2023年 買ってよかった自転車用品

2023年1~12月に買った自転車関連グッズのうち、買ってよかったと思ったものをピックアップ。

コロナ禍も落ち着いた今年。イベントも再開され、かつての生活スタイルがだいぶ戻ってきたこともあって、
バイクを1台、ホイールを1セット、ガーミンを3台、アクションカメラを4台、その他諸々…と、なかなかに散財した。コロナ中に増えた貯金がパーだ。

なお、去年はすっかり忘れていて、この特集をやっていない。2021年はこちら

ロードバイク Cannondale SuperSix EVO Hi-MOD

今年最大の買い物。この1台で、ロードバイクに対する認識が大きくアップデートされた。

高性能・高価格化するロードバイクのことをスーパーカーだなんだと言っていたが、実際に乗ってみると、化け物じみた速さだった。

第4世代のSuperSix EVOは、軽さと空力を両立させたオールラウンド系エアロロード。2023年頭に発売されたばかりの最新鋭機だ。
フレーム形状制限が緩和された新UCIルールにあわせて開発され、シートピラー周辺は極薄。三角形のフォークコラムを採用してまで細くしたヘッドチューブとあわせて、高い空力性能を実現している。

フレームは高剛性だが、ただ硬いだけではなく、MTBやグラベルバイクで培ったノウハウが注ぎ込まれている。
フロントエンドは力を逃さない一方で、リヤ三角は柔軟な造りになっており、後輪の衝撃を吸収しつつ、トラクションを路面に伝える。

完全にレース向けの性格で、大出力・高速域でかっ飛ばしてこそ値打ちのあるバイクだ。

ディスクブレーキ、エアロフレーム、12s セミワイヤレスのアルテグラDi2、カーボンホイールにワイドなチューブレスタイヤと、最新スペックてんこ盛りの1台。

決して安くない費用を支払ったが「フィジカルが高いレベルにあるうちに、速いバイクに乗っておくべきだ」と、購入に踏み切った判断は間違っていなかったと思う。

スーパーシックスエボのようなレースバイクは、乗り手にも相応のフィジカルを要求するが、サイクリストとしてそれなりのレベルにある現在なら、このバイクの「楽しい領域」に踏み込める。
だが、例えば10年後、スマホ乗り換えくらいの感覚で100万のバイクを買える小金持ちになっていたとして(ありえないだろうけど)、衰えた体では(対して衰えてないかもしれないけど)硬いレースバイクを踏み切れないかもしれない。

…今乗らなければきっと後悔する

https://skmzlog.com/2023-cannondale-supersix-evo/

その後、専用のステム一体型ハンドルに交換して完全体となった。MOMO DESIGNの文字が眩しい

スマートウォッチ Garmin Forerunner 965

Forerunner 955 Dual Power, Edge 840 Solarとあわせて、今年はガーミン製品を3台購入した。その中で、最も満足度が高かったのがスポーツ向けガーミンウォッチの最上位モデル Forerunner 965だ。

スペック的にはForerunner 955と同様「全部入り」で、高度なライフログ記録、高精度GPS、パワーメーターなど、ほぼすべての機能を網羅している。
ボディは955より若干大きいが、腕に巻いた際のフィット感はこちらが上。ディスプレイ周囲にはチタン製のベゼルリングが備わる。

最大の特徴はディスプレイだ。ほとんどのガーミンウォッチは消費電力の少なさを優先してMIP液晶を採用するが、Forerunner 965のディスプレイは高精細なAMOLED(有機EL)
解像度が高く発色も良い。単に美しいだけでなく視認性も高く、たとえば「地図が見やすい」というのは大きなメリットのひとつだ。

画面を常時表示にするとバッテリーライフが1週間程度で、余裕を考えると週2回の充電が必要ではあるが、ディスプレイの見やすさを考えると許容できる。

若干ソフトウェアの不具合が残っているので、その点だけなんとかしてほしい。

アクションカメラ GoPro Hero 12

今年、アクションカメラは4台購入した。
YouTubeで活動する上でカメラは必須…とはいえ、流石に買いすぎである。

  • DJI Osmo Action 3
  • Insta360 GO 3
  • DJI Osmo Pocket 3
  • GoPro Hero 12

この中で最も満足度が高かったのは意外にも、半ば義務的に買い替えたGoPro Hero 12だった。

これまで、シクロクロスレース動画の撮影にはGoPro Hero 9(2020年購入)を使用していた。

DJIやInsta360など、各社アクションカメラを一通り所有しているが、シクロクロスのような過酷な環境で使うなら、GoProが第一の選択肢となる。
ボディやボタンの作り込みを見てもハードウェアのタフさが伺えるし、手ブレ補正のスムーズさや、マイクの音質(風切り音耐性)も魅力だ。

ハードウェアと対象的にスマートフォン用ソフトウェアの出来は酷いもので、特にカメラからスマホへの転送の遅さは致命的。Insta360と比べて10年遅れているといっても良い
帰宅後MicroSDのデータをPCに読み込んで、じっくり編集する使い方が基本のアクションカメラと言える。

