FTP向上を目的とした有酸素メニュー。短時間のVO2MAX走とテンポ域の回復パートを交互に繰り返すことで筋肉と心肺機能を高負荷に順応させるとともに、乳酸を用いたエネルギー再合成能力を養う。
Best of Zwift Academy > ZA 2022 > FTP Gains
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メニュー
- アップ
- 30→78% 10分
- 5セット×(70% 40秒+102% 20秒)
- 55% 3分
- メインセット
- 4セット×(78% 4分 (90rpm)+110% 1分 (100rpm))
- 55% 3分
- 81% 5分+78% 5分
- クールダウン
- 60→30% 9分
ワークアウトについて
競技サイクリストにとって、フィジカルを測る重要な指標がFTP(機能的閾値パワー)だ。
FTPは1時間継続できる最大パワーとして定義される。高いFTPはすなわち、有酸素運動域で長時間高出力を維持できることを示している。
FTPを向上させる方法として、
- SST(90%FTP前後)で持久力のベースを作る
- LT域(90~104%FTP)で、有酸素運動能力を高める
- VO2MAXインターバルで最大酸素摂取量を増加させる
といった方法があるが、今回のメニューは、短いVO2MAX走と中強度の回復パーツを交互に繰り返す構成となっている。
4セット×(78% 4分 (90rpm)+110% 1分 (100rpm))
このワークアウトでは、筋肉と心肺機能を高負荷に順応させるとともに、VO2MAX走で生じた乳酸をテンポ域でエネルギーに再合成させることで、無酸素運動後の回復力を高める効果も狙っている。
高強度の運動を行うと解糖系が働き、グリコーゲンを分解し、ATPと乳酸を生成する。この時、急激に筋肉が疲労するため、最大出力での持続時間は30秒~1分程度に限られる。
乳酸はかつて疲労物質と言われていたが、それ自身は疲労物質ではない(乳酸濃度から筋肉疲労の具合がわかるので、指標としては有効)。
血中に生成された乳酸は、有酸素運動においてエネルギー源として再利用される。
したがって、今回のような無酸素運動と有酸素運動を繰り返すメニューを行うことで、乳酸の生成と利用のプロセスを身体に適応させ、耐乳酸能力や再合成能力を高める効果が期待できる。
類似ワークアウトとして筆頭に挙げられるのはLactate Shuttle Shortだ。
30分間の短いワークアウトだが、1分ごとに高出力・低出力を切り替え、乳酸の再合成能力を刺激することができる。
ワークアウト実走
負荷調整して115%でチャレンジ。
これに伴ってメインセットのパワーゾーンは1つずつ上がり、SSTの途中に1分間の無酸素ダッシュを挟むメニューへと変わる。
4セット×(90% 4分 (90rpm)+127% 1分 (100rpm))
SSTで走り続けることは難しくないし、1分程度のL6ダッシュもどうということはない。しかし、これらが組み合わさると途端に回復がシビアになる。
キモはレスト区間のほうだ。踏み脚ではなく、均一なトルクで回すようなペダリングを行いつつ、意識的に深い呼吸をすることで心拍数を下げ、回復を促す。
メインセット後半は10分間のSSTだ。正直退屈だが、心のスイッチを切ってペダルを回し続け、完遂。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。