スポーツサイクルの展示会 CYCLE MODE RIDE OSAKA 2022が万博記念公園にて開催された。
昨年は7月開催だったが、今年は3月5~6日。天候にも恵まれて暖かい一日になった。
新製品を手にとって見たり、メーカー・代理店の方と話したり。気になるバイクに試乗する絶好の機会でもある。
各社のブースを巡って、気になった製品をピックアップして紹介する。
パナレーサー AGILEST
まずはアンバサダーを務めるパナレーサーのロードタイヤ AGILEST。
タイヤの特徴やラインナップは別記事でまとめてあるので、そちらを参照してもらうとして、広いブースエリアにタイヤを並べ、展示にかなり力を入れていた。
タイヤを購入すると前田製菓のプロテインクッキー「WAY TO GO」が貰えるキャンペーンも行っていた。
Panasonic XEALT M5
パナソニックは、E-MTBの新製品「XEALT M5」を展示。
「電動アシスト自転車」では国内トップシェアのパナソニック。まだまだ成長途中のE-Bike市場でも存在感がある。
XEALT M5は、27.5インチのアルミハードテールE-MTB。
27.5×2.4タイヤ、ドロッパーポスト標準装備、シマノ12sコンポ採用と、トレイルバイクらしい雰囲気だった。
SRサンツアー製のフォーク「AION35 EVO Boost」は150mmストローク。クラウンには「1.8」と書かれている通り、コラム系は1-1/8インチ~1.8インチのテーパード。E-BIKEの車重に耐えるためだろうか。
内径1.8インチのヘッドセットを収めるヘッドチューブのボリュームは、凄まじいことになっている。
このバイクに試乗したが、アシスト特性がよく練られていると感じた。
コーナリング中にペダルを踏みつけ、わざとリヤを破綻させようとしたが、急激に駆動力が立ち上がらないような味付けになっていた。
それにしてもオフロード試乗コース、平らな芝の上で低速でバイク転がして、一体何がわかるんだ…という感じであった…
キャットアイ 光学式心拍計 OHR-31
光学式の心拍センサー 新発売
キャットアイからは、新製品として光学式心拍計「OHR-31」が発表された。
光学式心拍計は、手首や腕に巻きつけるタイプの心拍計。
手軽に着脱でき、乳バンドのような胸の締めつけ感もない。MTBやシクロクロスで激しい動きを行っても、バンドがずり落ちてこないというメリットもある。
光で血管の動きを測定している原理上、振動に弱いのだが、Polar のOH1やその後継機Verity Sense、Wahoo Tickr Fitなど、「アームバンド式」の光学式心拍計はハンドルからの振動が伝わりにくく、自転車乗車中の測定精度も十分に高い。
私はシクロクロスレースでは乳バンドタイプのCATEYE HR-11を愛用していたが、昨年、光学式心拍計のPolar Verity Senseに乗り換えた。
アームバンドタイプの光学式心拍計では最後発となるCATEYE OHR-31。
バッテリーライフは24時間と十分。充電池が内蔵され、専用チャージドックでUSB充電できる(充電時間2.5時間)。
OHR-31の価格は¥8,250(税込)。競合製品のなかでしっかり価格を下げてきた。2022年6月発売予定。
ライトとサイクルコンピュータ
ほか、街乗り向けのライト「AMPP 130」と、反転液晶のサイクルコンピュータ「PADRONE STEALTH EDITION」も展示されていた。
AMPP 130は\2,970(税込)。130ルーメンで4時間点灯。ゴムバンドでハンドルに取り付ける方式となっている。
PADRONEのほうは、アウトフロントマウントも付属して¥6,600(税込)。
OGK KABUTO AERO-R2 & FM-X
AERO-R2
OGKカブトでは、AERO-R1の後継製品、AERO-R2が展示されていた。
空力性能に優れ、前作R1や、シェルで覆われたR1CVよりも空気抵抗が少ないという。
内側に導風板「エアパスプレート」を入れることでさらに空気抵抗を減らすことが可能。
サイズ感は従来モデルと大きな変化なし。AERO-R1やFLAIRでS/Mサイズを被る私は、AERO-R2も同じS/Mサイズがフィットした。
R2は、Volzzaにも採用されたKBF-2アジャスターを搭載し、BOAダイヤルで細かなサイズ調整が可能となっている。
AERO-R1と同様にバイザーが付属するが、R1よりも眼鏡の干渉が少ないように感じられた。
サイズはXS/S、S/M、L/XLの3種類で、価格は\23,100(税込)。発売時期は今の所GW頃になりそう…という非公式情報。出たら買うぞ!
