グラベルタイヤのスタンダード「パナレーサー グラベルキング」が10年ぶりにリニューアル。
完全新モデル「X1」が追加されたほか、従来モデルもアップデートされ、徐々に熱を増すグラベルライドシーンの「次の10年」も頼れるタイヤとなった。
リニューアルのポイント
今回リニューアルした点を箇条書きにまとめると、以下のようになる。
- 完全新規モデル「X1」が追加
- 従来のトレッドパターン3種も継続ラインナップ
- スタンダード、プラスに加えて、軽量グレードの「R」を追加
- 全モデル・全グレードに新型ケーシングとコンパウンド採用
- ビードの上げやすさを大幅に改良
- タイヤ幅のラインナップ整理(減ったわけではない)
新モデル「GRAVELKING X1」
従来のグラベルキングは、
- スリックパターンの GRAVELKING(無印)
- 細かいノブが設けられた GRAVELKING SK
- センタースリックの GRAVELKING SS
という3種類だったが、今回のアップデートではこれらに加えて新パターンのGRAVELKING X1が追加された。
つまり、合計4種のトレッドパターンで展開されるということだ。
GRAVELKING X1は従来のラインナップを穴埋めするものではなく、この10年間で培ったノウハウをもとに、オンロード、オフロード、グラベル、マッドまで、多様な路面コンディション、多様な乗り方に対応できる製品となっている。
トレッドパターンの雰囲気は、シクロクロスタイヤ CGCX TLRと類似したものを感じる。
センター部分は広い面積のノブが密集したパターンで抵抗を減らしている。特に舗装路での転がりが期待できそうだ。
一方サイドはブロック状のノブが配置され、ルーズな路面でもグリップしてくれそうだ。
CGCXはそのスピードが魅力で、ドライコンディションのシクロクロスレースでは愛用している。
GRAVELKING X1の実走テストが楽しみだ。
構造を一新し スタンダード・プラス・Rの3グレード展開
リニューアルということで、コンパウンド(ゴム)とケーシングは一新された。
コンパウンドはグラベル専用に開発された「ZSG GRAVEL Compound」を採用し、従来モデルより転がり抵抗を低減。もちろんグリップも確保している。
※26c,28cはZSG ARコンパウンドを使用
また、新素材を使用した「TuffTex」ケーシングを採用し、よりしなやかな特性を得て乗り心地が高められている。
従来のグラベルキングシリーズは、標準モデルと耐パンク性を高めた「+」(プラス)の2グレードだったが、今回はより軽くしなやかな「R」(アール)が追加され、3グレードとなった。どんだけ種類増やすねん。
- スタンダード…標準モデル
- +(プラス)…耐パンク性、特にサイドカット耐性を強化したモデル
- R(アール)…軽さとしなやかさを重視した上位グレード
フロアポンプで簡単ビード上げ
現行グラベルキングは設計が古いこともあり、リムとの相性によっては空気が漏れてビードが上がりにくいこともあったが、
新型グラベルキングでは、ビード周りの設計を見直した「BeadLock」テクノロジーを採用。フロアポンプで難なく上がることを目指している。
全てのホイールとの組み合わせで確実に上がるとは保証できないが、少なくとも先行して提供されたタイヤを手元のホイール(Yoeleo SAT C45)にはめてみたところ、たしかにフロアポンプだけでビードが上がった。
試しにシーラントも入れずそのまま放置しているが、1~2日程度なら空気圧を維持できている。
今後はタイヤ取り付け時の労力が減りそうだ
…せっかくエアコンプレッサー買ったのに。
あらゆるシーンに対応する膨大なラインナップ
グラベルキングといえばその種類の多さが特徴だ。
パナレーサーの担当者には事あるごとに「グラベルキングの種類多すぎでしょw」なんて言っていたのだが、
今回、X1発売によってトレッドは3→4種類に、グレードも2→3種類に増加。まるで反省していない。
太さは、従来の38c,43c,45cが40cと45cに整理されたものの、それでも26cから最大50cまで(700cホイール用)、文字通り幅広く展開される。
黒・茶の2色展開が基本だし、650B用のものもあるので、膨大な種類になる。
もう数えるのも嫌なくらい多いので、下表を参考にしてほしい。
価格は以下の通り。
新型グラベルキングは、2024年3月1日に発表。同日より販売が開始される。
また、Amazonでも既に取り扱いが始まっている。