関西CXシリーズ外として開催されたくろんどCX。池の外周路と山を使ったコースは、パワーに加えてMTB的なテクニックが要求される。
今回はお台場CXと同日開催だったため普段より選手層は薄いが、CX世界戦帰りのたつーみが参戦。日本代表選手の実力を改めて見せつけられた。
2/12 関西シクロクロス くろんどクロス
コースコンディション:晴れ、土、ドライ
リザルト:2位/30名(10周回 +1:07 順位6% フルラップ完走17名)
機材
Ridley X-Night Disc 2号車
- 前輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.7bar
- 後輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.7bar
※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準
動画
すくみずログ YouTubeチャンネルでレース動画を公開中
レース会場
くろんど池は、奈良県生駒市と大阪府交野市の境に位置する行楽地。紅葉の名所としても有名で、学校遠足の定番スポットでもあるらしい。
シクロクロッサー的には、MTBトレイル的なシングルトラックと長い階段に苦しめられるシクロクロスの名所である。(去年のコピペ)
コースは、くろんど池の外周路を時計回りに周回しつつ、林間のテクニカルなコーナーや階段を組み込んだレイアウト。
池の外周路は走りやすいフラットダートだが、つい脚を休めたくなるこの区間で追い込めるかどうかで、ラップタイムが大幅に変わる。
林間セクションはMTB的なテクニックが要求される。段差超えや急勾配の下りに加え、路面は木の根が張り出していて、スリップやパンク、チェーン落ちのリスクがある。
好成績を収めるには、
- 広いスピードレンジに対応し、踏むべき場所でしっかり踏むこと
- スムーズに走り、転倒やメカトラを回避すること
この2点が重要だ。
ところで、くろんど池は都市部からのアクセスも良い人気の会場だが、駐車場の収容台数が少ないためエントリー人数が絞られている。
そのためエントリー峠では毎年激戦が繰り広げられ、C1やM1は数分で埋まってしまう。
試走とセッティング
山の中にあるくろんど池では毎年寒さに震えていた記憶があるのだが、レースが開催された週末は天候に恵まれ、2月とは思えない暖かさだった。
土曜の前日試走は、Albitを履いた1号車で、前後1.6barでコースイン。
金曜に雨が降ったのでドロドロじゃないかと思っていたが、コースコンディションは意外と良好。
ダウンチューブには泥が跳ねるが、ウエアやシューズは汚れない程度だった。
レース当日はコースコンディションがさらに良くなったので、CGCXを履いた2号車で昼試走に出た。
グリップ不足は感じないし、転がりも良いので、こちらでレースを走ることにした。
空気圧は当初1.6barにセットしていたが、タイヤに大きな荷重がかかる場面では潰れきっている感触があり、1.7barに変更した。
しかし、年明けにブレーキをGRXに交換し、リニューアルした1号車。なかなか乗る機会が現れない…
ところで、過去のくろんどCXではパンクやチェーン落ちに泣かされている。
タイヤインサートを入れたり、チェーンキャッチャーをつけたり、対策はしているが、もう少し安心感がほしい。
そんなことを考えつつ、レース直前のんーちタイム。本部テント最寄りのトイレに駆け込む。
用を済ませ、尻を拭こうとすると、トイペーの残りが少ない。
次の人の腹具合がルーズなマッドコンディションなら、きっと足りなくなるだろう…
なるべく節約して拭いて個室を出たら、入れ替わりに駆け込む人が。まずい。シンプルに気の毒だし、「すくみずの野郎が大量に紙を使いやがった」などと思われても嫌だw
と、女子トイレから出てきたお姉さんがいたので、頼み込んで1巻取ってきてもらう。
個室の民にこれを渡して、ミッションコンプリート。
一日一善。今日のレースはノートラブルに違いない。
ちょっと拭き残しがある気もしたが、晴れやかな心で招集へ向かった。
レースレポート
くろんどCXの同日にはJCX最終戦のお台場CXが開催されており、選手層は普段の関西CXシリーズ戦より薄い。
オランダ ホーヘルハイデで先週開催されたシクロクロス世界選手権 U23を完走した副島達海ことたつーみは別格として、十分2位を狙える顔ぶれだ。
したがって今日の目標は
- 序盤はたつーみのスピードについていくこと
- 現実的なベストリザルトである2位表彰台を獲得すること
調子も(今更ながら)上がってきたし、結果出すぞ。
気温17度。2月とは思えない陽気の中レーススタート。
直後、たつーみが強烈なファーストアタック。これには誰もついていけず、あっという間に単独トップに躍り出た。目標その1が…
「第2集団」からは「速すぎるねん」などと不満の声が漏れる(笑)
しばらく全体の2番手を走っていたが、会場の最西部、第2ピットの手前で笛木くんが前に出たので、後ろについていったん落ち着く。
後方には、少し車間を開けてコッシーと斉藤さんが続いている。
まだ先は長いので2位パックでレースを組み立てていこうとしていたら、2周目前半の林間で笛木くんがスリップダウン。単独2番手での一人旅が始まった。
後続には斉藤さんと藤川さんの3番手パックで、差は15秒ほど。
しかし、人の心は弱いので、単独走ではペースが緩みがちになる。油断していたら藤川さんが追い上げ、差が詰まってきた。
タイムギャップが10秒ほどになり、流石にまずいと思って7周目からペースアップ。
8周目で藤川さんとのタイム差が開いたが、ここで守りに入ると崩れるので、むしろペースを上げるくらいの気持ちで踏み続ける。
最終的に、先頭のたつーみから1分8秒差、3位の藤川さんには47秒のリードを築いてフィニッシュ。目標通り、2位表彰台を獲得した。
レースを振り返って
たつーみのスタートダッシュには全く反応できなかったが、たつーみ曰く「世界戦では、ずっとあのスピードで走り続けます」とのこと。
スタート後わずかな時間だったが、世界選手権のレベルの片鱗を味わえたことは良い経験になった。
また、今回のレースは2周目の途中からずっと単独走。自分の走りとじっくり向き合う時間だった。
ラップタイムを見ると、序盤のハイペース、単独走になってからの中だるみ、そして7周目からの集中ゾーンと、3つのエリアに分かれている。
パックで牽制が起こるケースならともかく、単独でこういう形になることはあまり多くない。
7周目からゴールまでの4周回はとても集中できていた。
上りや長い直線など、要所ではアクセル全開。同時にブレーキは最小限に。
周回を重ねるごとに走りの無駄が削ぎ落とされていき、試走ではしっくり来なかった段差超えもロスなくクリア。バイクをコントロール下に置いている感覚があった。
そうそう、レース直前の善行のおかげか、パンクもチェーン落ちも無く走りきれた(笑)
久々に表彰台に上り、本来のフィジカルが戻ってきたことを実感。これからのレースではさらに調子を上げていきたい(※まもなくシーズンオフ)。
次戦は「ゆるクロス」に参戦。そして徳島 阿波CXが今季最後のレースとなります。
応援・撮影・サポートありがとうございました。