そんなGoProの新型をブラックフライデーセールで購入。「Hero 9に不満はないけど3年使ったし、そろそろ買い替えるか…」という消極的な動機によるものだ。単に散財したかったというのもある。

GoPro Hero 9と12でボディ形状は全く同じだ。バッテリーもアクセサリも共通のものが使用できる。
公式サイトやレビューでは、相変わらず画質向上(解像度やフレームレート)がアピールされているが、YouTubeならHero 9の画質で十分。私の考えるHero 12の値打ちはそんなところではない

魅力のひとつは映像のアスペクト比だ。Hero11以降の機種は、正方形に近い8:7のセンサーを採用している。
8:7で撮っておくと、YouTubeなら横長の16:9、SNSにシェアするなら縦長の9:16と、トリミングすることで様々なアスペクト比に対応できる(もちろん、16:9で撮影することも可能)。
また、チェストマウントで撮影時「向きが悪くて地面しか映っていない」という状況でも、Hero 12ならトリミング範囲をズラし、多少のリカバリーが効く。

Insta 360 GO2も似たようなことが可能で、YouTubeにInstagramに…と素材を使い回す上で重宝していたので、これは歓迎すべき仕様だ。

また、ファイル周りの仕様も改善された。GoProは非常に大きなファイルサイズになるが、Hero 12では可変ビットレートに対応
シーンの複雑さに応じてビットレートが変動し、画質を犠牲にすることなくファイルサイズを抑えられるようになった。

HERO12 Black:各ビデオ設定におけるSDカード容量

SDカードに収まる録画時間は、解像度、フレームレート、ビットレート、SDカードの容量に応じて違ってきます。高ビットレートのビデオのほうが低ビットレートのビデオよりも、カメラがシーンから集めるデータの量が多く、必要とされるストレージ容量がそれだけ増えます。従来のGoProカメラでは、「高」または「標準」を選択した場合のビットレートはほぼ一定でした。HERO12 Blackのビットレートは、録画しているシーンの複雑さに応じて大きく変動します。カメラのエンコーダーが向上しており、可能な場合には画質を犠牲にすることなくファイルサイズを抑えられます

HERO12 Black:各ビデオ設定におけるSDカード容量 GoPro

また、4GBごとにファイルが分割される仕様も変更された。無制限というわけではなさそうだが、10GBちょっとなら1ファイルになる。今までファイル結合していた手間を思うと、これは便利だ。

そうそう、本体下部に三脚ネジ穴(1/4インチ)が搭載された。地味だが有用なアップデートだ。

エアコンプレッサー EARTH MAN ACP-13B

チューブレスタイヤのビード上げのために購入。

今まではフロアポンプ+チューブレスタンクでビード上げしてきたが、ポンピングの労力は馬鹿にならない
ビード上げに失敗すると何度も繰り返すことになるし、ホイール4本分のタイヤを交換した翌日なんて、確実に筋肉痛だ。

真冬でも汗だくになるビード上げ。そんな重労働は機械にやらせるべきだ

…ということで、(置き場所を確保できず渋っていた)エアコンプレッサーをついに購入した。

ビード上げだけならタンク10Lもあれば十分だが、エアブロワーを使ったり…という用途も考慮して、13Lのモデルを購入した。

70dbの静音仕様で、コンプレッサー動作中は掃除機(強)くらいの音量だ。
タンクが空の状態から4分弱で0.7MPa(7bar)に達して、コンプレッサーが停止。エアを使用して内圧が0.5MPa(5bar)を下回ると再始動する。

アタッチメント部には、自動車用のタイヤゲージにヒラメポンプヘッドを取り付け。引き金を引くだけでエアが送り込まれる。
ホースは、写真のようなコイル状のタイプがおすすめだ。

チューブレスタイヤのインストール作業は圧倒的にラクになった。高圧の空気を大量に送り込めるのでビードを上げやすいし、もし失敗してもコンプレッサーが再び空気を貯めてくれる。

細いロードタイヤの場合は内圧が足りないこともあるが、28~30cの太いロードタイヤ、あるいはCXやグラベルバイクだと普段の空気入れにも使用できる

今回購入した製品は価格2万円弱。実はチューブレスタンク付きフロアポンプより安い
同クラスのコンプレッサーは1万円代前半から見つかるが、「静音」をうたっていないものは民家屋内での使用に耐えない爆音なので、少し高くても静音仕様をおすすめする

2024年の散財計画

「レビューネタに…」「動画撮影で必要なので…」と理由をつけてはついつい散財してしまった2023年。
その中でも、特に気に入った4点を紹介した。

欲しいものは大体買ったのではないか?と思うが、2024年も魅力的な製品が発売されるのだろう。

特に今すぐ購入予定のものは無い(あれば既に買っている)のだが、スーパーシックスエボ購入のタイミングでグレイルを手放してしまったので、CXシーズンが落ち着いたらグラベルバイクを買いたいな。
トレイルライド向けの、ちょっとストローク長めのMTBも欲しい。

…来年も貯金は難しそうだ。