【レビュー】Garmin Fenix 6s ~ライフログもGPSも全部入り 機能満載のスマートウォッチ~

Garmin Fenix 6s

ライフロガー、スマートウォッチ、そしてGPSアクティビティロガーとしての機能をあわせ持ったガーミンウォッチ。
ランニングやサイクリングはもとより、登山からトライアスロンまで幅広いスポーツに対応する。本体は堅牢で過酷な使用に耐え、バッテリーライフも長い。

評価 ★★★★★

購入価格 65000円(fenix 6s ベーシックモデル)

長所 -Pros-

  • タフな使い方に耐えるハードウェア
  • Suica対応
  • 通常使用9日というバッテリーライフの長さ

短所 -Cons-

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ガーミン(GARMIN)

腕時計型ガーミンデバイスの最上位モデル

fenixシリーズやForeAthleteシリーズなど、GPS内臓の腕時計型ガーミンデバイスは、以下の3つの機能を併せ持っている。

  • ①GPSサイクルコンピュータ機能
  • ②ライフロガー機能
  • ③スマートウォッチ機能

fenixシリーズは、登山やトレイルラン、ウルトラマラソン、トライアスロンなど、長時間にわたるアウトドアスポーツを想定したガーミンウォッチのフラッグシップモデルで、発売時点での最新の機能が盛り込まれ、過酷な使用に耐える頑丈な造りをしている。

やたら電池が持つのが特長のひとつで、fenix 6sでGPSロギング+心拍測定を行った際にはバッテリーライフ25時間。標準サイズのfenix 6だと36時間ももつ
GPS取得間隔を長くして電力消費を減らすバッテリー最長モードだと、泊りがけの登山のログも余裕で記録できる。

fenix 6S
(コンパクトモデル)
fenix 6fenix 6X
(大型モデル)
スマートウォッチモード9日間14日間21日間
GPS+光学心拍計25時間36時間60時間
バッテリー最長モード50時間72時間120時間
エクスペディションモード20日間28日間46日間
バッテリー節約ウォッチモード34日間48日間80日間
fenixシリーズのバッテリー駆動時間

ベゼルや裏蓋は金属製(ステンレスまたはチタン)で、少々重たいが堅牢な構造になっている。一方、マラソン・トライアスロン向けのForeAthleteはハウジングと裏蓋が一体のプラスチック製で、軽量化を意識している。
なおリング状の金属ベゼルは飾りではなくアンテナを兼ねている。

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fenix 5の内部 (EP&T

fenix 6シリーズのラインナップは、以下の3種類のサイズで展開されている。

fenix 6Sfenix 6fenix 6X
直径42mm47mm51mm
ディスプレイ1.2インチ1.3インチ1.4インチ
重量61g82g93g
fenix 6シリーズ

各モデルのグレードは3つ。

  • 無印…ベーシックモデル
  • Sapphire…サファイアガラス風防。地図機能やWifi等、機能も充実
  • Pro Dual Power…ソーラー充電対応

ほか、一部モデルはチタンベゼルだったり、バンドの種類(シリコン・メタル・皮革)があったりするが、割愛。

今回は、軽さと小ささを重視して、コンパクトモデルにあたるfenix 6Sのベースモデルを購入した。

①GPSサイクルコンピュータ機能

fenix 6シリーズは、Garmin Edge上位機種の機能がたいてい実装されており、レースや本格的なパワートレーニングでも使える、まさに腕時計サイズのGPSサイクルコンピュータ。

腕に取り付けられるEdgeシリーズ

普段のトレーニングやレースはEdgeシリーズを使っており、fenixは電池切れ時などのバックアップの意味合いが強いが、
折り畳み自転車のブロンプトンに乗るときはfenixでログを取っている。
というのは、ブロンプトンのハンドル周りにアクセサリを取り付けると折りたたみ時に干渉するため。車体にあれこれ取り付けないことで、折りたたみと展開をスピーディーに行える。

また、泥コンディションでのシクロクロスレースではバイクに泥が詰まり、重量や走行抵抗が増加するとともにメカトラの原因になる。
そのため、1~2周ごとにピットエリアでバイク交換を行うが、バイクではなく体にGPSサイクルコンピュータがついているとレース全体を通したラップタイムの推移を記録できて、レースの振り返りに役立つ。

そういえば、Garmin Edgeを忘れてレース会場入りしてしまったが、腕につけたfenix 6sで無事にログを取れたということもあった。

パワーメーター対応

パワーメーターに完全対応しており、パワーメーターとのペアリング、左右パワーの表示と記録、TSSの計算、ペダリングダイナミクス記録など、Edge上位機種と同じ機能を持つ。

なお、腕時計型ガーミンでパワーメーターとペアリングできるのは、fenixシリーズと、ForeAthlete 900番代と700番代だけなので注意。

コースナビゲーション

Garmin Connectで予めコースを作成しておけば、コースナビゲーションも可能。
コースはスマートフォンのGarmin Connectアプリから転送できる。

fenix 6sではコースの線が表示されるだけだが、上位機種のfenix 6/6s/6X Sapphireでは地図表示も可能。

MTBダイナミクス対応

アクティビティタイプをMTBにした場合、ジャンプの滞空時間や飛距離を検知してくれるMTBダイナミクス機能も有効になる。

ただし、腕につけている状態だとジャンプがうまく計測されなかった。MTBダイナミクス機能を使う際は、加速度を正確に検知できるようfenix 6sをハンドルに固定する必要がある。

