今年もシクロクロスのシーズンインが迫ってきたが、AJOCCのJCXシリーズに加えて、JCFが独自のシリーズ戦とポイントランキングを導入した結果、大変に混乱した状況になっているので、ポイントランキングについて一度整理する。
※JCFやAJOCCの情報をベースに書いているが、間違いがあったら教えてください…
2022/10/11
参加資格についてJCFから発表があったので追記修正
2022/10/21
10/21現在のJCFシクロクロスランキングが発表されたので追記
2021-22シーズンまでの状況
日本国内の自転車競技(それこそ、ロードレースからサイクルフィギュアまで)を統括する組織がJCF(日本自転車競技連盟)。
(ちなみに、国際的な自転車競技を取り仕切ったり、ライセンスを管理しているのがUCI(国際自転車競技連合))
しかしシクロクロス競技においては、毎年行われる全日本選手権のみがJCF管轄であった。
昨年まで、国内シクロクロスの所謂「公式戦」はAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)が取り仕切っていた。
AJOCCは関西や信州、東海など、各地の大会主催団体を統括する組織。AJOCCレースはレギュレーションやコース設営もUCIルールに則っているほか、カテゴリも一元管理される。例えば、関西シクロクロスのレースでC3からC2に昇格したら、次に東海シクロクロスのレースに出場するときにはC2で出場できる。
また、各地域の大会をピックアップして、全国シリーズ戦にあたるJCXシリーズが開催されている。
2018-19シーズン以降は、JCXシリーズはJCF公認大会とされ、前年度の全日本選手権の成績と合わせたランキングで出場資格が定められていた。
ちなみに、シリアスレーサーがシクロクロスで目指す成績としては、以下のようなものが挙げられる。
- 全日本選手権の順位
- JCXランキング順位
- 地方シリーズ戦ランキング順位
この中で最も特別で、トップレーサーが目標にしているのが全日本選手権のタイトルだ。
全日本選手権の参加資格
競技人口の多い男子エリートには参加資格が設けられており、2021年12月の第27回大会では
- CX UCIポイント保持者
- JCFランキング上位100名
- その他特例
を満たす必要があった。
UCIポイント
UCIポイントは、日本国内のUCIレース(JCXシリーズの一部)あるいは国外のUCIレースで上位入賞すると獲得できる。
ちなみに、1ポイントでも取るとUCIのポイントランキングに載る。昔1ポイントだけ獲得して、マチュー・ファンデルポールからランキングを数えること500位ほどの位置に自分の名前を見つけることが出来た。あれはちょっと感動する。
ちなみに、スターティンググリッドの位置は、昨年度チャンピオンに次いでUCIポイントランキング順、その次に後述のJCFランキング順となる。UCIポイントは強い。
JCFランキング
JCFランキングは、JCXシリーズ戦+昨年度全日本選手権のポイント合計順で競うランキング。過去1年間の大会が対象のローリングランキングとなっている。
その他特例
これで出場した選手は知らない。
要するに、ランキング的にきわどい位置の選手が全日本選手権に出たいなら、JCXシリーズを転戦して、ポイントをかき集める必要があった。
なお、完走ポイントがもらえたので、レースに出場し、途中棄権・失格にさえならなければ僅かだがポイントを得ることができた。
2022-23シーズン
今シーズンからは、JCFが独自に「JCFシクロクロスシリーズ」を開催することになり、状況が大きく変わった。
結論から言うと、昨年までのようにJCXシリーズに出まくっても、全日本選手権の出場資格を満たせなくなった。
全日本選手権の出場資格
シーズン直前の2022/10/4に、ようやく全日本の出場資格が発表された。
対象カテゴリも書いてなければ署名も無いという…シングルスピードに出るときも、UCIポイント、必要なんだろうか。
そもそもJCFのレースカレンダーには12/17,18に行われる宇都宮シクロクロスが載っていない。
両日ともUCI C2大会なので、獲得したUCIポイントが有効、という意味だろうか。
JCFポイントランキングの対象になるレースが何か、という明確な情報は見つけられなかった。
ちなみに、対象レースの茨城シクロクロス 土浦ステージのエントリーは9/30に締め切られている。
2022/10/11
参加資格が発表された。
【参加資格】
男子エリート
2000年以前生まれの、下記条件に該当する男子JCF競技登録者
・12/20時点におけるCXUCIポイント保持者
・11/29時点におけるJCFシクロクロスランキング上位60名
(外国籍およびU23の選手を除いた上位60名、ただしCXUCIポイント保持者は除かない。)
(今シーズンのJCFCXランキング対象大会はJCFCXシリーズ第1戦~第3戦、茨城シクロクロス土浦ステージの4大会である。)
・本連盟が他競技の実績などにより優秀と認めた者女子エリート
2004 年以前に生まれた女子 JCF 競技登録者男子U23
