GarminやWahoo、BrytonといったGPSサイクルコンピューターを使い、ライド中の各種データ確認やログ記録を行うサイクリストは多い。
これらの製品の多くは、本体を90度ひねることで脱着できるマウントが採用されているが、走行中手が当たったり、転倒時など大きな衝撃が加わった際、意図せず外れてしまうことがある。特に非純正の社外マウントは固定が甘い場合も多い。
メーカー側もこの問題は認識しているようで、Garmin Edgeシリーズには伸縮性のストラップが付属する。これをステムやハンドルに通すことで命綱とすることで、万一外れた際にもデバイスの破損や紛失を防げる。
シクロクロスやマウンテンバイクなど、大きな振動や衝撃が加わり、頻繁に転倒するような使い方では必須である。
ただ、駐輪するたびにガーミンを取り外す場合、脱着が少々めんどくさいし、走行中も余ったストラップがブラブラして見た目が悪い。
そこで、ワンタッチで脱着でき、かつ目立たない脱落防止クリップを製作した。
簡単に脱着できる「命綱」
本品は、ストラップホールがついたGPSサイクルコンピューターと直径31.8mmのハンドルバーに対応する脱落防止クリップだ。熱溶解積層方式の3Dプリンタで製作。素材はABS樹脂を使用している。
装着は簡単で、C時型のフックをハンドルにパチンと嵌めるだけ。
しかし、フックの形状を工夫しているため、ストラップを引っ張っても自然に外れることはない。
※ただし、ブレーキ・シフトアウターが引っかかってフックの回転が妨げられると外れる可能性がある。
ゴム製ストラップのように走行中プラプラしないし、幅5mmと細身で目立たないため、バイクの美観を崩さない。
一方、強度は十分に確保している。フック部分については、フォースゲージで簡易的に引張試験を行ったところ、
- 塑性変形するまで 40N(4.1kgf)
- 外れるまで 50N(5.1kgf)
であった。
むしろ、ポリウレタン製のコイルストラップが先に切れる。
こちらも引張試験を行ったところ、以下の結果となった。
- コイルが伸び切るまで 4.9N(0.5kgf)
- 切れるまで 17.6N(1.8kgf)
なおストラップは市販品だが、国産のパーツを使用している。
Edge 840 Solarの重量は89g。シリーズ最重量のEdge 1040でも133gなので、サイクルコンピュータの脱落防止としては十分すぎるくらいだ。
重量はストラップ込で1個2.4g。寸法は以下画像を参照いただきたい。
注意点
本品は、GPSサイクルコンピューターの脱落防止を目的に設計・製造されているが、これを保証するものではない。
数カ月間の実使用テストや実験では脱落することは無かったが、衝撃の大きさや加わり方、使用状況によっては外れる可能性もある。
また、使用されているABS樹脂は家電のリモコンや携帯ゲーム機等に広く使用されている素材だが、紫外線で徐々に劣化する特性を持っている。
長期間(数年)使用すると強度が低下し、割れるおそれがある。
ストラップについても経年劣化するため、損傷がないか、定期的なチェックをおすすめする。
入手方法
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