OGK KABUTO NB-02
OGKカブトの低価格アイウェア「NBシリーズ」のひとつ。4カーブレンズを採用しており普段遣いのメガネとしても使いやすいが、視界の広さや目を覆うフレーム形状といった、スポーツサングラスの特性も兼ね備えている。
評価 ★★★★☆
購入価格 5000円+度付きレンズ約10000円
長所 -Pros-
- アイウェアとして安価
- 4カーブレンズ採用でメガネとしても使いやすい
- 目を保護しつつ広い視界を確保
短所 -Cons-
- ヒンジのネジが緩みやすい
- ノーズパッドの劣化が速い
低価格ライン「NBシリーズ」
自転車・バイク用ヘルメットを製造販売する国内メーカー OGK KABUTO。
同社のヘルメットは日本人の頭に合わせた形状でフィット感が良く、実測重量以上に軽く感じるため、普段の通勤からレースまで、毎日愛用している。
そんなOGK KABUTOだが、アイウェアもラインナップしている。その中でもコストパフォーマンスを重視した低価格ラインが今回レビューするNBシリーズ。
NBシリーズは、スポーツサングラスらしい8カーブレンズを採用したNB-01、カジュアルライドに、あるいはメガネとしても使いやすい4カーブレンズ採用のNB-02, NB-03の3タイプが展開されている。
価格は各5000円(税別)とリーズナブルだが、決して安物ではない。
フレーム素材は上位モデルと同じく、強度や耐候性に優れたグリルアミドTR90を採用。レンズもポリカーボネート製だ。
一方でヒンジ構造をシンプルにしたり、テンプル(つる)とノーズパッドを共通部品としてコストダウンを図っている。
私が購入したのはNB-02。これに度付きレンズを入れて、普段用のメガネとして使用する。
NB-02
価格:\5,000(税別)
日常にも溶け込むデザインに遮光・防塵機能を盛り込んだ、
OGK KABUTO NB-02
「ライフスタイル×スポーツ」 スクエアレンズモデル。
4カーブレンズで広い視野を実現
レンズの湾曲度を示す指標として「カーブ」というものがある。
普通のメガネに使われる平面的なレンズは2~4カーブレンズ。これに対して、スポーツサングラスはお椀型に湾曲したハイカーブレンズ(6~8カーブ)を採用しており、広い視野、そして高い保護性能を実現している。
NB-02は普通のメガネに近い4カーブレンズを採用している。
レース用のアイウェアにはハイカーブの度付きレンズを入れているが、慣れるまで違和感があるうえ、非常に高価(レンズだけで数万円)だ。
その点、4カーブレンズを採用するNB-02は見え方に違和感が少ない。また、レンズの価格も安く済むため、メガネ全体として費用を抑えることができる。
もちろん、スポーツ用のアイウェアとして考えた場合、4カーブレンズにはデメリットもある。
まずは視界が狭いことが挙げられる。また、レンズカーブと顔のカーブがフィットしないため目尻に隙間ができ、ここから日差しが入って眩しく感じたり、スピードを出して走行すると風を巻き込んだりする。
対策として、NB-02は大型のレンズを採用するとともにレンズの反り角を大きめに設計し、2枚のレンズをハの字に配置している。さらに、フレーム両サイドがフード状の形状になっており、日差しや風の巻き込みを抑制している。
こういった工夫により、(本格的なハイカーブのアイウェアには劣るとはいえ)一般的なメガネに比べるとずっと快適に使える。
注意点としては、反り角が大きなフレームの場合、角度に合わせて度数を補正しなければ見え方に違和感が出ることがあるということ。そのため、特に度数が強い場合は、スポーツグラスに強い店で購入することをおすすめする。
今回はRUDY FOTONYKの時と同じ「眼’z」さんで製作・調整してもらった。ハイカーブ・強度数のアイウェアをいくつも手掛けているお店なので、4カーブなんて朝飯前。長時間のデスクワークでも目が疲れることはない。
なお、特殊なレンズは使用していないが、レンズが大きいためアップチャージが必要だった。それでもフレーム+レンズで15000円ほどに収まった。
調整可能なノーズパッド
アイウェアで最も重要なのがフィッティング。顔の形に合わず、ズレたり痛みが出るようでは、どんな良いレンズが入っていても使い物にならない。
レンズと眼球の位置関係を調整するのにあたって、調整できるノーズパッドは欠かせない。
NBシリーズは針金で調整可能なノーズパッドが装備されており、顔が平たく鼻の低い日本人でも最適なフィッティングが可能。
フレーム形状自体も日本人向けになっていたため、短時間で好みのフィット感に調整できた。
ただ、ノーズパッドの鼻に接する部分には小穴があいており、ここから汗や水分が侵入して傷みやすい。
交換用ノーズパッド「V-NOSE-14」は単品販売されており、価格も300円程度と安価なので、シーズンごとに交換したほうが良さそうだ。
なお、テンプル内側の滑り止めラバーも部品販売されている。こういったスモールパーツがすぐに手に入るのは嬉しい。
ヒンジの作りには不満
低価格ながら満足度の高い本品だが、上位モデルに対するコストダウンを実感してしまう部分もある。
フレームとテンプルを繋ぐヒンジの造りは、正直言って不満を感じた。
ヒンジは小さなタッピングネジで止められているのだが、作りが簡素で、メガネを何度も畳むとネジが緩んでグラつく。
コストダウンのためにこうせざるを得なかったのかもしれないが、もう少しこだわってほしかった。
対策として市販のネジ緩み止め剤を使用している。(プラスチックに使用可能なものを推奨)
実際の使用感
さて、NB-02は記事執筆時点で4ヶ月ほど使用を続けているが、普通のメガネと比べると視界が広くて快適だ。特に上下方向に広いので、上目遣いで前を見るときも、手元のサイコンに視線を落とすときもストレスが無い。
また、市街地走行では路駐を避けたり交差点を曲がったりと、振り返って後方確認する機会が多いが、反り角が大きいため横方向の視界も十分にある。フレーム両脇のフードが邪魔になるかと思ったが、これは殆ど気にならなかった。
風の巻き込みに関しては、ハイカーブレンズほどではないが十分に抑えられている。
峠の下りのような高速域でもしっかりと前を見ることができた。
まとめ:メガネとしても、カジュアルなアイウェアとしても
安価な製品ながらサイクリング時の使い勝手に配慮されており、日常的に自転車に乗るサイクリストが使うのにぴったりだと感じた。
ヒンジには改善の余地があるが、フレームは良い質感だし、国内メーカーならではのフィット感の良さもある。普段遣いのメガネとして、あるいはカジュアルライド用のアイウェアとしておすすめできる製品だと思う。
以下余談
無難な黒色フレームは面白くないと思ってマットクリアを選んだが、表面が梨地のため光が散乱してかなり明るく見える。仕事でも使うメガネとしては若干攻めすぎた…
追記 2022/8/22
→DIYでフレームを染め直した