2001年から 2004 年生まれの男子 JCF 競技登録者男女ジュニア
2005 年、2006 年生まれの男子及び女子 JCF 競技登録者男女 U17
2007 年、2008 年生まれの男子及び女子 JCF 競技登録者男女 U15
2009 年、2010 年生まれの男子及び女子 JCF 競技登録者マスター
1988 年以前に生まれた男子及び女子 JCF 競技登録者ただし下記のいずれかに該当する選手はマスターカテゴリーへのエントリー不可とする。
・2022-2023 シーズンの CX JCF 公認大会のエリートカテゴリーに出場した者
・他種目(トラック・ロードなど)の 2022 年全日本選手権のエリートカテゴリーに出場した者【スタートゾーンでの並び順】
スタートゾーンに並ぶためのコールアップは以下の順に優先する。(正式な内容は大会要項に記載する。)男女エリート・男子U23
① CXUCIランキング
② JCFCXランキング
③ ランダム(女子エリート、男子U23のみ)男子ジュニア
① CXUCI男子ジュニアランキング
② JCFCXランキング
③ ランダム女子ジュニア
① CXUCI女子ジュニアランキング
② JCFCXランキング
③ ランダム男女マスターズ
① 前年の優勝者(前年と同カテゴリーに出場する場合)
② JCFCXランキング
③ ランダム男子U17、男子U15
① JCFCXランキング
② ランダム女子U17、女子U15
全日本選手権自転車競技大会シクロクロス 参加資格のご案内【修正版】
①JCFCXランキング
②ランダム
JCF公認大会とJCFシクロクロスランキング
JCF公認大会に出場し、一定の成績を納めると、JCFシクロクロスランキングポイントを獲得できる。
7/1付の日程では以下のレースが対象となっている。
ただ、JCFのウェブサイトを検索すると、以下のページが存在した。茨城CX土浦はJCF公認レースであることが確定している。一方、宇都宮CXは大会ページが存在しない。
茨城CX開催翌日、2022/10/11に発表された内容によると、(全日本選手権出場資格に関わる)JCFCXランキング対象大会はJCFCXシリーズ第1戦~第3戦、茨城シクロクロス土浦ステージの4大会となる。
レース | 日程 | 会場 |
茨城シクロクロス 土浦ステージ | 2022/10/10 | 茨城県土浦市・りんりんポート土浦/川口運動公園周辺特設コース |
JCFシクロクロスシリーズ第1戦 | 2022/10/22-23 | 広島県安芸高田市・テクニックステージタカタ |
JCFシクロクロスシリーズ第2戦 | 2022/10/29-30 | 石川県羽咋郡志賀町・能登ゴルフ倶楽部内 常設シクロクロスコース |
JCFシクロクロスシリーズ第3戦 | 2022/11/26-27 | 愛知県稲沢市祖父江町・国営木曽三川公園「ワイルドネイチャープラザ」 |
全日本選手権自転車競技大会-シクロクロス | 2023/1/14-15 | 愛知県稲沢市祖父江町・国営木曽三川公園「ワイルドネイチャープラザ」 |
2022/10/21追記
10/21時点のJCFシクロクロスランキングがJCFに掲示された…が、「今シーズンのJCFCXランキング対象大会はJCFCXシリーズ第1戦~第3戦、茨城シクロクロス土浦ステージの4大会」と10/11に発表されたにもかかわらず、何故か昨年全日本のリザルトが加味されている。いい加減にしてほしい。
JCF シクロクロスランキング ポイントテーブル
ポイントテーブルは発表済みだが、完走すればポイントが貰えた昨年までと異なり、30位までにしかポイントが付与されないようになった。
相応の実力がなければポイントを集めることができない。
尤も、出場者数が30人以上いれば、だが
JCXシリーズ
AJOCC管轄の、JCXシリーズも変わらず開催される。
昨年までと違い、このレースでどれだけ好成績を収めても、全日本選手権の出場資格には影響しない。
ただし、例外的にJCX第1戦の茨城シクロクロス 土浦ステージはJCF公認レースとしてJCFランキングポイントがつく他、
いくつかあるUCI C2クラスのレースで上位入賞(10位以上)し、UCIポイントを獲得すると出場資格を満たすことができる。
その他AJOCCレース
関西シクロクロス、東海シクロクロスなど、各地方のローカル戦。
こちらもいろいろ変更点があるのだが、AJOCCのサイトに簡潔にまとめられているので、以下リンクを参照のこと。
図解(2022/10/11修正)
下図の、黄色い字で示された大会が全日本選手権(男子エリート)出場資格の対象となる。
これらのレースに出て
- UCIポイントを獲得する
- JCFポイントをかき集める
ことが全日本選手権出場に繋がる。
例によってJCFのアナウンスが遅いため、まだ不明な点も多いが、確実なのはJCX第1戦 土浦と、JCFシリーズ全3戦に出場してJCFポイントを集めること。30位以上でフィニッシュすればポイントが付与される。
実力があるなら、UCIポイント狙いというのもアリ。(ただし10位以内はキツい 去年はギリギリ取りそこねた)
最後に一言だけ。
昨年の全日本選手権の成績も加味してくだしあ…←されませんでした!(10/11)