Edgeシリーズをfenix 6sの外部ディスプレイとして使用可能

Garmin Edge 130や530をFenix 6シリーズの外部ディスプレイとして使うことも可能。
これはトライアスロンのバイクパートでの利用を想定していて、レーススタートからのログはFenixで記録しながら、速度やパワーなどの情報をバイクに取り付けたEdgeに表示するというもの。
乗車姿勢を崩さないまま速度や距離、パワーを確認できる。

ただ、サイクリングの場合、Edgeでログを取れば良い話なのであまり使い所はない。

②ライフロガー機能

ガーミンの腕時計型デバイスはライフロガーとしての機能が充実しており、常に腕につけておくことで、スポーツ中だけではなく日常生活の健康状態を把握できる。
加速度センサーで歩数を計測するほか、裏蓋に内蔵された光学式心拍計(後述)で常に心拍数をモニタリングできる。

例を挙げると

  • 歩数
  • 心拍数
  • ストレス・疲労
  • 睡眠時間(レム睡眠・ノンレム睡眠)

といった内容を記録でき、デバイスの画面やGarmin Connectアプリで確認できる。
起床時の心拍数を見るとその日の体調を確認できるので、充電時以外は就寝中も常に身につけている。

③スマートウォッチ機能

Garminの腕時計型デバイスはあくまでもスポーツ・アウトドアアクティビティ中の各種データを記録するための機器で、Apple Watch等とはそもそもコンセプトが異なるが、次のような、スマートウォッチとしての機能も備えている。

  • 時計機能(カスタム文字盤あり)
  • プッシュ通知の受信
  • 電話の受話or拒否
  • メールやSNSメッセージに対して定型文の返信(内容はGarmin Connectで編集可)
  • カレンダー予定の確認
  • その他、ストップウォッチ等の簡単なアプリを追加可能(ConnectIQアプリ経由)
返信メッセージは予め設定可能(編集機能はfenixほか上位機種のみ)

本体にはバイブレーションが内蔵されているため、目覚ましアラームを設定しておくと腕が震えて起こしてくれる。
アラーム音もバイブレーションも少々頼りなく、自転車に乗っている最中は気づかない程度なので、もう少し大音量かつ強い振動ならなおよかった。

内蔵の光学式心拍計

最近のガーミンウォッチには光学式心拍計が内蔵されていて、運動中から睡眠時まで、常に心拍数を測定できる。

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ガーミンの心拍計付きGPSスマートウォッチには心拍転送モードという機能があり、この機能をオンにするとfenixを心拍センサーとして使用できる。
通信規格はAnt+と、最近Bluetoothにも対応したため、Garmin Edgeや他社サイクルコンピュータのほか、スマートフォンやiPad上のZWIFT等のアプリで使うことも可能になった。

画像
Bluetoothでの心拍数転送に対応

光学式心拍計は手首の皮膚にLED光を照射し、脈拍にあわせて変動する反射光を検知して脈拍を測る仕組みだが振動に弱く、ランニングやローラー台では胸につける心拍バンドと遜色ない測定精度が得られる一方、自転車で実走中は測定値が狂いやすい
ハンドルから伝わる振動の影響を受けにくい上腕部にfenixを巻くと、実走中でも精度良く心拍数を測定できる。

Suica内蔵で非接触決済に対応

本体にはSuicaが内蔵されており、電車の改札や店舗、自販機などで支払いができる。
Garmin Connectから設定しておけば、Suica画面を呼び出さなくても、ICカードのようにかざすだけで決済できる。
この機能目当てで、ForeAthlete 935から買い替えたといっても過言ではない。

fenix 6s以降に発売されたガーミンウォッチ上位機種は、たいていSuicaに対応してきている。
日本仕様のみFelicaリーダーが内蔵されているのだろうか。
ガーミンジャパン扱いになってから内外価格差も少なくなったし、Suica対応機種に関しては、いよいよガーミンを海外通販で購入する意味がなくなってきた。

ForeAthlete 745なんて、Suica対応、パワーメーター対応、それでいて価格も4万円台半ば。ランニング向けのForeAthleteシリーズなので重量も軽い。今買うならコレかな。

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ガーミン(GARMIN)

腕時計にSuicaが内蔵されているというのは想像以上に便利で、重たい自転車を肩に掛けて輪行する時も手首をかざすだけで改札を通れるし、
サイクリング中のコンビニ補給でも、ジップロックに入れた財布をバックポケットから出す必要がない。

Garmin Connect上でSuicaのチャージを行う

なお、SuicaはGarmin専用に新規に発行されるため、既に持っているSuicaを移行することはできない。
チャージはGarmin Connectアプリ上にてGoogle Payで行う。

まとめ: 自転車乗りに24時間密着するガーミン

ライフロガーとして、スマートウォッチとして、そしてGPSサイクルコンピュータとして、自転車乗りの生活に24時間寄り添う製品。
Ant+/Bluetooth規格の心拍センサーとしてZWIFTでも活躍するし、Suica内蔵で財布としての役割も果たす。

数日に一度の充電時以外は、サイクリング中も仕事中も就寝中も、ずっと腕に巻いている。