Shimano R55C4 for Carbon Rim
シマノ純正のカーボンリム用ブレーキシュー。
(ちゃんとしたメーカーの)シューの中では最安値の部類だが、ブレーキフィーリングが悪く扱いにくい。
評価 ★★☆☆☆
価格
- 2251円(R55C4 カーボンリム用 1ペア Y8L298070)
- 2251円(R55C4-A -1mm厚 カーボンワイドリム用 1ペア Y8PP98060)
- 2649円(R55C4 カーボンリム用 2ペア Y8L298072)
長所 -Pros-
- 価格が安い
短所 -Cons-
- 制動力が不安定で扱いにくい
シマノ純正のカーボンリム用ブレーキシュー
リムブレーキのカーボンホイールを使う際には、カーボン専用のブレーキシューが必要になる。
定番は
- カンパニョーロ
- スイスストップ
- BBB
あたり。少し高くてもカンパニョーロを選んでおけば制動力でも耐久性でも不満が無いというのはわかっていたが、
大手メーカー製品では最安値、2セット入り(前後ブレーキ分)で実売2500円(※2022年春)のシマノ製カーボンブレーキシュー「R55C4 for Carbon Rim」を購入してみた。
制動力
ブレーキキャリパーはデュラエースのBR-R9000。ホイールはMavicのKsyrium Pro Carbon USTを使用。
純正ブレーキシューはスイスストップのイエローキング。これはアルミリムのような制動感だが発熱が大きく、カーボンリムを破損させるケースが多い。なので速攻パーツボックスに放り込んだ。
同じスイスストップでも、黒色のブラックプリンスはリムへの攻撃性が低いらしいが…
カーボンリムは数年ぶり。過去には中華カーボンが2~3セットと、EC90SLX、3Tメルキュリオを、スイスストップ イエローキングで使用していた。
R55C4カーボンブレーキシューは、当て効きでは滑るような感覚だが握り込めばしっかり止まる。初期制動からガツンとくるイエローキングとは対照的だ。
ただ、コントロール性には不満が残った。
例えば下りコーナーの進入。当て効きではあまり減速してくれないが、ブレーキレバーを握っていくとパッドが発熱し、あるタイミングで制動力が急激に立ち上がる。
慣れでカバーできる範囲とはいえ、ディスクブレーキのリニアな感覚を知っていると、明確に扱いにくさを感じる。
また、停止寸前の極低速はパッドが引っかかるような挙動を示し、びびり振動を起こしてガタガタと震える。
このように、絶対的な制動力は十分あるものの、過渡特性がたいへん不自然で、扱いにくいという印象だった。
ブレーキダスト
使用に伴って粉状のブレーキダストが発生し、ブレーキキャリパーやフォーク周辺に付着する。
アルミリム用ブレーキシューでは周囲を汚す厄介な存在だが、カーボン用シューのブレーキダストはサラサラとしていて、エアダスターや水洗いで簡単に取り除ける。
リムの摩耗を防ぐため、シューが積極的に削れて熱を逃がしているようだ。
耐久性
ブレーキシューの摩耗は普段走るコースや乗り方、体重の影響を受ける。
したがって、参考情報となるが、体重68kgの私の場合、信号は少ないがアップダウンのあるコースを中心に走って、1年間、4000kmの使用でフロント側シューが摩耗限界となった。
リミットラインギリギリまで攻めればあと500kmくらいは使えそうだったけど、ブレーキワイヤーのアジャスターも使い切ったのでここで交換。
前述の通り印象はイマイチなのだが、在庫のR55C4カーボンが装着されたのであった。
在庫はあと2セットある。
まとめ:シマノ純正の安心感はあるが正直オススメしない
自転車に限らず、乗り物のブレーキで第一に重視すべき性能は制動力ではなく、コントロール性、特に制動力を「抜く」ときのフィーリングだと考えている。
R55C4カーボンはもうちょっとリニアに効いてほしい。1年使ってだいぶクセを掴んだが、それでもたまにヒヤッとする。タイヤのグリップ限界付近で制動力が乱れたら、転倒につながりかねないぞ…
今や価格面のメリットもないし、あえて選ぶ理由はないと思う。