シクロクロスのジオメトリはメーカーによって大きく異なり、チェーンステー長についても420~440mmくらいの幅がある。
鉄号はスライダーエンドでチェーンステー長を調整できるので、415mm、425mm、435mmで乗り比べてみた。
415mmだとハンドルさばきでギュンギュン向きが変わり、ロードバイクのようにクイック。
ただし、切り込みは鋭い反面、バンクさせて曲がっている最中はちょっとナーバス。油断したら一気にグリップが抜けて転びそう。
あと、尻の真下から突き上げるような衝撃が伝わってきて、乗り心地は最悪。
435mmに伸ばすと、リヤがしなやかになったのを体感できる。
挙動も安定して、ハンドルを意図的に振ったり、ハードブレーキングやコーナーの立ち上がりで多少滑っても挙動を乱しづらい。バイクを倒すと、適度に舵角がついて曲がっていく。
乗りやすいけど、小回りは効かない感じ。ただ、ミスしにくいので疲労がたまるレース終盤はこのほうが良いかも。
極端なセッティングを試した後は間をとって425mm。市販車で割と多いチェーンステー長。
言うまでもないけどフィーリングはちょうど中間。
415,525,535mmそれぞれのセッティングで、練習コース5周(約700m)のタイムを図ってみたけど、どれも2分52~54秒で有意な差はなかった。
でも、タイヤ滑っても怖くない435mmが一番リラックスして走れたかな。鉄号の場合、430mmくらいにベストな長さがありそう。
チェーンステー長をいろいろ変えて乗り比べるのは今回フレームオーダーした目的の一つだったけど、思いの外違いが感じられて面白い。コーナーはもちろん、直線であっても後輪の位置が違うのがすぐ分かる。
出来る限り短いほうが良いんじゃないかとも思っていたが、外乱の多いオフロードだと、ある程度ホイールベース長さを稼ぐほうが走りやすいとわかったので満足。