開催が1年延期された2020東京オリンピックがついに開幕した。
というわけで、オリンピック選手のワークアウトをテーマにしたAthlete-Inspiredシリーズより、BMXの女王 マリアナ・パホンのペダリングドリルに挑戦。低ケイデンスでペダルの踏み方を意識し、スムーズなペダリング技術の獲得を目指す。
Athlete-Inspired > Mariana Pajon – Force Development
https://whatsonzwift.com/workouts/athlete-inspired/mariana-pajon-force-development
メニュー
- アップ
- 50→75% 5分
- 55% 2分
- メインセット
- 85% 5分 (70rpm)
- 60% 3分 (85rpm)
- 85% 5分 (70rpm)
- 60% 3分 (85rpm)
- 85% 5分 (70rpm)
- クールダウン
- 55→34% 5分
ワークアウトについて
コロンビアの女子BMX選手、マリアナ・パホンは、2012年ロンドンオリンピックと2016 リオオリンピックの金メダルをはじめ、世界選手権のタイトルをいくつも持っているBMX界の女王。
もちろん、2020東京オリンピックにも出場し、銀メダルを獲得。惜しくも3連覇とはならなかったが強さを見せた。
BMXレースはジャンプやバームが設けられたコースで行われ、競技時間は30~60秒と短い。
そのため、レース中はずっと無酸素運動。しかもペダリングだけでなく、全身を使ってバイクをコントロールしなければならない。
このように、BMXレースはL6に相当する無酸素運動だが、このワークアウトはペダリングスキル獲得を目的としており、L3以下の低いパワーゾーンで行う。
レーススタート時は停止状態から重いギヤを回して加速する必要がある。低いケイデンスでペダリングしながらペダルへの力の加え方を意識し、スムーズなペダリングスキルを獲得しよう。
メインセットは単純で、
を交互に繰り返す。 L3はペダリングを意識して踏むセクションで、L2はリラックスするためのレストに相当する。
さて、本メニューではペダリングを分解して、力の加え方を意識する。
ケイデンスが遅いので、脚の動きや筋肉の使い方を感じ取りながらペダルを回せるはず。
①「プッシュ」と「プル」
1回目のL3セクションでは、「プッシュ」と「プル」を意識する。
プッシュ
上から下にペダルを踏み降ろす動き。大きな力を発揮でき、ペダリングパワーの大部分を占める。
プル
ペダルを引き上げる動き。いわゆる引き足。
これ自体で大きなパワーを発揮できないが、引き足を行うと反対側の脚の「プッシュ」を妨げない。
ハイケイデンスで腰が跳ねるのは引き足ができていない証拠。高回転が苦手な人は「プル」を意識すると良い。
②「キック」と「スクレイプ」
2回目のL3セクションは、上下死点(0時と6時)で行う「キック」と「スクレイプ」の感覚を掴む。
ペダリングがギクシャクする人は、この動きが苦手な場合が多い。
キック
上死点(0時)付近で、ペダルを前方に蹴り出す。
ボールを蹴るように、つま先を前に押し出すイメージ。
個人的には「親指の爪をシューズ内側に当てる」ようにしている。
スクレイプ
プッシュからアップに移行する下死点(6時)で、足を後ろに動かす動き。
靴底の泥をこそげ落とす(スクレイプ)イメージ。
私は「カカトをシューズと密着させる」感覚で行っている。
③すべての動作を連続して行う
最後のL3セクションでは、
- キック(0時)
- プッシュ(3時)
- スクレイプ(6時)
- プル(9時)
の動きを連続して行う。
キック、プッシュ、スクレイプ、プルの動きを順番に意識しながら、70rpmでペダリングする。
常にクランクにトルクを掛け、スムーズに「回す」ペダリングを習得できれば、高いケイデンスでもロスなく回すことができるし、
同じパワーなら踏み足の負担が少なくなるので、脚の疲労を軽減できる。
ワークアウト実走
ペダリングが上手いだなんて間違っても言えないのだけれど、シクロクロスやMTBのレースをやっているので、滑りやすい路面で確実にトラクションを伝えるため、低ケイデンスでトルクが途切れないようなペダリングはそれなりにできている(はず)。
しかし、上半身の動きを使える実走に対して、脚の筋肉だけでペダルを回さなければならない固定ローラーはまた違った難しさがある。ワーク中の説明を読みながらやってみたけど「キック」がちょっと苦手な気がする。
自転車は脚力が数値化されてしまうゆえ、筋力と心肺能力を鍛えて「スプリント何ワット」だとか「FTP何倍」となりがちだけど、自分のペダリングと向き合うのも必要だと改めて感じたのだった。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。