りのオジサンに声をかけられる。確かDefyアライアンス。
数km同行し、三島の箱根峠前最終ローソンで別れる。このときスポドリとレッドブル補給。

沼津~根府側 456km地点 痛恨のミスコース

400km走行後の箱根峠アタック。膝の痛みで途中何度もストップし、芦ノ湖まで1時間20分かかった。長いが勾配は緩い箱根、元気なら流しても余裕で1時間切れるはずなのに。

こんな写真撮るから 道を間違えることになる

判断力や注意力を失っていたのか、芦ノ湖で痛恨のミスコース。

旧箱根を下るはずが椿ラインへ向かってしまう。大観山まで無駄に登る。

下りは爽快。路上の砂はオートバイのお兄さんたちが全て蹴散らしてくれているため、滑る気がしない。ただ、時速60km/hほどで車体が振動し高速で左右に振れ始める。ホイールの剛性不足か、6500kmを超えて使っているタイヤの摩耗のせいか。

そうこう考えているうちに湯河原温泉まで下りきって、ミスコースに気づく。

「あれ・・・湯河原駅・・・?」

東京まで103km。時間はあと3時間半。24時間以内のゴールは諦める。

1号線に合流すべく、太平洋沿いのR135を走る。快走路だが路肩が狭く自転車には辛い。
ハンガーノック気味で失速し、対向車線側のローソン小田原江之浦店で補給。

湯河原~東京 548km地点

ミスコースのせいで無駄に獲得標高を稼いだ上、20kmほど遠回りになった。脚の余裕もいよいよ無い。集中力が切れたせいで一気にパフォーマンスが落ちる。1時間に1度以上ストップしつつ完走を目指す。

1号線に合流する場所に、GHISALLOに乗ったbaruさんが応援に来てくれていた。激励とアミノバイタルを貰って走り出す。

ここから横浜までがきつい。丘が連続するような地形で、アップダウンが多い。疲労も溜まってきている。
途中、眠気に耐えかねてコンビニ前で座り込み30分仮眠。

横浜からは市街地走行。24時間以内の走破は諦め、十分な休憩をとりつつ18時50分に日本橋1丁目交差点到着。

道路元標の場所がわからず10分ほどうろつき、18時59分にゴール。ゴールで待ってくれていた人とお話。
記録は26時間59分。時間外完走したものの24時間以内の達成はならず。ミスコースが無くとも達成は厳しかったか。

走り終えて(2011)

キャノボ挑戦について

途方も無い距離に思われたが、エリアを大まかに区切って考え、コツコツ走ると意外になんとかなった。場所が変わり、新しい景色、新しい道が見えてくるため、同じ場所を走り続けるよりも気が楽だったが、知らない土地で、暗い夜道をたった一人、ナビと青看板に頼って走るのは精神的にだいぶ辛かった。

挑戦してみて、ルート設定もさることながら出発時刻や挑戦時期も重要だと感じた。気持ちが萎えて集中力を切らしてしまうと一気にペースが落ちる。
ナイトランはストレスが溜まりやすいので、明るい東京大阪の市街地を夜走るプラン、すなわち真夜中出発真夜中着が良さそう。
交通渋滞も無く、市街地の移動ペースもあがる。ただし、宿泊や帰宅に際しては問題がある。
また、夜間走行中、補給で止まる度に体が冷えてしまったので、達成を狙うなら夜間でも冷えすぎず、かつ昼間も暑くなりすぎない時期を狙うべき。

持っていくかどうか迷ったウエストバッグは活躍した。摩擦や重さは気にならず、バックポケットが増えた感じで使い勝手が良かった。GPSロガーもここに入れていた。

走行後の身体へのダメージについて

乗車中、腰痛は全く出なかった。首は下ハン握って前傾を深くすると軽く痛む程度。座骨の痛みは若干あるが、十分に我慢できる程度。
ただ、サドルに接する尻の皮膚がサドルとの摩擦で炎症を起こして痛い。
手は、ハンドル肩部分でダブルタップのシフトワイヤーに圧迫されて、両手の薬指と小指、手のひらが痺れて感覚がない。左の方が重症。

筋肉は、ハムと大臀筋が最も痛む。普段、ハイペースで走ると真っ先に筋肉痛になる大腿四頭筋はさほど疲労してない。思うに、膝をかばって踏み脚を抑えていたせい。
刈谷~浜名湖あたりで痛み始めた右膝内側は、トルクを掛けると結構痛む。このせいで、キャノボ挑戦後、1ヶ月ほどは自転車に乗れなかった。
左膝にはほぼ痛みは無く、他の関節は完調だった。

走行記録

GPSロガーのデータ

  • Dst        548.4km
  • Time      26h59m
  • Ave        20km/h

サイコンのデータ

  • Dst        548.4km
  • Time      19h52m
  • Ave        27.5km/h
  • Max       65.5km/h

改めて振り返って(2020)

改めて挑戦を振り返ると、よくこれで達成する気だったな、という感想。

ルートの予習が雑だし、補給も行きあたりばったりで休憩のロスが多い。そもそも、膝痛が出た時点で降りるべきだった。

でもまぁ、そういうところも含めて、いい思い出にはなった。
その後はレース漬けになって夏も冬も走り回っているので、再挑戦は当分無いと思うのだけど、もしまた走るなら湯河原ルートで達成を目指したいな。

そういえばもう一点、今思い返すとありえないと感じるのは東京からの帰り。

青春18きっぷで9時間以上。
問題の湯河原を横目に通過したり、結構思い出に浸れたのだけど、
いつまでたっても静岡を抜けられなくて、静岡県が嫌いになった。