第一線で活躍するオリンピック選手のワークアウト「Athlete-Inspired」より、MTBクロスカントリーレースで連戦連勝を誇ったニノ・シューターのメニューに挑戦。
FTP付近でのパワーの上下に対応する実戦的な内容で、3つのセットの各インターバル区間では「低回転」「高回転」「ダンシング」を行い、様々な状況への対応力を高める。
Athlete-Inspired > Nino Schurter – Punchy Climbs
https://whatsonzwift.com/workouts/athlete-inspired/nino-schurter-punchy-climbs
メニュー
- アップ
- 55→75% 5分
- 55% 2分 (85rpm)
- メインセット
- シッティング低回転 3セット×(93% 2分 (90rpm)+108% 30秒 (75rpm))
- レスト 55% 3分 (85rpm)
- シッティング高回転 3セット×(93% 2分 (90rpm)+108% 30秒 (100rpm))
- レスト 55% 3分 (85rpm)
- ダンシング 3セット×(93% 2分 (90rpm)+108% 30秒 (75rpm))
- クールダウン
- 55→35% 5分
ワークアウトについて
スイスのニノ・シューターといえば、MTBクロスカントリーレースの絶対王者。
2008北京五輪では銅メダル、2012ロンドンで銀メダル、2016リオで金メダルを獲得。世界選手権のタイトル獲得は2009,2012,2015~2019と、獲れなかった年を数えるほうが早いレベル。
派手なジャンプでファンを沸かせる走りも魅力的。東京オリンピックではメダルを逃したものの、4位を獲得した。
さて、「Punchy Climbs」は、LT域で踏みながら、FTP以上のパワーで踏み込むというもの。
こうしたシチュエーションはレースで頻繁に経験するため、高強度でペダリングしつつ回復する能力は競技者にとって重要。
類似したワークアウトにVAULTやSweetSpot with burstsがあるが、これらはSST+バーストという構成。
Punchy Climbsは、もう1段上のパワーゾーンでの回復が求められる。
メインセットは、
3×(93% 2分 (90rpm)+108% 30秒 )
これを3セット行うが、 このメニューは単純なFTP over/underインターバルではない。
L5インターバル区間のペダリングは
- 1セット目…シッティング低回転(75rpm)
- 2セット目…シッティング高回転(100rpm)
- 3セット目…ダンシング(75rpm)
と、セットごとに指定される。
オフロードで行うMTBクロスカントリーレースでは、状況に応じてペダリングの仕方を変える必要がある。
急斜面ではギヤが足りず低ケイデンスにならざるを得ないし、路面がぬかるんでいたり凸凹している場所では滑るのでダンシングできない。
低回転では筋肉に、高回転では心肺に負荷がかかり、ダンシングは上半身も含めた全身の運動となるため、レストで回復させる部分も当然異なってくるが、
このワークアウトをこなすことで、様々なシチュエーションでペース上下に対応できる能力を養うことができる。
ワークアウト実走
私はシクロクロスやMTBレースに取り組んでいることもあり、高回転よりも低回転でトルクを掛けるペダリングのほうが得意。
なので、(脚がフレッシュなのも原因だろうけど)1セット目の低回転は難なくこなせた。
対して、2セット目のハイケイデンスはちょっと辛い。
ペダリングが下手なので高回転だとペダリングロスが増えてしまい、パワーの割にしんどい。
3セット目はダンシング。実走では短い急坂など、ギヤを落とさずダンシングで乗り切ることもある。
脚だけの筋肉に頼らず、上半身の動きや体重を利用してペダルを踏み込めるのがメリットだが、全身運動になるため効率は悪いようで、心拍数はピークを打った。
全体を通して難易度は高くないが、苦痛がジワジワとやってくるメニュー。
関連情報
SARISサポートライダー活動について
2020年12月よりSARIS JAPANサポートライダーとなり、
インドアトレーニングやバーチャルライドを盛り上げる活動を行っています。
トレーニングにはSaris H3を使用しています。