2020-21シクロクロスシーズン総括 ~戦績・機材・トレーニングと来季に向けて~

延期開催された3/14の阿波シクロクロスで、2020-2021シクロクロスシーズンは終了。10月から数えて5ヶ月間のレースシーズンだった。

シーズンの区切りということで、この1年を振り返ってみようと思う。

今シーズンの戦績と所感

今シーズンはコロナの影響で中止となったレースも数多くあったが、関西シクロクロスを中心に14レースに出場した。

出場したレース結果は別記事でまとめている。

今季は独走優勝に始まり、独走優勝に終わった。
フィジカルのレベルが高い状態でシーズンインを迎え、AJOCCレースで優勝4回、2位が6回(なお3位は0回)と、ほとんどのレースで着に絡んだ。
関西CX第2戦 富田林ではプロ選手相手に白星をあげるなど、パワーに関しては過去ベストのパフォーマンスだった

2020-21関西CX第1戦 紀の川 Photo Nishimura

ただ、マキノUCIレースを落としたり、全日本CXも奮わなかったりと、肝心なレースで結果を出せなかった。
技術的な面に加えて、レースのペーシングや駆け引き、ランは来季の課題。

サポート体制

今季はネクストステージ所属でレースに参戦。サポート体制は初戦 紀の川のレポートで触れたとおり、ネクストステージ島本店長はじめ、株式会社クレストヨンド様よりガラスの鎧とチタンの鎧株式会社チャンピオンシステムジャパン様からはウエア類を提供いただきました。
また、オルタナティブバイシクルズ様からウルフトゥースチェーンリング他のギヤ類をサポートいただきました。

加えて、36隊の松井夫妻はじめ、知人友人には厚意でピットサポートや身の回りの手伝いを引き受けていただき、過酷なコンディションでも心強かったです。

皆様のお陰で、良い環境で1シーズン走り切れました。ありがとうございました。
もし、サポートした甲斐があった!と思っていただける走りができたのなら嬉しいです。

充実したサポート体制でレースに集中できた

機材

同じバイクを2台

バイクは昨年に引き続き、Ridley X-Nightの2台体制
細かなパーツは異なるが、ハンドルとSTIレバー、ブレーキキャリパーは全く同じものを使用し、ポジションやブレーキのフィーリングを合わせている。

特に泥レースでは代車が不可欠

ホビーレーサーにとって、同じバイクを2台揃えるのはなかなか難しいが、
泥コンディションの時など、レース中何度もピットインするような場合、ポジションやハンドリングが同じバイクならピットアウト後すぐに全力で走れる
フレームのグレードを一つ落としてでも、ジオメトリが同じバイクを2台用意するほうがリザルトに結びつく。

ただ、オフシーズンは同じ自転車が2台あって、そこそこ邪魔ではある…

4種類のFMBチューブラータイヤ

タイヤは昨年に引き続き、ネクストステージのサポートでFMBを使わせていただいた。
用途に合わせて4種類のタイヤを、コース状況に応じて選択。

  • Slalom…オールラウンド
  • Sprint2…ドライ用
  • Grippo Speed…マッド用
  • Super Mud…マッド用

タイヤに関してはかなり恵まれた環境で、毎レース妥協することなく最適なタイヤを選択できた。

なおマッド用タイヤはGrippo SpeedとSuper Mudの2種類あるが、Grippoはセンターノブが細く尖っていて泥づまりしにくい。
一方でSuper Mudはノブがしっかりしている。
詰まる泥はGrippo Speed、滑る泥ではSuper Mudが良かった。
とはいえ、泥レースではマッドタイヤ2種を2台のバイクそれぞれに履かせ、レース中は定期的にバイク交換をしていた。全日本も泥だったし、マッドタイヤを2セット用意してもらったのは大正解だった。

コンポーネント

コンポーネントはシマノ。油圧ディスク+Di2をフロントシングルで使用。

シフトとブレーキのフィーリングを揃えるため、2台共通で

  • ST-R785 油圧ディスク Di2 STIレバー
  • BR-RS805 油圧ディスクキャリパー(フラットマウント)

を使用。Di2のバッテリーはあえて外装式にこだわり、メンテナンス性を高めている。

チェーンリングは、ウルフトゥースのナローワイドチェーンリング 42Tを使用。昨シーズンは40Tだったが、2T増やすことで漕ぎの軽さを狙った。

ウルフトゥース ナローワイドチェーンリング

ディレイラーはRD-6870を使用していたが、チェーン脱落でレースを落としたため、1号車のみ、GRXのスタビ付きディレイラー RD-RX815を導入した。

パワー測定

2台ともパワーメーター(4iiii)を装着して、レース中のパワーデータを測定した。
4iiiiは片足測定ゆえの精度の低さもあるが、価格が安いうえ軽量で、レースバイクのパワー測定には十分と考えている。

ログの記録に関しては、バイク2台それぞれにGarmin Edgeを装着。
1号車にはEdge 530、2号車にはEdge 130 Plusを取り付けてパワーログを記録した。

オンボード動画撮影

今シーズンは、レース中の動画を撮影してネクストステージのYouTubeチャンネルで動画を公開した。

関西シクロクロスではレース中の動画撮影が認められているが、安全上の観点から自転車にしっかり固定することが定められ、取付位置はハンドルより下が推奨されている。
なるべく軽くシンプルに取り付けたかったので、Garminのアウトフロントマウント下部にGoPro台座のあるマウントを使用し、オンボード動画はGoPro Hero9で撮影した。

トレーニング

当たり前だがシーズン中に大幅なフィジカル向上は見込めないので、オフシーズンにどれだけ練習できたかが、シーズンのパフォーマンスを決定する

今年はコロナ禍もあり、夏場のMTBレース参戦はキャンセル(そもそも夏まではレースが軒並み中止だった)。
レースがない分、ZWIFTでパワートレーニングに取り組んだ。

本格的にパワートレーニングを始めたのは4月中旬。ワークアウトメニューを中心にフリーライドやレースなどを行った。
メニュー計画は特に作らず、内容はその時の気分で適当に決めていたが、トレーニング量はTrainingPeaksで管理し、オーバーワークに気をつけつつ練習量を積み上げていった。

トレーニング管理サービス TrainingPeaks

加えて、毎月FTPテストを行い、トレーニングの進捗を確認した。

疲労が溜まってきたタイミングでお盆の暑さが重なり、やや不調になった時期もあったが、練習量を落として調子を整え、ベストな状態で10月のシーズンインを迎えた。
練習の成果は先に取り上げた通り。想像以上のパフォーマンスだった。

来季に向けて

チーム体制にも恵まれ、トレーニングの成果もあり、非常に好調のシーズンでした。
サポートいただいた皆様、また、こんな状況でレース開催に尽力いただき、思い切り走れる舞台を整えて頂いた関係者の方には感謝しきれません。

もう3月も終わり、次のシクロクロスシーズンまで半年。

19-20、そして20-21シーズンは関西CXシリーズ戦をメインに出場していたが、来季は、全日本選手権で結果を残すことを第一の目標に据える。

シクロクロスで良いリザルトを残すためには、より前方からスタートする必要がある。
全日本のスタート順はUCIポイント、そしてJCFナショナルランキングの順番なので、JCXレース、特にUCIレースの遠征を増やしていこうと思っている。

来季はさらに飛躍できるよう、地道にトレーニングに取り組んでいく。