パワーメーターが普及する以前は心拍数を基準とした心拍トレーニングが広く行われていたが、心拍数は運動強度に対する反応が遅く、短時間のインターバルには追従しなかったり、一定強度で運動を継続していても変化したりする。
心拍数はその日の体調によっても変動するため、パワーを基準とするパワートレーニングのほうが、より精度良くトレーニング強度を管理できる。
パワートレーニングの基準となる「FTP」と「パワーゾーン」
パワートレーニングでは、運動生理学的な反応とペダリングパワーを結びつけて、狙った反応が起こる運動強度の範囲(パワーゾーン)でトレーニングを行う。
人によってフィジカルのレベルは大きく異なるので、各人に合わせた基準でトレーニング強度を決める必要があるが、
その中で最も一般的な方法は、FTP(Functional Threshold Power:機能的作業閾値パワー)を測定し、FTPを基準にしたパーセンテージで運動強度を決定するというもの。
FTPの定義をざっくり言うと「ある程度の時間、継続して行える定格出力」といったところ。
測定方法は、ある程度脚を使った状態から20分間の全力走を行い、
FTP=20分間の全力走の平均パワー×0.95
として算出する。
算出したFTPに対して、次項で説明するようなパワーゾーンを対応させて、トレーニングの強度を決定する。
トレーニングを続けるうちにFTPは向上し、サボると低下するため、FTP測定は定期的に行う必要がある。
コーガン方式のパワーゾーン
ZWIFTのパワーゾーンは、パワー・トレーニング・バイブルの著者であるコーガン氏が考案したものをベースにしている。
コーガン式パワーゾーンの、FTPに対するパーセンテージは以下の通り。ちなみにLはLevelの頭文字。
- L1 アクティブリカバリー …~55%
- L2 エンデュランス …55~75%
- L3 テンポ …75~90%
- L4 乳酸閾値(LT:乳酸閾値) …90~105%
- L5 VO2MAX …105~120%
- L6 無酸素運動能力(AC:無酸素運動能力) …120%~150%
- L7 神経筋パワー …-
L7はパワートレーニングではあまり使われないようだ。その場合、120%FTP以上がL6となる。
また、L3とL4の境目である88~92%は効率よく有酸素トレーニングができるため、特にスイートスポットと呼ぶ。
SST(SweetSpot Training)というとだいたい90%前後の強度を指す。
ZWIFTのパワーゾーン
Zwiftでのパワーゾーンは、各ゾーンの意味合いは一緒ながら、コーガン方式のトレーニングゾーンとパーセンテージが若干違い、以下のように分類される。
(どうやら [パワー] ÷ [FTP] × 100 を整数に丸めてパーセンテージを算出しているようだ)
- Zone 1 (灰 リカバリー) …~59%
- Zone 2 (青 エンデュランス) …60~75%
- Zone 3 (緑 テンポ) …76~89%
- Zone 4 (黄 LT:乳酸閾値) …90~104%
- Zone 5 (橙 VO2MAX) …105~118%
- Zone 6 (赤 AC:無酸素運動能力) …119%~
使い慣れたL1~L6という呼び方をしているが、パワートレーニングはもっぱらZwiftで行っているし、ワークアウトの記事で書いているL1~L6はZ1~Z6を指すと読み替えてほしい。
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