紀伊半島横断 雨の伊勢ライド ~AGILEST+ワイドリムで160km~

AGILEST発売後、集中的にロードバイクに乗っている。
ロードから離れていた数年のうちに起こったワイドリム化やディスク化に関する知識をアップデートしている状況だが、いろんな発見があって楽しい。

新ETRTO準拠タイヤを活かすためのワイドリムホイール「Mavic Ksyrium Pro Carbon SL UST」を手に入れ、空気圧のセッティングも決まったので、ちょっと伊勢まで160kmほど走ってきた。

走行ルート

西から東に紀伊半島を横断する大阪→伊勢ライド。

過去に何度か走ったことはあるが、今回は国道166号線を通るコースを選択。

R166ルートでは高見峠という大きめの山を越える。今回はトンネルではなく旧道を走るため標高900mまで登る

しかし、登りきってしまえば下り基調なので、疲労が溜まってくるライド後半をラクに走れる。

https://ridewithgps.com/

現地到着後は、特に伊勢神宮にお参りしたりする予定はなく、宇治山田駅の「まんぷく食堂」名物 からあげ丼を食べて、お土産に「へんば餅」を買って帰るだけ。要するにこれはグルメライド。

帰路は輪行。近鉄特急に乗れば、宇治山田駅から大阪上本町まで乗換なし。1時間40分ほどかかるが、車両の端に指定席を取ってバイクを置き、寝てればそのうち着く。

バイクと装備

バイクはいつものリンスキー。

最近、ホイールをキシリウムカーボンに変えた。内幅19mmリムのこのホイールは、新ETRTO準拠のAGILEST 25cを活かすために購入した。つまり、タイヤから生えてきたといっても良い。チューブレス対応なので、AGILEST TLRも履ける。

リムブレーキでワイドリムのチューブレス対応ホイールを散々探したのに、結局現行品から選ばなかった。

カーボンのローハイトリムだが、重量は前後で実測1500gほどと、特に軽いわけではない。その代わりにかなり硬い。

ワイドリム化にともなって空気圧はだいぶ下がった。内幅15mmのときは前後6.5barで乗っていたが、内幅19mmリムでエアボリュームが増した結果、フロント5.4bar、リヤ5.8barと1bar近く低圧に。
ここまで下げてもタイヤがヨレる感じはない。

25cのタイヤを履かせて、実測幅は26mmになった。リム幅は25mmなので、タイヤ+リムの断面が長円形状になり、空力的に良さそうな気がする。

なおブレーキシューはシマノR55C4 カーボンリム用を使用。2セットで3000円以下と、(信用できるメーカーの)カーボン用シューの中ではぶっちぎりに安いし…

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シマノ(SHIMANO)

トップチューブバッグにはTOPEAKのトライバッグ。小物を入れるのに便利。手持ちのものは自転車に乗り始めた頃に購入したので、15年くらい使っている…

サドルバッグはオルトリーブの小さめのやつ。中身は携帯工具とポンプ、ウインドブレーカー、ニッパーで切れそうな小型のワイヤーロック。あと干からびかけた制汗シート。

ボトルケージに差した輪行袋はオーストリッチのL100。

ジャージのバックポケットには、スマホと財布、エナジージェル1本。

我慢の市街地走行

2022年4月17日、朝9時過ぎにスタート。険しいオフトゥン峠のため、この時すでに1時間遅れ。

最初の50kmは市街地走行。大阪府の大阪狭山市や富田林市を抜けるが、このあたりは信号が多く流れが悪い。

国道165号で一山こえて奈良県へ。気温は20度と暖かい。

奈良側に下っても走りにくい道路が続く。車社会なのに道路整備が追いついていないうえ、市街地を突っ切るのでストレスばかり貯まる。

げんなりしながら大和高田市や橿原市を抜け、R165,R166が分岐するとようやく走りやすくなる。

出発から2時間、55kmほど走って、道の駅宇陀路大宇陀で最初の休憩。

道の駅宇陀路大宇陀

ブルーベリーソフト、味が薄かった…

R166旧道 高見峠

ここからはR166をひた走る。道路は上り基調だが信号は一切なく、市街地走行よりはずっと快適。

そして高見トンネル(総延長約2.5km)の手前で、高見峠に至る旧道へ。

この分岐を右へ

あまりクルマが通っていない、いい感じの道を登っていく。

人もクルマも通らない道路。平均勾配7%程度の気持ちの良いヒルクライムを楽しむ。

やがて、標高900mのピークに到達。ここは登山口になっているようで駐車場が整備されていた。

県境をまたぎ、三重県に下っていく。

下りは舗装が傷んでいたり、堆積物や落石、苔があるがAGILESTのグリップを信じろので十分なスピードコントロールを。

こういうシチュエーションではタイヤが太いと走りやすいが、タイヤ幅が同じ25cでもリム幅が広いとエアボリュームが増して振動吸収性が高まるし、コーナーでヨレにくいメリットもある。

