年内最後のレースはテクニカルなシングルトラックが特徴の信太山。
雨が降り続き、難しいマッドコンディションでのレースとなったが、ミスなく安定したラップを刻み、2位表彰台を獲得した。
12/21 関西シクロクロス第6戦 信太山 E1
天候:雨 14度
コースコンディション:ヘビーマッド
リザルト:2位/63名(7周回 +2:01 順位3% フルラップ完走35名)
機材
TREK Boone 1号車
- 前輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer ALBIT + Insert / 1.6bar
- 後輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer ALBIT + Insert / 1.7bar
※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準
コースとセッティング
関西シクロクロス第6戦の会場は、大阪市立信太山野外活動センターだ。林間学校や自然体験の場として使われる施設で、BBQサイトの草地と周囲の山林を縫うハイキングコースを組み合わせたテクニカルなレイアウトが特徴となっている。

地脚を試すような登りやパワーセクションが無い一方、コースの多くを占めるシングルトラックには立体的なコーナーが配置される。根が張り出した路面が多いため、的確なライン取りとバイクコントロールが結果を左右する。
また、転倒やリム打ちパンク、チェーン落ちといったトラブルも起きやすい。無理に攻めるよりも、ミスなく安定して走り切ることが重要だ。

レース前日は12月下旬とは思えない好転に恵まれ、試走では汗ばむくらいだった。
コースもドライコンディションで、シングルトラックの登り区間も乗車クリアできるような状態。

しかし、レース当日は朝から雨が降り続けた。
幸い気温は低くなかったものの、路面は一転。水分を多く含む泥コンディションとなった。
体力と機材の消耗を防ぐため昼試走はパス。
タイヤは迷わず前後Albit。空気圧は、ぬかるみでのコントロール性とパンク対策を天秤に掛けて、フロント1.6bar、リヤ1.7barにセットした。
レースレポート
雨が降り続ける中スタート。路面状況がわからないので最初は安全マージンを取って抑えめ。7番手まで沈む。
スタート直後の草地エリアは泥区間と化しておりタイヤがズルズルと滑る。ペダルを回し、トラクションを掛け続けてバイクをコントロールする。

踏みどころのダート区間を抜け、2連続ヘアピンを曲がった先でシングルトラック区間に入ると、オーバーテイクは不可能。
ここは無理をせず路面チェックに徹する。
Vキャンバーと階段を抜けて、ピット前を通過。後半のシングルトラック区間も前にならえで走っていたら、ランに切り替えたハッシーやけーなかに抜かれ、10位まで後退。
流石に下がりすぎなので、最終コーナーを抜けてからのホームストレートで一気に3人抜いて7位浮上。コントロールラインを通過し、すでにバラけている前を追う。
メイン会場で松井さんをパス、ブースエリア直後の急坂「ナイアガラ」で笛木くんの後ろにつく。
しばらく後ろで様子を伺ったあと、ダート区間でかわす。これでようやく5位だ。

先頭のたつーみ、2番手のコータプロの姿はもはや見えないが、3位村田さんと4位コッシーはヘアピンの折り返しで視界に入る。
雨の信太山では、テクニックに優れるコッシーは強敵だ。踏めるところで勝負するしか無い。
Vキャンバーから階段にかけてのエリアでコッシーとのギャップを埋め、射程に収める。とはいえ、しばらくは抜きどころがないので我慢。
コース後半のシングルトラックはコッシーをお手本にスムーズに抜けて、最終コーナーを曲がった先のストレートで仕掛ける。

レース2周目。3位の村田さんとは5秒差で、その背中は見えている。
だが、焦るとミスするコースだし、まだレースも序盤なので落ち着いて追う。
3周目に入る手前、バイクを担いで走るコータプロが目に入る。パンクだろうか。タナボタ的に3位に浮上した。
表彰台圏内に入ったことで気が緩みそうになるが、それではいけないと集中し直す。
5秒ほど選考する村田さんを見ていると、階段やシングルトラックの急坂といった、バイクを降りる場面で差が詰まっているように感じる。

そして、コース後半のシングルトラック区間でついに背中を捉えた。
例によって最終コーナー後のホームストレートで仕掛ける。我ながらワンパターンだが、ここが一番追い抜きやすい。
若干のポジション争いはあったが、押し切って前に出た。
ポジションを2位に上げたが、パック形成を許してしまうとコーナーやシングルトラックで後ろをトレースされ、再び仕掛けられるおそれがある。まずは村田さんを振り切り、単独で走る状況を作りたい。
コントロールラインを通過して4周目。スタートからは30分が過ぎ、レース後半戦に入った。
踏める区間ではしっかりとパワーを掛ける一方、転倒やメカトラのリスクが高い場所は抑える。この周回で10秒ほどのリードを築き、ペース走に切り替える。ヘアピンですれ違うたびに村田さんとの差を確認しながら、淡々とラップを刻んでいく。
レース終盤の3周は路面が荒れて滑りやすくなった結果、ラップタイム自体は落ちてしまったものの、リードは最後まで維持。最終的に15秒差を保って逃げ切り。2位でフィニッシュした。

レースを振り返って
雨が降り続ける中、難しいコースコンディションで行われたレース。
スタート直後こそ沈んだがポジションを取り戻し、大きなミスやトラブルもなく、安定したペースで走りきった。
独走優勝のたつーみは別格として、関西ローカル勢のなかでベストな結果を残せたのは嬉しい。
怪我の影響もあって、物足りない結果に終わった前週の全日本選手権のモヤモヤが少し晴れた気持ちだ。

ラップタイムを見ると、2~4周目が精密に揃っているが、5周目からガクンと落ちている。
これはコースコンディション変化の影響だろう。多分。
| 周回数 | タイム |
| 0周目 | 6分29秒 |
| 1周目 | 7分50秒 |
| 2周目 | 7分58秒 |
| 3周目 | 7分57秒 |
| 4周目 | 7分57秒 |
| 5周目 | 8分12秒 |
| 6周目 | 8分10秒 |
| 7周目 | 8分28秒 |
それにしても、優勝した美山といい、私はこういう悪天候にアドバンテージがあるのかもしれない。
ところで帰宅後、異音がしていたリヤブレーキをチェックすると、ブレーキパッドがベースプレートまで削れていた。
まだ余裕があったはずなのだが、1レースでトドメを刺してしまった。
他のE1参加者も軒並み同じ状況だったようだ。

雨が降っていたためバイクに泥は詰まらなかったが、ブレーキの摩耗は予想以上だった。
途中でバイク交換を挟むべきだったかもしれない。
ボトムブラケットのベアリングもチェックしたが、こちらは目立った浸水もなく無事だった。
美山でダメにした後、NTNの接触シールに交換しておいて良かった。


2025年のレースはこれで終わり。次は年明け、1月11日の関西CX第7戦 堺浜に出場します。
今年も応援・撮影・サポートありがとうございました。
まだシーズンは続きますので、来年もよろしくお願いします。


