昨年6月にCannondale SuperSix EVO Hi-MODを買ってからまだ1年経ってないが、走行距離は5000kmを超えた。
ダンシングのたびにギシギシ軋み音もするようになったので、ヘッド周りを分解し、ベアリングの状態確認とグリスアップを行った。
第4世代SuperSix EVOは、ケーブルをフル内装しつつ前面投影面積を削減するために、三角形断面のフォークコラム「デルタステアラ―」を採用している。
ベアリング径は上1-1/8、下1-1/4。ハンドルの切れ角制限が無いうえ抵抗も少なく、自然なハンドリングが可能…なのだが、おかげでヘッド内部はだいぶ混雑している。
まずはトップキャップを外す。
ハンドルクランプ部にはカマボコ状のスペーサー(ピンク色の部品)を挟んで外形を真円にしている。市販のアヘッドステムを取り付けることも可能だ。
問題はここから。ステムのクランプボルトを緩め、ベアリングにアクセスするのが一苦労だ。
このバイクはセミワイヤレス変速だが、フル内装のブレーキホースは長さに余裕がない。コラムの端っこギリギリを軽くクランプして作業する。
10mm分積んだコラムスペーサーを抜き取ったら最低限の作業スペースは出来たが、ステムガン付けでポジションを出している人は厳しいかもしれない。
以前レビューで触れたように、アッパー側のヘッドベアリングは剥き出しで、カートリッジベアリングのゴムシールに防水を頼っている。
アッパー側の規格はIS42で、タンゲの1-1/8カートリッジベアリングが入っていた。外周に軽くサビが浮いていたが、回転はスムーズで内部は問題なさそう。
汚れたグリスを綺麗に拭き取って、シマノプレミアムグリスを盛っておいた。
続いてロワー側のベアリング。こちらは大きな荷重がかかる上、タイヤが跳ね上げた水が掛かって痛みやすい。
ベルクロバンドでフレームを引き上げて作業空間を確保し、ベアリングにアクセスする。
ロワーベアリングのサイズは1-1/4インチ。IS47規格だ。
こちら側のベアリングには一切刻印が無かった。ただ状態は良く、回転に問題なかった。
アッパー側と同様、防水・防塵のためにグリスを塗り込み、余分を拭き取ってから組み付け直す。
上下ベアリングとも異常はなく、結果から言うと開ける必要はなかったかもしれないが、予防整備できたと思うことにしよう。
最近のエアロロードは整備しにくいからこそ、こまめなチェックが重要だ。
もしベアリング交換する事態になったら、前後ブレーキホースを切り離し、ヘッド周りを完全分解したあと組み直し。おそらくブレーキホースの長さが足りなくなるため新品交換が必要。となるとBBも外したほうが作業しやすいし、ほぼオーバーホールの重整備となる…
そういえば、ダンシング時の異音も消えていた。ワイヤーが当たっていたのか、スペーサーが軋んでいたのか原因はわからないが、また気持ちよく乗れる。