シクロクロスシーズンもいよいよ大詰め。関西CX最終戦 桂川に出場した。
前日には京都市内に積雪があり、コースコンディションが懸念されたものの、当日午後はほぼドライに。
E1レースでは表彰台に加え、最終戦までもつれこんだ総合ランキングを争う展開となった。
2/9 関西シクロクロス第10戦 桂川 E1
天候:晴れ 10度
コースコンディション:グラウンド+土 ドライ
リザルト:3位/72名(11周回 +1:48 順位4% フルラップ完走29名)
機材
TREK Boone 1号車
- 前輪: Nepest MAUI 45 / Panaracer CGCX + Insert / 1.6bar
- 後輪: Nepest MAUI 45 / Panaracer CGCX + Insert / 1.6bar
※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準
コースとセッティング
関西シクロクロス「千秋楽」が桂川に帰ってきた。
昨年は二色浜で行われた最終戦も悪くなかったが、やはり毎年定番の桂川がしっくりくる。
会場は京都市内、高速道路でのアクセスが良好なことも手伝って、エントリー数は合計1000名に迫った。
しかし、前日に寒波が襲来。金曜の夜から雪が降り、土曜朝は京都市内に5cmの積雪が。会場は一面銀世界となった(らしい)。
関西~東海間の高速道路が軒並み通行止めになったり、交通への影響もあった。

昼には会場付近の雪も溶けたので、予定通りに前日会場入り。
晴れているかと思ったら吹雪いてきたり、不安定な天候だったが、雪が止んだタイミングで試走に出る。

桂川の河川敷に設営されたコースは、前半がグラウンド周囲を直線的に走る高速区間、後半は土手の高低差を活かし、タイトなコーナーとテクニカルなキャンバーが連続する中低速区間となっている。
例年通りのコースと言えばそれまでだが、キャンバーエリアのほうはコーナーのレイアウトや土手の使い方が毎年微妙に異なり、展開に影響する。
たとえば、タイトコーナーが連続するとテクニック重視のレイアウトになるが、コーナーを繋ぐ直線を長くとると、再加速のパワーが勝敗を分けるコースになる。
さて、前日試走では路面はウエット。とはいえ、想像していたほどドロドロではなかった。
レース当日は晴れ。朝方には気温が下がり凍結したため、午前の早いレースはマッドコンディションだったが、徐々に路面は乾き、E1のレースはほぼドライと言って良い状況になった。
昼試走でのタイヤ選択はフロントAlbit リヤCGCXだったが、
グリップが不安になりそうな場所は無いので、ストレートスピードを稼ぐためレース直前にセット変更。前後CGCX 1.6barで最終決戦に臨む。
関西CXポイントランキングの行方
レースレポートの前に、今シーズンのポイントランキングについて触れておく。
全10戦の総合ポイントで争われるランキングは、第9戦 堺浜を終えた時点で、トップ3が50点以内に入る接戦だ。
数レース欠場しながら、コンスタントに表彰台を獲得したコータ元プロこと横山航太がランキングトップ、そこから30点差で私、さらに20点差で村田さんが続く。
総合順位 | 選手 | チーム | 集計点 | 自乗点 |
1 | 横山 航太 | ペダル | 1120 | 181600 |
2 | 川村 誠 | チーム36隊 | 1090 | 135700 |
3 | 村田 憲治 | 岩井商会レーシング | 1070 | 138500 |
4 | 副島 達海 | 大阪産業大学 | 960 | 185600 |
順位に応じたポイントテーブルは以下のようになっている。
順位 | ポイント |
1 | 200 |
2 | 160 |
3 | 140 |
4 | 120 |
5 | 110 |
6 | 100 |
最終戦 桂川の結果次第で総合ランキングは変動する。
総合優勝の可能性
仮に、私が横山航太を下して桂川で優勝した場合、ランキングが逆転して総合チャンピオンを獲得できる。
…もっとも、はっきりとした実力差を覆して勝つのは難しいが。
なお、村田1位 横山3位の場合、今シーズンのチャンピオンは村田さんになる。
大接戦の総合2位争い
大接戦なのは総合2位争いだ。第3戦 美山で村田さんが優勝し、総合ポイントに大差をつけられたが、
それ以降の6レース、連続で1位差フィニッシュでコツコツとポイントを稼いで現在20点のリードだが、
村田さんが2位、私が3位の場合
この場合、私と村田さんの合計ポイントは同じになる。
この場合、自乗点(各レースのポイントを2乗し、足し合わせたもの)の順にランキングが決定される。
自乗点は上位入賞するほど大きくなるため、美山で優勝した村田さんが自乗点で上回り、総合ランキング2位は村田さんの手に渡る。
選手 | チーム | 集計点 | 自乗点 |
村田 憲治 | 岩井商会レーシング | 1230 | 164100 |
川村 誠 | チーム36隊 | 1230 | 155300 |
村田さんが3位、私が4位の場合
同様に、村田さんが総合2位となる。
選手 | チーム | 集計点 | 自乗点 |
村田 憲治 | 岩井商会レーシング | 1210 | 158100 |
川村 誠 | チーム36隊 | 1210 | 150100 |
つまり、私が総合2位を守り切るためには
- 桂川で村田さんより先着する
- 先着した村田さんが4位以下、かつ私が1番手差
どちらかの条件を満たす必要がある。
最終戦までランキング争いがもつれることは稀だし、自乗点で総合ランキングが決まるとか、今まで聞いたことがない。
レースレポート
ゼッケン1番、フロントロー中央付近のグリッドに入る。
スタートは今期一番うまくいき、先頭に飛び出す。ホームストレートは追い風なのでスピードに乗る。
とはいえ、この区間で前に出るメリットは皆無なので、3番手くらいに落ち着く。

