ROTORのガーミンマウントが割れた。気に入っていた製品だけにショックだが、破損の原因を考察してみた。
ROTOR ガーミンマウントについて
今回破損したのは、アルミ削り出しのROTOR製アウトフロントマウント。
詳しくはレビューを参照してもらうとして、要点をまとめると、本品の特徴は以下の通り。
- アルミ削り出し
- 軽量
- Garmin台座とGoProマウントを備える
アームやクランプバンドは徹底的に削り込まれ、重量は33g、付属のGoPro台座を含めても49gと、かなり軽量に仕上がっている。
…結果的には、この軽さが仇になったわけだが。
使用状況
サイクルコンピュータはGarmin Edge 530(78g)、GoPro台座には、CATEYE GPブラケット(7g)を介してCATEYE VOLT800(140g)を吊り下げていた。
これらを合計した230g近い重量を、片持ちのアームが支えていたことになる。
ロードバイクで使用していたが、練習ではレースペースで走るので、かなり強い振動が加わる状況だったと思う。
ROTORマウントは新品購入品ではないが、購入時の状態を見る限り、あまり使用感はなかった。入手後の使用距離は8000kmほど。
破損状況
走行時、路面の凹凸を踏むたびにガーミンの画面がブレるようになった。
このときはクラックが入っているだなんて思いもしなかったが、改めてマウントを確認すると、ガーミン台座付近にピシッと割れ目が入っていた。
マウントのレビューには
ただ、Edge530 + GoPro Hero9という組み合わせではアームの剛性が不足するようで、段差などで少し振動する。軽量化しすぎたな…
【レビュー】ROTOR ガーミンマウント
GoProには強力な手ブレ補正機能があるため動画は綺麗に撮影できたが、この状態で長期間使うと、金属疲労でアームにクラックが入るかもしれない。
と書いていたが、予想したとおりになった。
原因の考察
このマウントが折れるとすればアーム部分だと予想していたが、実際はガーミン台座付近にクラックが入った。
そこで、プラスチック製のガーミン台座を外してみたところ、破損の様子が見えてきた。
ROTORマウントは、十字形の部材にガーミン台座とGoPro台座をネジ止めする構造になっている。
つまり、230gの荷重はすべてこの十字部分、もっと言えば、十字の上・左・下で支えることになる。
路面からの振動でマウント部がねじるような変形が起こり、繰り返し応力が加わり続けた結果、最も肉厚が薄い部分が疲労破壊するに至ったのだろう。
アルミには疲労限度がない、つまり、どんなに小さな応力でも繰り返しいずれは破壊に至る。
仮に、もっと軽いガーミンやライトを取り付けていたとしても、いつかはクラックが入っていたはず。(それが5年後か10年後か、100年後かはともかく…)
そして新たなマウントを調達
まず、同じROTORマウントを持っていて、幸いにもまだ割れていない人は、ライトを吊るすのをやめたほうがいい。
ガーミン単体ならマウント重量は3分の1になる。これだけ軽ければ、実用上問題ない程度の耐久性が得られるはずだ。
私はというと、割れてしまったものを修理するのは難しいため、新たなマウントを導入した。
CATEYEの鍛造アルミマウント OF-200。まーたキャットアイ流用だよ。何度目だよ。
アームは頑丈で、パーツ組み換えで右出し・左出しを選択可能。GPブラケットも付属する。
ただし、CATEYE製サイコン専用なので、ガーミンを取り付けるためにはアダプタが必要。
ゆるふわーくすの「アウトフロントブラケット2用社外サイコンアダプター」を使うのが定番となっている。
…だが、台座部分だけ持っていたので、適当なアルミ板で自作。このほうが少しだけスタックハイトを薄くできる。
t2のアルミ板を切り出して、ドリルとヤスリで製作。…なんだかんだで1時間以上かかったので、よほど暇な人以外は買った方が良い。
ハンドル右側にはサテライトスイッチやシフトインジケーターがあるため、アームを左出しにして取り付け。
アームには厚みがあり、剛性は極めて高い。重量級のRN1500を吊り下げて荒れた道を走っても、ビクともしない。
マウント重量は66g(GoPro台座含む ただしGPブラケットは除外)。だが、17gの重量増でこれだけの安心感が得られるのなら不満は無い。
今回のROTORマウント破損で、過度な軽量化は強度・剛性・耐久性が犠牲になることを改めて実感した。