FM-X
街乗り&MTB向けヘルメットのFM-Xも新発売される。
バイザーを備え、木漏れ日が眩しいトレイルライドでは使いやすそう。
バイザーはオートバイ用ヘルメットのシールドのように、カチカチと上下に動かせるようになっている。
ゴーグルをおでこに引っ掛けるときに便利らしい。
サイズはM/L(57-59cm)のワンサイズ。価格は¥7,920(税込)とお手頃。トレイルライド用にこれも欲しいぞ。
ヴィプロス チェーンオイル
会場内を歩いていて目に留まったのが、ケミカル類を販売するVipro’s(ヴィプロス)
グゥーキンアルファというチェーン洗浄剤で名前を知っているくらいだったが、自転車向けではチェーンオイルがメイン。
同社が「サスペンド系」と呼ぶ皮膜定着タイプのオイルは塗布後に膜を形成し、その場に「留まる」ようになっている。そのため、汚れにくく、流れにくいという特徴を持っているらしい。
通常のウエットオイルである「ケイテン」と、サスペンド系の「ブルーノ」「ロッサーノ」の違いを実演してもらった。
被膜が定着するサスペンド系オイルは、傾けても垂れてこない。
ユニークなのが「水溶性」チェーンオイルのW3(ダブサン)。
通常のチェーンオイルは雨天時の流れにくさも重視されるが、これは前代未聞の「水で落ちる」チェーンオイル。
グゥーキンアルファの技術を応用しているらしく、水を掛けると乳化して白くにごり、キレイに流れてしまった。
特に、室内ローラートレーニングでの使用を想定しているらしい。確かにフレームの洗車と同時にチェーンも掃除できると手入れが楽そうだ。
実走する場合、当然ながら雨天走行NGだが、W3も「サスペンド系」のチェーンオイル。
水のない環境では通常のチェーンオイルと同程度(450~500km)の耐久性があるとのこと。
グロータック パワーメーター & ペダル
マニアックな製品展開が特徴のグロータックでは、クランク型パワーメーターとペダルをピックアップ。
MAGENE P325 CS パワーメーター
グロータックは、中国メーカーMAGENE(マージーン)製のパワーメーターの取り扱いをスタートさせる。
P325は、左右独立計測のクランクアーム型パワーメーター。
クランクアームはROTOR 3Dっぽい切削、チェーンリングはSRAMっぽいダイレクトマウントタイプで、アウター・インナー・スパイダー一体成型の切削加工品。取り付け部分は独自形状となっている。
スピンドルはホローテックIIと互換なので、シマノのBBが使える。
充電式でバッテリーライフ200時間。クランクセットでの重量は750g程度。
価格は\55,000(税込)と、両側測定としては最安の部類。
EQUAL 新型ペダル(開発中)
もう一点、強烈に目を引いたのが、3Dプリンターで造形されたペダルボディや金型用のスプリングなど、試作どころか開発中の雰囲気が漂うペダル。
ペダルスピンドルAssyとペダルボディを分割した構造にすることで、踏面の前後位置、Qファクター、スタックハイト、さらにはカント角まで調整できるようになっているという。スピードプレイどころじゃない…
ポジション追求マニアにとってはたまらない逸品になりそう。
おわりに
土曜日の午前~昼頃まで会場にいたが、それなりに活気があり、賑わっていた。
まだまだ予断を許さないコロナ禍ではあるが、徐々にイベントが増えてきて嬉しい。
そして、こういうイベントの楽しみの一つは物販。ワゴンセールでまた在庫パーツを増やしてしまったのであった。