オープン参加の松山海司が飛び出し、これを追うように横山航太が来た。
これに続くが、やはりテクニックとフィジカルには決定的な差がある。
キャンバーエリア後半で車間が開いてしまった。

予想通りの展開となった。海司とパックで走る横山航太に追いつくことはもうないだろう。
堀川滉太、私、コッシー、村田さんの4名で形成した2位パックでレースを進める。

私と村田さんは総合ランキングのために無駄に踏まない、動かない。
走行ペースが上がらないので、あの堀川滉太がパックを牽引する場面も。
一方、今日の村田さんは一切前に出ない。

パックの10秒ほど後方には、単騎で追走してくる中原ヨシ君が見える。
彼が追いついてきた場合、滉太との逃げを容認し、パック最後尾に潜んでいる村田さんを道連れに千切れるプランまで考えていた。
この場合、村田さんとの4-5位パックになって、勝敗にかかわらず総合2位を守れる。
逆転を狙う村田さんは当然容認しないだろうが、その場合、村田さんが引いて、私がツキイチという展開になる。追いついても、追いつけなくても美味しい。
結局ヨシ君は最後ひと踏みが届かず、2位パックには合流できなかった。
決定的な動きがないままレースが進み、レース中盤の6周目。グラウンドの折り返し後、コッシーが飛び出す。
キャンバーエリアに入ると持ち前のテクニックで数秒リードするが、コース端からシケインまでの区間で滉太が追い上げてキャッチ。
結局パックは振り出しに戻ったが、レース終盤に向けてパック内でのエネルギーが高まってきたのを感じる。
7周目、滉太が動いた。キャンバー区間でスルスルと抜け出すようにギャップが開き、私と村田さん、コッシーが数秒遅れて続く。
脚を使って追うべきかどうか、逡巡する間に差は決定的になってしまった。

11周回のレースも終盤の9周目、ここまでパックに食らいついていたコッシーがついに脱落し、3位パックは村田さんとの2名に。
このままでは前を引いて消耗するだけ。そろそろ勝負を仕掛けることにする。
今までは軽く流していたキャンバー区間のコーナーの立ち上がりで強く踏み込み、インターバルを掛ける。
もちろん一発では決まらないが、何度も繰り返して少しずつリードを築く。

10秒ほどの差を築き上げ、10周目へ。あと2周は脚で勝負。
勝ちパターンが見えた。
コーナーは堅実に、しかし踏むところはしっかり踏んで、単独3位でフィニッシュ。
久々の表彰台獲得、そして2024-25シーズンの総合2位が確定した。

レースを振り返って
いつもとは少し雰囲気の違う、総合ランキングの点数を計算しながらのレース。
一見すると地味だが、今シーズンの接戦を知っている人にとっては見ごたえある展開だったかと思う。
レースを振り返って、滉太を逃がした判断が正しかったかどうかの答えはまだ出ない。2位を狙えたかもしれない。
ただ、あくまでも総合争いに主軸を置いていたこと、3位表彰台と総合2位という結果を残せたことを考慮すると、少なくとも間違いではなかったと信じたい。

周回数 | タイム |
0周目 | 0分12秒 |
1周目 | 5分46秒 |
2周目 | 5分53秒 |
3周目 | 6分00秒 |
4周目 | 5分51秒 |
5周目 | 5分59秒 |
6周目 | 5分55秒 |
7周目 | 5分49秒 |
8周目 | 6分00秒 |
9周目 | 5分46秒 |
10周目 | 5分53秒 |
11周目 | 5分57秒 |
10月下旬からほぼ毎週レースが続く、例年通りのシーズンだったが、終わってみるとあっという間、
来季は久々に関西で開催される二色の浜 全日本選手権にフォーカスしつつ、関西ランキングも狙っていきたい。

とはいえ、シクロクロスシーズンはまだもうちょっとだけ続く。
来週は関西CX くろんどクロスに出場します。
人数制限が厳しく、過酷なエントリー争いが繰り広げられたくろんどクロス。
最速タイムでホールショット(受付完了まで0分28秒)を決めたので、レースでも勝てるように頑張ります。今年はまだ金のワッペン貰ってないし。
応援・撮影・サポートありがとうございました。