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EFが乗るSuperSix EVO LAB71が実はHi-MODだった件

2024シーズンにEF Education-EasyPostが使用する、Cannondale SuperSix EVO LAB71のチームレプリカが発売された。

SuperSix EVO(第4世代)は、2023年にリリースされた、新UCIルール準拠のロードバイクだ。
軽量性と空力を両立し、平地も登りも戦えるバイクになっている。

今回のチームレプリカは、SuperSix EVOラインナップ中最上位、重量770gの「LAB71」フレームに、MOMO DESIGNコラボレーションのSystemBar R-ONEハンドルVision Metron60 SLホイールFSA Powerbox K-Force Team Editionクランクセットなどがアッセンブルされる。コンポは当然R9200系デュラエースDi2だ。

限定販売で、日本国内に割り当てられた台数はわずか12台。価格も220万円(税込)と「200万円の壁」を突破してきたハイエンドバイクだ。

人力の乗り物に200万円。やれオートバイが買える、クルマが買えると言われるが、自転車のいいところは「プロと全く同じ機材に乗れる」ということだ。ロードレースファンで、自身もシリアスサイクリストなら、このバイクに乗ってみたいと思うだろう。

ところが、EF Education-EasyPostが乗るバイクは、実はLAB71ではないという。

販売店向けの説明会で触れられたらしいのだが、EFに供給されているバイクは、セカンドグレードのHi-MODに、LAB71のペイントを施したものらしい。
この件について、独自に裏を取ってみた。

まず、SuperSix EVOには「LAB71」「Hi-MOD」「Std-MOD(無印)」の3グレードが用意されるが、金型は共通。つまりフレーム形状は全く同じだ。
使用する炭素繊維の種類で差別化されており、主に重量が異なる。

グレードフレーム重量(56サイズ塗装済)フレーム価格
LAB71770g85万円
Hi-MOD810g62万円
Std-MOD930g完成車販売のみ

したがって、見た目でグレードを判別することは不可能だ。
そこで、フレームのUCI認証コードを頼りにする。

競技の公平性と安全性を担保するため、UCI(国際自転車競技連合)は公認レースに使用できるフレームを審査し、基準を満たすフレームには認証コードが記載されたステッカーが貼り付けられる
このコードを確認できれば、フレームを特定できるというわけ。

私が所有するSuperSix EVO Hi-MODには、ダウンチューブ上面の目立つ場所にUCI認証コードが貼り付けられている。ご覧のように、コードは「CANN-S6HM」だ。

SuperSix EVO Hi-MODは「CANN-S6HM」

次に、CannondaleのWEBサイトでLAB71のコードを確認すると「CANN-S6SL」

SuperSix EVO LAB71は「CANN-S6SL」

で、EFのチームバイクにどちらのコードが記載されているかが問題だ。
末尾が「S6SL」ならLAB71、「S6HM」ならHi-MODということになる。

オフィシャルな写真や動画は無いものかと思ったら、あっさり見つかった。

The Power of One | Cannondale x EF Pro Cycling | 2024 LAB71 SuperSix EVO

動画の冒頭でチラッと映ったチームカラーのフレームには、はっきりと「CANN-S6HM」のコードが読み取れる。つまり、Hi-MODであることがわかる。
この動画、何回も見てるのに、今まで気づかなかった…

他の動画もいくつか確認したが、すべてHi-MODだった。

実際のところ、プロチームへのサポートはフレームセットで100本以上必要になるそうで、生産の都合からLAB71はコンシューマ市場向けが優先され、チームにはHi-MODが供給されている、という事情のようだ。

この話を信じるなら、やっぱり3グレード展開はキツいんじゃないだろうか。キャニオンは3グレード(CFR, CF SLX, CF SL)を用意してるけど、スペシャもトレックもジャイアントも2グレード展開だ。

なおLAB71のフレームは770gで価格85万円。Hi-MODは810gで62万円。40g削るのに23万円…

コスト的に結構厳しいのではないかとか、プロ選手のパワーではHi-MODのほうがフィーリングが良いのではないかとか、いろいろ邪推してしまう…

実はこういう話はしばしば聞く。一昔前は、プロ供給用フレームは市販品とは別物で、重たい代わりにより高剛性になっているなんて言われていた。

理由はともかく、Hi-MOD乗りとしてはちょっと嬉しい話なのであった。

負け惜しみじゃないけど、デザインはこっちのほうが好きだし。
MOMOハンドルとトップチューブのフォージドカーボン模様がつながるのはHi-MODだけ。

トップチューブの化粧に使われてるフォージドカーボンで重量増えてるんじゃねえか?とも思うけどw

ところで、ついでにStd-MODのUCIコードも調べたら「CANN-S6EV」だった。これでキミもキャノンデールオタクだ。

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