残念ながら少し雲がかかっていたが、時折ダイナミックな景色が眼前に現れる。

タイヤのグリップは十分だが、ブレーキが残念。カーボンリムの制動力自体は十分だがコントロール性が悪く、せっかくのタイヤの性能を引き出せない。

特に、引き絞ったブレーキを緩めるときの感覚がリニアではないので、コーナーでバイクを倒していく時が不安。

制動力を自在にコントロールできる油圧ディスクブレーキを知っていると、やはりリムブレーキには不満を持ってしまう。軽くシンプルなスタイルは好きなんだけど。

このまな旧道で下ることもできたが、R166のくねくねした下りを楽しみたかったので、トンネル出口のあたりで新道に合流した。

ループ橋のようになっている箇所もあり楽しみにしていたのだが、カマボコ(減速帯)とジョイントでバイクが跳ねるので危なっかしく、あまり気持ちよくなかった。

雨と向かい風とハンガーノック

高見峠を越えると下り基調、あとはらくらく高速巡航のはずだったが、向かい風で速度が乗らない。

しかも霧雨が降ってきた。

ミトコンドリアもしっとり…

やがて道路はウエットに。

そろそろ補給をしたいがジェルはさっき飲んでしまったし、このあたりはコンビニ空白地帯。向かい風と雨で体力は余計に削られる。このままだとまずいぞ…

軽いハンガーノックのなかペダルを回し続け、ようやく現れた道の駅 飯高駅に駆け込んだ。

とりあえず糖分が摂れそうなものを補給。飯高名物 でんがら(こしあん)を無心で咀嚼。

グルメライド

元気になったところで再出発。雨はしっかり降っていて気が進まないが、進まないと帰れない

コケコッコー共和国の卵かけご飯

20kmちょっと走って、第1目的地である養鶏場コケコッコー共和国に至る。国民(鶏)の肉や卵を提供している恐怖の共和国だ。

時刻は15時半。ようやく昼食にありついた。

有精卵を使った卵かけご飯は450円。お箸で掴める新鮮な卵が疲れた体に染みる。

食べ終えたら、身体が冷え切る前に出発。

ここから伊勢までは25km。

田舎道を突っ走り、まちなかに入ると程なく伊勢の駅前に出る。

へんばや商店のへんば餅

まずは伊勢市駅前のへんばや商店へ。

伊勢名物といえば赤福だが、私のイチオシはここのへんば餅

赤福とは逆に、モッチモチのおもちの中にあんこが入っている。

へんば餅 5個入り400円

賞味期限が短くすぐに固くなってしまうので、モチモチした食感を味わうなら当日中。

店舗販売は伊勢近辺の数店舗のみ。訪問した時はぜひ食べてほしい。

まんぷく食堂のからあげ丼

伊勢市駅から700mほど走り、宇治山田駅へ。この近距離に駅を作る意味はあるのだろうか…

さっき卵かけご飯を食べた所だが、最後の目的地、まんぷく食堂へ。

迷わずからあげ丼を注文。また卵か…

からあげ丼 650円

体が冷えて箸が進まず、食べきれないかも…と思ったが、だんだん元気になってきて完食。

電車1本で輪行帰阪

ここまで160km 獲得標高1900mほどだった。後半は雨で体力を削られて、ダメージは大きいが…

帰りは宇治山田駅から輪行。

伊勢ライドの良いところは近鉄が通っていること。近鉄特急に乗れば1時間40分 乗換なしで大阪に帰れる。

特急券はからあげ丼を食べながらWeb購入。席の指定はもちろん車両の端。

輪行時の収まりを考えると、やはりエンド金具とサドルが接地する縦型輪行が良い。

座席後ろのスペースにバイクを置き、宇治山田駅17:46発の近鉄特急で大阪へ。

一眠りして元気になったので、上本町から自宅までの20kmほどは自走。雨が降ってないっていいな。

久々のセンチュリーライド(100マイル)を終えて

160km走るのは3年前のアワイチ(淡路島一周)以来。

しかも今回、後半60kmがずっと雨で、なかなかに過酷だった。まぁこれは、大阪の天気予報しか見てなかった私が迂闊だった。

バイクの方はトラブルもなく快調だった。

今回、きれいな舗装路面から荒れた下り、雨までいろんなコンディションで走ったが、AGILEST 25c+19mm幅リムは、空気圧さえ適正なら振動吸収性も良いし、ウエットグリップも十分に感じられた。

ただし、柔らかいコンパウンドは高いグリップの代償にトレッドが傷つきやすい。耐パンクベルトで止まっていたが、0.5mmほどの砂粒かガラス片のようなものがいくつかめり込んでいた。このあたりが心配なら耐パンク性を高めたAGILEST DUROだろうか。

ブレーキに関して、カーボンリム+リムブレーキで初めての雨だったが(シクロクロス除く)、そこまで効かないわけじゃないな、という印象。軽量キャリパーのせいで効きが弱いリヤブレーキは貧弱そのものだったが…
また、カーボンリムの場合、アルミリムと比べて汚いブレーキの研ぎ汁が出にくい気がする。

帰宅後は倒れ込む前に洗車と洗濯。

洗車後は、防水性が貧弱なマヴィック ID360フリーハブにグリスアップしておく。意外にも?内部に水は入っていなかった。防水シール部分にAZのシリコングリスを塗っておいたのが効いたのだろうか。

ウエアは下洗い必須。シクロクロスでは重宝している泥専用洗剤で洗うと、細かい砂粒や泥がたくさん出てくる。

一通りの後片付けを終えて風呂に入り、ようやく腰を落ち着ける。

まぁ楽しかったけど、やっぱり晴れの日に走りたいな。