【レビュー】シマノ XC7(SH-XC701) SPDビンディングシューズ

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SHIMANO XC7(SH-XC701)

シマノのMTB用ビンディングシューズ。レース向きの剛性がありながら、ミシュラン製のソールは丈夫で歩行もしやすい。旧モデルから続けてシクロクロスに使用している。

評価 ★★★★★ ペダリングもランニングもできるCX向きの逸品

購入価格 16000円

長所 -Pros-

  • ペダリング効率と歩行性の両立
  • しなやかなアッパーとBOAダイヤルでフィット感も良い

短所 -Cons-

  • やや履きにくい
  • BOAダイヤルの張り出し
目次

シマノ製MTBシューズのセカンドグレード

2020年現在のシマノの(クロスカントリー)MTB用シューズは、トップモデルにXC9(SH-XC901)、セカンドグレードにXC7(SH-XC701)、その下にXC5(SH-XC501)XC3(SH-XC300)XC1(SH-XC100)と続いている。

これはロードシューズにも言えることだけど、上位モデルになるほどソール剛性は高く、軽く、フィット感に優れる。

歩きやすく丈夫なミシュランソール

自転車用、普段用を問わず、僕が靴を買う時に最初に見るのは靴底。

アウトソールはグレードによって3種類で、XC9とXC7/XC5はミシュラン製のアウトソールを備える。
また、XC5以上のモデルはつま先にスパイクを取り付けでき、シクロクロスの泥レースで、バイクを担いで乗車不能の土手を登る時に役立つ。

トップモデルのXC9は、ロードシューズのトップモデルであるRC9のソールをオフロード用にしたような製品で、完全にレース向き。
実はロードバイクではRC9を使っており、その良さは実感しているのだが、硬すぎてランに不向きと思いあえてセカンドグレードのXC7を選択した。

購入したサイズは42E(ワイド)。普段は43~44のシューズを履くことが多いので、シマノは表記サイズより大きめのようだ。なお普段履きにしているメレルのカメレオンは43。

今まで使っていた旧XC7(SH-XC700)は、シクロクロスのシーズンフル参戦とMTB CJ転戦、日々の通勤を含めて1年半も持った。だいたいのシューズはCXシーズンで半年も使えばソールが剥がれたりブロックがちぎれたりするが、XC7に採用されているミシュランソールは非常に丈夫。
今回購入した現行XC7(SH-XC701)も、アウトソールは同一のようだ。

CX、MTBレース、通勤あわせて1年半使用。ソールは摩耗しているが、剥がれたり、ちぎれたりしていない。

レース用のMTBシューズはソールが頼りないものが多く、ロード用ハイエンドシューズにゴムのブロックを接着しただけの製品も多い。
そういうシューズは、靴底が全くたわまないのでランしにくいし、負荷に耐えられずすぐにゴムソールが剥がれてしまう。

逆に、ソールがしっかりしているツーリングやトレイルライド向けのシューズは重量が重いうえソール剛性も低く、レース向けではない。

ソールが硬く、しかも走りやすいシューズを探して何シーズンも過ごしてきたが、ようやく満足の行く製品を見つけた。

スパイク取り付けにも対応

先述したとおり、シクロクロスに不可欠とも言えるスパイク。XC7のつま先にはM5ネジ穴が2つついていて、スパイクを取り付けできる。

スパイクはサッカー・ラグビー用のものを使用。
スパイク不要なときは逆に引っかかるので、僕は基本的にスパイクをつけず、泥レースでランが予想される時のみ装着している。

しなやかなアッパーとBOAダイヤルでフィット感抜群

昔のシマノのシューズはガチガチに硬いアッパーだったが、BOAダイヤルが採用されはじめた頃からしなやかな人工皮革になり、履き心地は向上している。
現行モデルのXC7ではアッパーの裁断方法が上位モデルに近い形になり、オーソドックスな形だった旧XC7よりフィット感が増した。
足全体を包み込んで均一に締め付けるので、シューズの中で足がぶれないし、局所的な痛みも出にくい。

新旧モデルのアッパーの違い。

また、つま先のスペースというか、厚みが増して足指の痛みも出なくなった。

現行XC7(左)のほうがつま先が分厚い

BOA L6 ダイヤルを採用

現行XC7シューズに採用されたBOAダイヤルは、L6という種類の製品。

このダイヤルは1方向にしか回せず、右足は時計回り、左足は反時計回りに締めつける。緩めるときは、ダイヤルを引っ張るとロックが外れる

旧XC7や、他のBOA採用シューズに使用されることが多いIP1ダイヤルは、両方向にカチカチ回転して微妙に締め付けたり緩めたりできるのだが、L6ダイヤルはIP1よりも軽く回せるというメリットがある。使い勝手の差は特に気にならなかった。

ワイヤーの掛け方でつま先側の締め付けを調整

あまり知られていない気がするが、ワイヤーの掛け方を変えることで締め付け具合を調整できる。

下の写真の左側では足の中央から先端が均一に締まるのに対して、右のようにワイヤーを掛けると、滑車の原理でつま先側の締め付けが増す
僕はつま先をタイトにしつつ足の甲を締めすぎないように、右の掛け方で使っている。

ワイヤーの掛け方で締め付け具合を調整

ただ、右の掛け方をしている場合はワイヤーを全部緩めても開口部が狭く、若干だが靴を履きにくくなる。

破損が怖いBOAダイヤル

BOAダイヤルは側面に取り付けられており、乗車中も微調整がしやすいが、そのかわり、ダイヤルの張り出しは非常にぶつけやすい。

レースではコース幅をギリギリ一杯使うので、コースの杭に引っ掛けてロックが外れ、緩んでしまうことは何度かあったし、MTBでのトレイルライド中、障害物に引っ掛けて壊してしまったこともある。
BOAダイヤル自体は保証で無償交換してもらえるのだが、レース会場でシューズを壊して途方に暮れないよう、補修部品や予備シューズを用意しておくべき。

旧XC7に比べると、現行モデルは張り出しが多少少なくなっているように感じるのだが、それでも、壊しやすい部分であることには変わりない。
USパールイズミのシューズみたいに、足の甲側にダイヤルがついていればいいのに。

まとめ:ペダリングもランニングも

丈夫なミシュラン製アウトソールを持ち激しいランにも耐える、シクロクロスのために開発されたんじゃないかと思うようなシューズ。現行モデルではBOAダイヤルが2個になってフィット感も向上した。

ソールの剛性がありながら歩きやすいので、観光を含むロードツーリングとか、グラベルライド、トレイルライドにもおすすめできる。

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