3連休を利用して、関西シクロクロスが2日連続開催。
会場は初開催の二色の浜海水浴場。コース前半は松林を縫うテクニカル区間、後半は長い砂浜区間と階段が脚を痛めつける。
1日目はAJOCC JCXシリーズ最終戦(第9戦)で、全日本を狙う選手が集まる、レベルの高いレースとなった。
2/11 関西シクロクロス 二色の浜グランプリ JCX E1
天候:晴れ 10度
コースコンディション:砂、ドライ
リザルト:7位/60名(8周回 +3:21 順位11% フルラップ完走23名)
機材
Ridley X-Night Disc 2号車
- 前輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.5bar
- 後輪: Shimano WH-R8170-C36 / Panaracer CGCX + Insert / 1.5bar
※空気圧はPanaracer デュアルヘッド デジタルゲージ基準
動画
すくみずログ YouTubeチャンネルでレース動画を公開中
初会場で2日連続のレース開催
2日間開催でAJOCC JCXシリーズ第9戦、関西CX第11戦が行われるのは、大阪府南部、関西国際空港を臨む「二色の浜海水浴場」。シクロクロス初開催の会場だ。
普段は潮干狩りやバーベキュー、アウトドアクッキングなどの遊びや体験が楽しめるようだ。
大阪湾沿いに1kmほどの砂浜が続く広大な公園だが、今回は帆船マストを模した特徴的なモニュメント付近の砂浜と松林に会場が設営される。
阪神高速の高架を挟んで陸側は松林を縫う連続コーナーエリア、海側には砂浜を利用したサンドセクションがレイアウトされ、コース前半と後半でイメージが大きく変わるコースとなっている。
試走とセッティング
土曜日は前日試走へ。
せっかくの3連休だが、土曜日は試走、日・月はレース。すべてシクロクロスで潰れることになる。
全体的に、マイアミに近いイメージのコース。
松林区間は比較的締まっており、直線区間ではタイヤは沈まないが、コーナーでラフにハンドルをこじると、地面を抉ってズルっと滑る。
深いコーナーや加速するポイントは徐々に掘れてくるだろう。
砂間区間は極めてタフだ。
海岸線に平行に3本の直線が設定されているが、海側にいくにつれて砂が深く、重くなっていく。
レースでは長距離のランを強いられるだろう。
また、砂浜区間の最後に階段があって、ランで消耗した脚に追い打ちを掛ける。
さらに、ごく短い舗装区間のあとには2階に登る階段。タバタトレーニング終盤のような、脚が焼けるような間隔を毎周回味わえる。
タイヤは迷うこと無く前後CGCX。空気圧は1.5barに設定した。
風が冷たいが、気温は10度ほどあり、日が差すと暖かい。
ウエアはメッシュインナー+半袖インナー+ワンピース。グローブは夏用ロングフィンガーを選択した。
レースレポート
スタート時間が午後3時と遅く、微妙な眠気を感じながら招集へ。
ゼッケンは10番でスタートは2列目。ホームストレートが左に寄るため、左の方のグリッドを選択した。
落ち着いてスタートし、10番手で1コーナーへ。
コース前半は松林を縫うようなコーナーが連続するため抜きどころがなく、集団は縦1列に伸びる。
先頭は少しずつ離れていくが、もとより敵う相手ではない。ここは焦らず無理をせず、自分のペースで走る。
復路ピットを過ぎて遊歩道に出て、砂利が浮いて滑りやすいコーナーを(十分にマージンを取って)通過、砂浜エリアに降りるとコース後半のパワーセクションだ。
砂浜のストレートが3本。続いて階段が2箇所という、とことん脚を痛めつけるレイアウト。
ただ、砂浜を乗車できるかどうか、ランが速いかどうかで、大きな差がつく場所でもある。
3本ある砂浜の1本目は乗車可能、2本目は人によって乗れたり乗れなかったり。最も海側の3本目は、トップ選手でもランを強いられる深い砂となっている。
私は1本目はともかく、2,3本目の砂浜はほとんど乗れなかったのだが、ここが頑張りどころと思いランで2名をパス。7位にポジションを上げた。
現在、小坂光、横山航太、副島達海、加藤健悟の4名が先頭パックを形成しつつある。
私は、竹之内悠、丸山厚、辻本青矢、重田兼吾との5名からなる2番手パックで2周目に入る。
竹之内選手が引くパックは恐ろしく走りやすい。ラインをなぞるだけで、自分が上手くなったように錯覚する。
しかし、砂の乗車に関しては国内トップと言っても良いテクニックを持つ竹之内選手。砂浜区間に入るとどんどん離されてしまった。
丸山選手と2名のパックでこれを追う。3周目の途中までは射程圏内に入っていたが、砂浜区間で一気に差が開く。
そして、私も丸山選手から遅れ、単独7番手に。
8周回となったレースの後半戦は、5周目に辻本選手と一時パックになったのを除けば単独走。前後のタイムギャップを気にしつつ走る展開になった。
堺浜、桂川と、パック内の駆け引きが重要なコースが続いていたが、今回の二色の浜はパワーとテクニックが速さを決定づけるコースだ。
このコースは、砂浜の走り方が順位を決めると言って良い。
スピードを乗せたまま乗車できるか、それとも失速するかで、10秒くらいは簡単にタイムが変わる。砂浜は全力で突っ込んで、バイクの速度が落ちたら飛び降りて全力でランだ。
一方、松林区間は無理に攻めるとリスクが大きいし、踏んでも大してタイムを削れないので、基本的に脚の回復にあてる。
砂浜と階段で脚を使い、松林区間で回復させる。コース全体でインターバルトレーニングをやるようなイメージだ。
また、砂が掘れてきて根っこが露出している箇所がいくつか出来てきた。特に今回はタイヤを低圧運用しているのでパンクリスクが高い。ラインを変えたり、抜重して対応した。
後続には十分な差をつけつつ、自分のリズム、自分のペースでタイムを出すことに集中する。
丸山選手とのタイム差は一時7秒ほどに詰まったが、背中を捉えるにはあと一歩及ばず。再び差をつけられ、7位のままフィニッシュした。
レースを振り返って
前日試走では思うように走れず、少なからず苦手意識を感じていたのだが、いざ走ってみれば全国から強豪選手が集まるJCX戦で7位。我ながら上出来だ。
出場選手の顔ぶれを見ても1~5位には逆立ちしても敵わないし、実力的にはほぼベストな結果を出せたと言って良いだろう。
欲を言うと丸山選手に追いつき、6位争いに持ち込みたかったが…
今回のレースはJCF公式戦でもあるので、今年12月に開催されるCX全日本選手権のスタート位置を決めるJCFランキングポイントも大量に獲得できた。
先日の宇都宮全日本と同様、次回も2~3列目からのスタートが望めるだろう。
さて、レース結果には満足しているのだが、今週は2日間開催。
明日は関西シクロクロス最終戦である第11戦 二色の浜が控えている。
既に総合優勝を確定させているとはいえ、チャンピオンに相応しいリザルトで締めくくりたい。
砂浜ランで痛めつけられ、鉛のように重たい脚でどこまで走れるか。それだけが不安だ。